2015.8.14 「もう一度お願いします」

 2ヶ月前に初めての要介護認定を受けて要支援2だった母は、入院中に区分変更申請をしていた。その結果が届き、要介護2だった。目の前の母の状態とはかけ離れた認定結果だった。

 がん末期の患者に対する要介護認定調査には倫理的にも、評価の妥当性からも疑問を感じていた。回復しないことを漸く受け入れた人に「できますか」「していますか」と質問を投げ続ける。そこに意味があるのだろうか。今日できることが、明日はできないかもしれないのに。2ヶ月後には死に至ると宣告されているのに。

 母の負担を考えれば、再度の認定調査は避けるべきかもしれない。けれど、行政に現実を記録という形で突きつけなければと思った。母のあとの人たちのために改善してほしかった。

 ケアマネジャーに連絡し、再度区分変更申請をしていただくようお願いした。残された時間は短く、申請は間に合わないかもしれないし、納得のいく結果が得られるとは限らない。それでも、黙って受け入れたくはなかった。

その日まで27日。