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画家Kの自伝

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画家である 加藤Kがその人生で体験してきた経緯を時系列で物語仕立てした小説です。 天使との恋、自然食教祖からのテレパシーと、不思議な体験も織り込まれた自伝です。各章末に、当時の絵…
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画家Kの自伝 

画家Kの自伝 

目次
画家Kの自伝 第一章    大学時代
画家Kの自伝 第ニ章  マクロビオティック
画家Kの自伝 第三章  最初の師匠との出会い
画家Kの自伝 第四章  精神を患ったこと
画家Kの自伝 第五章  復学
画家Kの自伝 第六章  名古屋での生活
画家Kの自伝 第七章  K.ArtMarket
画家Kの自伝 第八章  結婚
画家Kの自伝 第九章  サイババとの出会い
画家Kの自伝 第十章  再発

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画家Kの自伝 第一章

画家Kの自伝 第一章

短いようで長い旅を歩んできた。
自分は、この原稿を書いている現在、五十三歳で、今回、自分の拙い半生、短いようで長いような旅路を、ここで一旦立ち止まって振り返って書いてみようと思う。

 まず、大学時代の話、続いて、自然食マクロビオティックにはまったこと、人生の最初の師匠との出会い、精神を患ったこと、復学、名古屋での生活、ギャラリー運営を始めた頃 、結婚、サイババとの出会い、再発、K.Art Stu

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画家Kの自伝 第二章

画家Kの自伝 第二章

マクロビオティック

森下医学との出会い
今では、オシャレな若者に人気のある「マクロビオティック」、通称「マクロビ」。しかし、その根をたどると決しておしゃれでは済まされない深いものがあることを学生時代体験した。

 僕と、マクロビの出会いは、かねてからの体の不調を、何とか克服したいと思って、父の書斎で見つけた「食で病気を治す方法」という、自然医学界の権威、森下敬一さんの著書に触れたことから端を発す

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画家Kの自伝 第三章

画家Kの自伝 第三章

最初の師匠との出会い

桜沢如一
では、マクロビオティックの創始者、桜沢如一氏とは、どういった人物だろう。もともと彼は、健康に恵まれず、どうしたら丈夫な体になれるのかと、幼少の頃から悩み、青年期、石塚左玄という食養家に影響され、健康を奪回、そして、玄米を中心にその土地でできた季節の野菜、海藻、みそ、醤油、胡麻塩、胡麻油を中心とした食生活を提唱し、西洋の、肉食、砂糖の摂取を強く戒め、多くの難病を抱え

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画家Kの自伝 第四章

画家Kの自伝 第四章

精神を患ったこと

不思議な夜
東京から帰った僕は、仏壇のある座敷に寝かされた。
しかし、興奮してあまり眠れない。

自分のお腹は無限になった、なんでも無限に入る、というおかしな妄想で、ちょうど父が用意していたお釜の玄米を、全て食べてしまった。台所に行くと、母が立っていて、母には桜沢さんが乗り移っている気がした。

「ずっとお前を待っていた、俺はもうこのトンネルを抜けて先に行くぞ」と母は言った。桜

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画家Kの自伝 第五章

画家Kの自伝 第五章

復学

 

復学
春は、羅患以降ぐるっと一年まわり、再び桜の季節が巡ってきた。川上先生に、復学を相談すると、迷わず「頑張って行きなさい」と言ってくれた。

もう一度アパートを探し、頑張ろうと母と東京に行き不動産を廻った、不動産屋に紹介される物件は、どれも納得いくものがなく、収穫なく母と名古屋に帰ってきた。東京のアパートの家賃の高さや、再びの独り暮らしの不安から、家族と話し合い、結局新幹線通学する

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画家Kの自伝 第六章

画家Kの自伝 第六章

 名古屋での生活

 

バイト生活
大学卒業後、僕は名古屋に戻り、新しい生活が始まった。

就職はせずに、高校時代からの友人、大河原氏と付き合い始め、彼の紹介で「個室ビデオ店」でアルバイトを始める。

大河原氏は、高校時代から気の合った友だった。

高校時代は、日本もちょうどバブル期で、一緒にDCブランドの店をはしごしたり、ディスコに行ったりして、女の子をナンパしたりして遊んだ友である。

アル

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画家Kの自伝 第七章

画家Kの自伝 第七章

K.ArtMarket

オルタナティブスペース
僕は、大学を1993年に卒業するのだが、1995年に、今運営中の「K.Art Studio」の前身の「K.ArtMarket」を名古屋の親から譲り受けた自宅の長屋に設立する。

K.ArtMarketは、どういった思いから始めか、というと「こうこう、こういう志」というものがあって始めた、というわけではなく、友人が、古い長屋の洋室を見て、「この部屋、

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画家Kの自伝 第八章

画家Kの自伝 第八章

結婚

恋仲
前記で、K.ArtMarketの展開の経緯を抜粋したが、続いて、1998年の、現在の妻との結婚に触れてみたい。

 僕らが知り合ったのが、1993年。
そして、結婚したのが、1998年十月十八日である。

その結婚の陰には、当時もう一人付き合っていた女性の存在がある。

その女性水谷さんは、当時出版社のライターとして名古屋のタウン誌の編集部に勤めていた。

出逢いは、水谷さんのK.A

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画家Kの自伝 第九章

画家Kの自伝 第九章

サイババとの出逢い

理性のゆらぎ
さて、こうして、妻・ひとみとの新しい生活は始まった。

新婚時期の女性とは、言ってみれば、花が一番ふくらみ香りとオーラを放っている時期だと思う。妻も、新婚時の写真を見ると、やはり花のようなオーラーを放っていることが分かる。
妻は、結婚後、ホテルのルームメイキングの仕事に就く。僕は、ビルの早朝清掃に仕事に就く。

若い二人は、お互い、アルバイトながら充実した日々を

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画家Kの自伝 第十章

画家Kの自伝 第十章

再発

 
ペインティングライブ
新婚生活の時期を経て、二人は、働きながらK.ArtMarketの活動をつづけた。当時、弟がテレビ局のイベント会社に勤めていて、彼の部署が手掛ける大きなフリーマーケットで、ライブペイントをしてみないか?という提案があった。僕らは、快く引き受け、第一回目は、ペンキや刷毛を買ってきて、自分ひとりパーテーションに紙が貼られた大画面にライブペイントした。そして、ライブペイン

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画家Kの自伝 第十一章

画家Kの自伝 第十一章

K.Art Studio

時は流れて

ニ回目に発病したのが、2006年。

地震が軽くなっていくように、自分の病状も、少しずつよくなっては行ったが、根気のいる闘病である。

 しかし、その間もK.ArtMarketの活動は続けた。

2009年頃、我々の活動も転機を迎える。K.ArtMarketの活動が煮詰まり、夫婦で話し合って、一旦ギャラリーを閉じることになる。そして、残ったスペースをどう活

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画家Kの自伝 第十二章

画家Kの自伝 第十二章

半生を振り返って思うこと

絵画という装置
2021年現在、自分は五十三歳である。ここまでの自伝を書いてきたのだが、思えば、自分の歳まで生きられなかった友や先輩もいる。また、自分と同い年でも、大学教授をしている友、美術界でスターになった友とか、人生それぞれである。僕は、「人生」とは、他人と比べるべきものではなく、それぞれの人生が尊いのだと思う。例えば、ゴッホは、わずか三十数年生きて、あれだけの偉業

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