2015.8.18 「体に力が入らない」

 ベッドから食卓まで歩行器で移動していたが、3日前の朝、「体に力が入らない」と訴えた。機転の効くヘルパーがベッドから椅子に母を移し、椅子ごと食卓まで運んでくださった。

 2日前には、ポータブルトイレの蓋を開けられなくなり、開けっ放しにしてほしいと言った。

 薬を飲み込むのが負担になって、服用せずに残すことが増えてきた。寝返りがおっくうになり、同じ姿勢で寝ている時間が増えた。

 こうして、毎日ひとつふたつ、できないことが増えていった。その度に、看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、福祉用具専門相談員と相談し、必要なものを揃えていった。

 飲み込まずに服用できる薬。床ずれ予防のマットレス。ベッドで食事ができるテーブル。万が一に備えた尿取りパッド。寝たまま水分補給ができるストロー付きのコップなど。

 いつも症状が出てからバタバタと手配したが、業者の対応はいずれも早かった。だが症状が予測できたなら、準備にも余裕があっただろう。

その日まで23日。