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ファンタジー

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ずいぶん昔に書きかけたファンタジーに手を加えて完成させました。 3人の子供が不思議なタクシーに乗って時空を超えて旅をする物語です。 読んでいただけたら嬉しいです。
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#宇宙

チカムリオ(その⑩最終回)

チカムリオ(その⑩最終回)



「さてどうするかね。このままチカムリオまで行くかね」

「いえ、すみませんが、あの公園に戻って下さい。できるならもう一度、始めからやり直したいんです」

「ふむ。私もそれに賛成だ。人生はいつでも、何処からでもやり直しがきくものだ。あのときは言わなかったが、一人一人の人生は不確定要素が多くてね。実に変化に富んでいるのだ。まあ、このへんのことになると理論的には少し難しいんだが。不確定性原理という

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チカムリオ(その⑦)

チカムリオ(その⑦)

そうだ。僕たちはこの公園で何かを待っていたんだ。
 そして、そこに現れたのは1台の黒いタクシーだった。
 そう、運転手のおじさんには悪いことをしたけれど、皆でメモしておいてよかったと思う。

本当に不思議なことだが、僕たちはあの体験に関してほとんど何も覚えていなかった。
 キヨシは催眠術にかけられたのだと言ったが、そうかもしれない。
 紙切れは、キヨシが着ていたジャンパーのポケットから落ちたもので

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チカムリオ(その⑤)

チカムリオ(その⑤)

(前回までのあらすじ)
僕とキヨシとユミは小学校の同級生。ある日、秘密の抜け道で紫色に輝く切符を拾ったことから、夜明け前の公園で不思議なタクシーに乗り、時間と空間を超えた旅をすることになった・・・。

宇宙の旅

「あっ、見て!」「星だ!」

「あれは何?」「星雲だ!」

真っ黒い巨大なトンネルの中心部から、大小の星々や星雲が次々と現れてきた。そして、現れたかと思うと、次の瞬間には僕たちの横をすご

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チカムリオ(その④)

チカムリオ(その④)


僕たち3人を乗せたタクシーは静かに走り(?)続けていた。

窓の外は相変わらず濃い霧がかかっていて、まるでミルクの中を進んでいるような感覚だ。
 しかし、窓に顔をぴったりとくっつけるようにして目を凝らすと、霧の中に未来の光景が見えてくるのだ。それも、どうやら自分に関係した未来だけが見えるらしい。
 一度、3人で同じ側の窓から一緒に覗いてみたのだが、見えたものは3人とも違っていた。それで、自然と

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チカムリオ(その1)

チカムリオ(その1)


まだ夜明け前なので、辺りに人の気配は感じられない。

車の音も時折遠方からかすかに聞こえてくる程度だ。

公園の中は濃い霧に包まれ、街灯の光が淡く漂っている。

私はベンチに腰掛けたまま何度かくしゃみをした。こめかみのあたりが鈍く痛む。
 昨夜はずいぶん酒を飲んだ。つい今しがたまで、ここに腰掛けたまま、しばらく寝込んでしまったようだ。

どうやってここにたどり着いたのだろう?まるで記憶がない。

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