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【高血圧】「基準値が130から160に変更」の衝撃

高血圧の基準が、従来の130以上から、160以上へと変更になった。

ーーという「ニュース」がネットを駆け巡り、驚きのあまり私の血管が切れそうになった(私も高血圧なのだ)。


私も、130以上だから、いつも健康診断で引っかかっていた。

でも160までOKならば、問題はなかったことになる。

高血圧不安によって、私の幸福度はいちじるしく損なわれた。どうしてくれる。

血圧を下げるために、食事に気を付けたり、運動をしたりしてきた、これまでの苦労はなんだったのか。責任取ってほしい。


なんで新聞はこんな大ニュースを1面トップにしないんだ?


衝撃を受けたのは私だけではないだろう。

高血圧基準の変更を解説したYouTubeの「ゆっくり」動画は、1日で40万回以上の視聴回数になっている。


これを知らずに病院に行くと100%損します。高血圧の基準が130→160に変更になった本当の理由(ドラッグストアゆっくり堂 2024/5/25)


この動画の解説をまとめると、


・もともと日本の血圧の基準値は低すぎた

・年をとると、血をめぐらせるために血圧が高くなるのは当たり前

・いまの人は栄養状態がよくて、血管が強いから、あんま脳溢血にならない

・むしろ高血圧のほうが脳に血が行くから、年寄りも高血圧のほうが長く自立できる

・血圧の基準を低くしていたのは、製薬業界が薬を売るためだろう

・でも、医療費の高騰がマジやばくなったので、こんかい基準を緩和したのだろう

・ただし、基準が変わったのは、健康診断の結果による受診勧奨の基準であり、高血圧症じたいの基準が変わったわけではないので気をつけろ


ーーみたいな内容だった。


しかし、本当に基準は変わったのか。

「ゆっくりニュース」だけを信用するわけにはいかん。


日本高血圧学会は5月24日、基準が変わったというのは「誤解」だとして、警告を発している。


特定健診の第4期(令和6年度から)用いられている血圧の受診勧奨判定値について、一部で基準が変ったという誤解が広まっています。

厚生労働省による「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度度版)」1)の受診勧奨判定値を超えるレベルの対応についてこの内容は、以下のようになっており、これは、日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン2019年版2)の推奨と同じです。

● 収縮期血圧≧160mmHg又は拡張期血圧≧100mmHg → ①すぐに医療機関の受診を
● 140mmHg≦収縮期血圧<160mmHg又は90mmHg≦拡張期血圧<100mmHg → ②生活習慣を改善する努力をした上で、数値が改善しないなら医療機関の受診を

今回の誤解は、2つの記載の①だけを強調されたものと考えられます。

(「特定健診における受診勧奨判定値についての正しいご理解を」日本高血圧学会 2024/5/24)

https://jpnsh.jp/data/202405-level.pdf


ん-、何を言ってるかわからん。

高血圧学会の文書が何を言ってるかわからんから、私の脳の血管が切れそうになる。

どうせ高血圧学会なんて、医薬品業界の回し者だろう。わざとうやむやにしようとしてるな。


もう少しわかりやすい解説が、茨城の「つちうら東口クリニック」のHPにあった。


全国健康保険協会(協会けんぽ)が、従来から行っていた「未治療者の方への受診勧奨(重症化予防事業)」の勧奨基準が、「収縮期:140mmHg以上/拡張期:90mmHg以上」Ⅰ度高血圧の基準から、2024年(令和6年)4月から「収縮期:160以上/拡張期:100以上」II度高血圧の基準に変更になっただけです(下の表2)。
 この表2からわかることは、血圧だけでなく血糖も脂質も病気の診断基準そのものに変更されています。今までは、「病気の兆しが出ていて、このまま放置すると病気になりますよ」という勧奨基準から、「すでに病気の診断基準を満たしているので直ぐに治療を始めてくださいね」というメッセージに変更されたのです。本当に日本国民の健康を守ろうという意識があるのか、はなはだ疑問に感じますが、医療経済学的な観点から考えれば、致し方ないのかもしれません。
(高血圧基準が2024年4月から変わった? 2024/4/20)

上記の全国健康保険協会(協会けんぽ)の「表2」は以下を参照



これでもまだわかりにくいが、要するに未治療者への受診勧奨基準が、

これまでの基準:Ⅰ度高血圧(140以上)から、

4月からの基準:Ⅱ度高血圧(160以上)に変わった、

ということらしい。


だから、「130から160」というより、「140から160」に変わった。

「なんも変わってませんよ」と血圧学会は言いたげだが、基準が緩和されているのは事実のようなのだ。


基準が変わったのなら、厚労省なり、保険機構なりが、その理由や意味をちゃんと説明すべきだろう。

コソっと変えてんじゃねえよ。

上のクリニックの記事でも「医療経済学的な観点」云々と、なんかうす暗い背景を感じさせる。なんだよ医療経済学って。


政治家のパーティ券だの静岡みたいな田舎の知事選だの、興味ねえ。

私の人生に関係するのは「血圧」のほうだ。


これまでの血圧基準はなんだったのか。

というか、かくも多くの人の人生を左右する「血圧」とは何か。

マスコミも、医療業界に買収されてないで、ちゃんと追及しろ。

岸田にはきっちり説明してもらわんといかん。

怒りで脳の血管がいまにも切れそうだから早く頼む。



<5月28日追記:参考記事>

「高血圧」の判定基準が2024年4月ついに改訂! 「副作用もある降圧剤を飲むべきか否か」問題に迫る【大櫛陽一】(KKベストセラーズ 2024/5/11)


<参考:過去記事>


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