2015.8.20 「家族に言えないことを」

 介護保険を利用していると、1ヶ月に1回、サービス提供をしている関係者と家族が集まって会議が開かれる。退院後2回目の会議を翌日に控え、助けて欲しいことをメモにまとめた。

 看護師には、医療面でのヘルパーや家族の支援、清潔の確保、介護手法の提案のほか、本人の精神的な支えとして以下の点をお願いした。

・ 症状に対する本人の理解を助ける

・ 誤った知識による無用な不安を取り除く

・ 家族に言えない辛さなどを話すと思われるので、受け止める

 患者本人には、家族にしか甘えられないことがある一方、家族には言えない迷いや愚痴があるはずだ。友人や親戚の訪問を拒んだ母には看護師が頼りだった。母が信頼している看護師が当番の日には、私は席を外すことにしていた。

 その看護師は母から聞き取った気持ちを電話や連絡ノートで知らせてくれた。亡くなったあとにお手紙もくださった。本音を話せる時間は、母にとって大切な時間だったに違いない。