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日々読みバックナンバー

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「日々を読むように記していく」ことを目的に書いていく 2022年10月29日から始めた1週間ごとの日記です。 大抵のことは忘れてしまうので、日記を書きます。 その日に起きたこと、…
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#エッセイ

日々読み #30

日々読み #30

5/21 晴れ

昨日肉屋で買ったマトンを使ってカレーを作った。
ここ最近、スパイスからカレーを作るのがスタンダードになってきたからいろいろ試すのが楽しくなってきた。
はじめはスパイスカレーってなんだか小難しいような気がしていたけれど、やってみるとすごく簡単だ。
絶対にやるべきことはいくつか決まっているけれど、後は自由。結構感覚的に進めていく方が良かったりもする。

スパイス屋さんに言われてハッと

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日々読み #29

日々読み #29

5/15 雨

利用者をみていると「習慣が自分を助ける」ということがよくわかる。
毎日のように介入しているヘルパーの名前や顔すら覚えていられないおばあちゃんでも排泄のルーティン、内服のルーティン、水分摂取のルーティンができていると在宅での生活も半分オートマティックに送っていける。記憶が怪しくなっても体が覚えているから、日常送れる。体が習慣というデータを再生し続けているような感じがある。いいルーティ

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日々読み #28

日々読み #28

5/8 雨
コロナが5類になった。
インフルエンザと同じような対応になる。この日を境に平時に少しずつ戻っていくようだ。まだまだ市中ではマスクをしている人が多いけれど、近所の散歩ではマスクを外している人も増えてきた。

あの日感じていた閉塞感がずっと続くものではないということはどこかでわかっていたけど渦中にいる間はやっぱり大変だった。
こうして5類になった知らせを受けて、少しほっとした。人はこうして

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日々読み #27

日々読み #27

5/1 曇り

昨日読んだ「ぼけと利他」で「余白」の大切さが書かれていた。宅老所よりあいの施設長村瀬孝生と東工大の教授伊藤亜沙さんの異色の2人による往復書簡集であったのだが、やりとりがすごく面白くて読んでいてわくわくした。

2人の手紙のやりとりは文学的で美しい。そして、ケアはこんなにも軽やかに、楽しく、哲学的に捉えられるのかと思わされた。

ケアをしていると持てる策を全て出し尽くしてしまう瞬間が

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日々読み #26

日々読み #26

4/24 くもり

少し前にカメラを買った。
自分にしてはすごく高い買い物だった。前に使っていたカメラは古いフィルムカメラだったから、最近のミラーレス一眼カメラに変わって、僕の撮影も一気に変わった。前なら暗くて映らないようなところもよく写るし、前のカメラなら写せないような細かいところもしっかり写る。でもまだカメラが体に馴染んではいないような感覚があって、それがもどかしくなる。
焦る気持ちもあるけれ

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日々読み #25

日々読み #25

4/17 晴れ

今日は仕事の熱量が高い人と話した。
こんなに熱い人はなかなか居ないなと思った。
少し熱すぎるくらいだったけれど、仕事へ真摯に向き合う気持ちや姿勢が清々しくて不思議と嫌な感じがしなかった。よく漫画である優しい炎みたいな感じなのかな。
僕はこういう人が少し苦手なのだけれど、少しだけそっちの世界も見てみたくなった。
また新しい刺激が加わる。またチームの中で自分の在り方が変化してくる。そ

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日々読み #24

日々読み #24

4/11 晴れ
今日も一回り年上のご近所さんの話を思い出していた。
捉え方一つで感じ方とか、受け取り方が変わる。
それをご近所さんは音楽で例えて教えてくれたけど、僕はケアに身を置いている時間の方が長いから、ケアに引き付けて考えてみた。
高齢の方の話って異様に前置きが長かったり、話の途中で話が切り替わったり、主観と客観が入り混じったり、主語が抜けて誰の話なのかわからなくなったりする。同年代の人と話を

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日々読み #23

日々読み #23

4/3 晴れ

昨日は会が終わった後ということもあって夕飯を終えたら強烈な眠気が襲ってきて、気を失うようにして眠った。
今日は久しぶりに実家に帰る。帰ると言っても立ち寄る程度だけれど。
妻と僕は両親の車に乗って、実家に帰った。
ホテルから実家までのルートを車窓から眺めていると、友達と一緒に自転車でも走った道、果てしなく大きな田んぼ、友達と万能竿で魚釣りをしていた川が次々と目に入って、嬉しくなる。

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日々読み #22

日々読み #22

3/27 晴れ

最近、言葉が自分を助けてくれるような感覚というのがある。
訪問の場でケアをしているとこれでいいのかなという局面にぶつかることが多い。
病院であれば治療や苦痛の軽減といったある種の目標みたいなものが明確にあって、そこにアプローチしていける。しかし訪問看護はその人らしい生き方を支えていくことが目標であって、必ずしも医療的にベターな選択にならないことがある。

医療者という身でありなが

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日々読み #21

日々読み #21

3/20 晴れ

僕は写真を撮ることの難しさのひとつに、写真を撮る前の相手との関係性というものがあると思っている。

写真には人はどうしても表情や距離感、場所、姿勢、あらゆるところに撮ってもらう人との関係性が写り込む。
僕が妻の表情を撮るのと僕ではない誰かが撮るのでは撮れるものががらりと変わるだろう。
そして撮った写真を見てどんな人がどんな気持ちでシャッターを切ったのだろうとわかったり、想像できた

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日々読み #20

日々読み #20

3/12 晴れ

旅行から帰ってきて初めての朝だ。
今回は2泊3日だったけれど、とっても内容が濃かった。昨夜は充実感と疲労感が同時にあって、布団に横になった途端、強烈な眠気が襲って意識を失うように眠った。意識よりも体が自分の住まいに戻ってきたんだと実感したようだ。
深い眠りのまま、一息で目が覚めた。

旅先では枕が合わなかったり、毛布が少しけばけばしていたことがいちいち気になって眠りが浅かったのに

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日々読み #19

日々読み #19

3/6 晴れ

自分が好きな街の共通項として、大きな木がそのまま残されているというのが結構なウェイトを占めているということに気がついた。

そのことを妻に話したら「複雑なものを複雑なまま受け入れたり、肯定することは豊かなことなのかもしれないね。」と返してくれた。

それ以来、考えている。

僕がよく出会う複雑性はやはり訪問看護がはじめに思いつく。

その人らしい生活というのは複雑で、面倒くさいもの

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日々読み #18

日々読み #18

2/27 晴れ

今日は完全に春みたいな一日だった。
街の木々たちはピンクに色付き、少しずつ花が膨らみ
はじめている。

河津桜のピンクと菜の花の黄色とのコントラストがすごく綺麗だ。
朝の陽射しも冬の頃と比べると着実に強くなってきていて、光と影のコントラストも際立ち始めている。

気温も日陰に入ればひんやりするけれど、太陽の光でじんわりと暖かい。風は優しくそよいで、ずっと外にいたいとさえ思うほどだ

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日々読み #17

日々読み #17

2/20 晴れ

今日は休みだった。
昨日も休みだったけれど、看取りもあってオンコールがなかなかにハードだったから休んだ気はしない。
むしろ疲労感は日勤の後よりも大きい気がする。

今日を休みにしてくれて、ありがたい限りだ。
今日は妻と近くを散歩して、駅の近くでランチを食べた。妻は意識してか、意識せずか定かではないがいつもより日常を意識して接してくれているような気がした。そのおかげもあって少しさか

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