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(特に理由もないが)ちくま学芸文庫全読破を夢想してみる
ちくま学芸文庫全読破の野望
先日、ちくま学芸文庫の既刊2019冊をリスト化したというnote記事を目にした(註:かるめらさんの記事参照)。大変な力作で、上から下まで眺めるだけで、結構な時間がかかった。
タイトルと著者名を見ているだけでも、なんとなく勉強した気になるのだが、しかし、本はやはり読まれてこそ価値あるものであるはずだ。
(なお、これは大量の積読を抱え、日々背表紙を眺めるだけで充足してい
『上陸』第4号感想2 「OTHER」朝倉千秋
先日、公式ツイッターからラドンという名前を脱ぎ捨て、『上陸』になったということを知ったので、この記事の表記もそちらに従います。
前記事に続いて、『上陸』第4号の感想記事です。書評のようなかたちに感想をまとめました。
●「OTHER」朝倉千秋
この小説は、徹底的に、あるいは決定的に冷たい。
雑誌自体の末尾に挿入された作者のコメントには、清美に「肩入れしてみた」と書かれていたが、僕はあまりそうは読
ラドン『上陸』第4号感想1 「人形遊び」直嶋犀次
少し前のことになりますが、縁あって、創刊から毎号欠かさず購入しているラドンの合評会におじゃまさせていただきました。
大変白熱した合評会で、僕自身の創作にも大きな刺激を得ました。
そのときの感想を書評のような体裁にしたので、作品ごとに何回かに分けて記事にします。
●「人形遊び」直嶋犀次
「人形遊び」という行為は、何かを見ないようにする「嘘」を内在している。その共犯関係を成立させることで、初め