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脱洗脳記録

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手相診断をきっかけに怪しい団体に入り込んだ話。レアです。
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記事一覧

生きるということは【脱洗脳記録⑥ 完結】

生きるということは【脱洗脳記録⑥ 完結】

⑥とある新興宗教の団体と知らずに関りを持ち、1年間寮に入ることを決意した。

しかし、担当カウンセラーさんの過剰な干渉、あまりにも”普通”の一面を目の当たりにする。

望むような ”悩みも葛藤もない完璧な幸せ” が約束されているものだとすっかり思い込まされていたわたしは、少し目を覚ます。

しかし、もう戻れない。

彼に1年間消えることを告げると、止められたが…。

映画『DISTANCE』(是枝

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『一年間わたしは消えます』【脱洗脳記録⑤】

『一年間わたしは消えます』【脱洗脳記録⑤】

⑤街角で声をかけられた手相診断をきっかけに、ズブズブと怪しい団体に入り込んで行ったわたし。

ついには、家も友人も仕事も捨て、家族にも何も言わずに寮に入ることを決意しそうになる。そうすれば、本当の父母の愛を知ることができ、家系の悪い流れも断つことができるのだから…。

テレビもラジオもない部屋で、ひとり谷川俊太郎の詩を朗読して涙を流す数日。

そして、次に担当カウンセラー(ていうか勧誘係)のリスさ

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谷川俊太郎を読んで泣く【脱洗脳記録④】

これまでの経緯↓



怪しい宗教団体ではないか?との疑念を口にしながらも、(本当の事は言わないが)真摯に向き合ってくれるカウンセラーさんの力もあって、ビデオセンター通いは順調に続いていた。

生きやすさプライベートもある意味順調だった。

・人の為に生きることの素晴らしさ(教団に尽くすために刷り込まねばならない考え)

・善悪の明確な基準(教団に都合の悪い出来事や人はサタン的として一蹴)

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葛藤を愛そう【脱洗脳記録③】

葛藤を愛そう【脱洗脳記録③】

これまでの経緯  ↓



わたしを苦しませるあいつはサタンだ。

わたしは汚れている。

神が定めた運命の相手の為に生まれ変わらねば!



善悪が決められる快感そう考え始めたわたし。

毎回の講義でスパスパと善悪を決めきる講師の様子に快感さえ感じていた。

それが個人的な考えなら「意思がはっきりしていてすごい人」くらいにしか思わなかっただろうけれど、聖書を基に、個人の考えではなく神の視点で

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本当のわたしを知ってもらいたい症候群【脱洗脳記録②】



「心の勉強」に通うことを決めたわたし。

そしてこのことは、運のものだから誰にも言ってはいけない。



足りなかったもの・求めているものわたしは新しい習い事に通い始めるようなワクワク感をひとり心の中で転がしていました。

とはいえ、印鑑に大金払ったのも誰にも話してないし、どこか不安もあったのは事実。二十歳なんだからさ、初めての上質な靴やバックを買うとかすりゃいいのにね。全く興味がなかった

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決断してから自分を信じていく【脱洗脳記録①】

決断してから自分を信じていく【脱洗脳記録①】

人生の分かれ道はたくさんある。今日何を食べるか、どの道で帰るか、のような小さなことから、就職や結婚などの大きなことまで。

残念ながら一人ひとつの人生しか記憶できないのが一般的なので、決して比較は出来ないのがニクイ所。そして ”小さい” ”大きい” も、結果次第では見事に逆転することもある。



時々、選択しなかった世界を想像する時がある。

例えば、ダスキンヘルスケアの派遣で病院の看護助手の

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