2016年8月の記事一覧
2015.8.2 「おいしいもの、幸せ」
医師から、3度の食事以外におやつや栄養補助食品で食事量を補うように言われていた。けれど、お腹が空かないのに、おいしいと思えないのに食べるのは、簡単なことではない。
夫がレストランで食べた桃のコンポートがとても美味しかったからと、インターネットで作り方を調べて挑戦してくれた。初めてのことで苦労したようだったが、なかでも綺麗にできあがったひとつを母に取り分けてくれた。
「パパが作ってくれたよ。
2015.8.18 「体に力が入らない」
ベッドから食卓まで歩行器で移動していたが、3日前の朝、「体に力が入らない」と訴えた。機転の効くヘルパーがベッドから椅子に母を移し、椅子ごと食卓まで運んでくださった。
2日前には、ポータブルトイレの蓋を開けられなくなり、開けっ放しにしてほしいと言った。
薬を飲み込むのが負担になって、服用せずに残すことが増えてきた。寝返りがおっくうになり、同じ姿勢で寝ている時間が増えた。
こうして、毎日
2015.8.23 「ワンタン並んでるよ!」
半分に折ったそうめんも喉にひっかかるようになり、この頃、母はワンタンやおじやなどの飲み込みやすいものを主食にしていた。
ところがいつも通うスーパーマーケットにお気に入りだったワンタンスープが並ばなくなった。困った私は、SNSで見つけたスーパーマーケットのバイヤーにメッセージを送ってみた。末期がんの母が気に入っていること、また扱ってほしいこと。ダメでもともと、だった。
次の日、夫から興奮し
2015.8.25 「50人待っています」
Y病院の緩和ケア病棟に向かった。医師、2名の看護師との面談だった。母の様子を話したあと、緩和ケア病棟では積極的な治療、救命措置は行わないこと、それについて本人の承諾が必要なこと、費用のことなどが説明された。
「入れるまでどのくらいかかるのですか」と聞くと、「いま50人待っています。経験上、1ヶ月ほどかかると思います」とのことだった。
1ヶ月が長いのか短いのか、わからなかった。
Y病院で
2015.8.27 「何を食べたいって聞かないで」
重い食器を持ち上げることができなくなった。自力で起き上がれなくなった。座位が不安定になり、背もたれが必要になった。痛み止めが増え、ウトウトとする時間が増えてきた。
順番に来るヘルパーたちは、日々の変化を把握し、都度工夫して対応した様子をメモに残してくださった。その中にこんなメモがあった。
−「何を食べたいか」と聞くのは負担になるとのことです。冷蔵庫にあるものをお伝えし、選べるように聞いて