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#ショートエッセイ
もう少し雨はやまなくてもよかったかもしれない(まよなかめがや#25)
不可抗力で生じたちょっとしたできごとを
ぼくは想い出として大切にしたい性分だ。
そのなかでも雨の日の想い出集は
群を抜いて分厚くなっている。
きっと雨男だからなんだろうと思う。
小学校のある日
夕方から土砂降りに加えて
雷がピカドンピカドン近所に落ちまくる日があった。
その日はパート帰りの母が傘を持って迎えにきてくれた。
なんてことのないいつもと同じ帰り道なのに
母と一緒に歩いた風景を
今でも
今日はやさしくやわらかかった(まよなかめがや#19)
夏の気配が少し薄れて
「ずっとこの気候が続けばいいのに」
と誰しもが口にするような穏やかな月曜日だった。
郵便局に特定記録を出しに行ったら
窓口のお姉さんがやたらと大きさをはかる定規を
ぼくの手渡した郵便物になんども重ね合わせ
縦にしたり横にしたりしたあと
「この部分小さくなれば定型なんですけど
小さくはならないですよね?」
と声をかけてくれた。
自分の準備の悪さと
大雑把さを少し憂いつつ
気づけば未来にやってきてしまった(まよなかめがや#9)
あっというまに2020年も
数日経ってしまった。
あーついに2020年になってしまったんだ。
ぼくにとって2020年といえばこの曲なんだけど
この曲をよく聴いていた2008年とか2009年ころに
2020年がくることはまったく想像できなかった。
2002年に発表されたこの曲は
当時から想像した2020年の姿が映し出されている
見渡すと新しい建物が立ち並ぶ
汚れてもかまわない 僕は君といるよ