間宮しほ

アイス大好きな20代🍨期間限定ハーゲンダッツは常にチェック済。珈琲を片手に読んだり書い…

間宮しほ

アイス大好きな20代🍨期間限定ハーゲンダッツは常にチェック済。珈琲を片手に読んだり書いたり。掌編小説を投稿しています。よろしくお願いします☺️毎週木曜日に更新中🖋 第39回織田作之助青春賞2次選考通過|第221回コバルト短編小説新人賞「あと一歩」選出

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  • 掌編小説詰め合わせ☺︎

    2000字程度のサクッと読める掌編小説をまとめました。

記事一覧

こころマンホール*1  コバルト短編小説新人賞「もう一歩」選出作品

鈴木はこの一年、いつも下を向いて生きている。 しかし悪くはないと彼は感じていた。 四六時中地面を見つめる彼の世界は、それなりに豊かに広がっているからだ。  7月初…

間宮しほ
1年前
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甘いキャラメルラテと、別れのシナリオ【掌編小説】

気持ちの良い秋晴れの朝。 ベッドの上で、最後の言葉を何度も心の内で繰り返す。 「今までありがとね」 この言葉を耳にした美しい黒髪の彼女は、 きっと少し悲しそうに笑…

間宮しほ
2年前
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冬、のち桜。【掌編小説】

白の世界はやがて緑とピンクに色づいていく。 桜の花びらがひらりひらりと踊っている。 ふんわりと漂う花の香りが、私の体を一グラム軽くした。 長かった冬が終わり、や…

間宮しほ
2年前
105

ちょっと贅沢なコーヒーを淹れてみた。

シルバーウィークの後半最終日。 家での~んびりしていたら、甘いお菓子が食べたくなった。 せっかくだからコーヒーと一緒に。 そうだ。 母に貰ったちょっと贅沢なブレ…

間宮しほ
2年前
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最終電車、蜜柑の香りとセーラー服。       #2000字のホラー

ガランとした無人駅、最終電車を待つホームの外は黒い闇に包まれている。 静寂を切り裂くように、ぎこーん、ぎこーんと看板が揺れる音がどこからか聞こえた。 新任の高校…

間宮しほ
2年前
103

2000字小説:雨、花火、恋の足跡。

雨上がりの図書館の空気が、好きだ。 ザーッと外から聞こえる雨音とじめじめした陰鬱な空気が消え去り、 しん、とした静寂の中、窓からはほのかな陽光が差し込む。 その光…

間宮しほ
2年前
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間宮しほ:プロフィール

はじめまして。間宮しほです。 アイス大好きな20代。本をよく読みます。 珈琲を片手に読んだり書いたり。 本の感想、短編小説、日常で感じたことを綴ります。 よろしくお願…

間宮しほ
2年前
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こころマンホール*1  コバルト短編小説新人賞「もう一歩」選出作品

鈴木はこの一年、いつも下を向いて生きている。
しかし悪くはないと彼は感じていた。
四六時中地面を見つめる彼の世界は、それなりに豊かに広がっているからだ。

 7月初旬。蒸し暑い金曜夜の居酒屋は混雑し、広くはない店内にざわめきが飛び交っていた。鈴木は大久保さんと小さいテーブル席にいた。大久保さんはメニュー表を楽しそうに眺めている。
「ふーん。ここ初めて入ったけど、割と手の込んでそうなつまみが結構ある

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甘いキャラメルラテと、別れのシナリオ【掌編小説】

甘いキャラメルラテと、別れのシナリオ【掌編小説】

気持ちの良い秋晴れの朝。
ベッドの上で、最後の言葉を何度も心の内で繰り返す。

「今までありがとね」

この言葉を耳にした美しい黒髪の彼女は、
きっと少し悲しそうに笑うだろう。

無言のまま俺に背を向けて、
反対側に歩き出す。

俺はそれをそっと見送る。
それが、1番綺麗な別れ方のはずだ。
3年続いた2人の関係の、終わり方。

最後は感謝の言葉で締めるべきだ。
昨日の夜から、ずっとそう言い聞かせて

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冬、のち桜。【掌編小説】

冬、のち桜。【掌編小説】

白の世界はやがて緑とピンクに色づいていく。
桜の花びらがひらりひらりと踊っている。

ふんわりと漂う花の香りが、私の体を一グラム軽くした。

長かった冬が終わり、やっと春が来たんだ。雪国の春の訪れは感動的だ。

黒い空の下で凍える寒さにじっと耐える私達。

ふわふわした雪は地面に積もった途端に重さを増し、私達は雪かきと言う重労働を強いられる。

表面に露出している肌は凍えていくのに、着込んだダウン

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ちょっと贅沢なコーヒーを淹れてみた。

ちょっと贅沢なコーヒーを淹れてみた。

シルバーウィークの後半最終日。

家での~んびりしていたら、甘いお菓子が食べたくなった。

せっかくだからコーヒーと一緒に。

そうだ。

母に貰ったちょっと贅沢なブレンドコーヒーがあったんだ。

たまには丁寧にコーヒーをドリップで淹れよう。

普段頑張っている自分のために。

キッチンに向かい、ポットのお湯を沸かす。

その間にカップ、ドリッパー、ペーパーフィルターを準備。

カップは昔サークル

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最終電車、蜜柑の香りとセーラー服。       #2000字のホラー

最終電車、蜜柑の香りとセーラー服。       #2000字のホラー

ガランとした無人駅、最終電車を待つホームの外は黒い闇に包まれている。

静寂を切り裂くように、ぎこーん、ぎこーんと看板が揺れる音がどこからか聞こえた。

新任の高校教師である土方が座るベンチの隣には、セーラー服を身に纏った少女が蜜柑の皮を剥いている。

「先生も、お一ついかがですか?」

細長い指がそうっと伸びてきて、酸っぱい香りが鼻についた。 

「だ、大丈夫だよ。ありがとう」

土方はおろし立

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2000字小説:雨、花火、恋の足跡。

2000字小説:雨、花火、恋の足跡。

雨上がりの図書館の空気が、好きだ。

ザーッと外から聞こえる雨音とじめじめした陰鬱な空気が消え去り、
しん、とした静寂の中、窓からはほのかな陽光が差し込む。
その光が頬を照らすと、どことなく心まで温かくなる気がする。

もちろんそんなタイミングいいことなんてなかなかない。
でも私はそれを初めて誰かと共有したとき、恋に落ちた。

「やっと晴れましたね」

窓の外の様子を見つめていた私と目が合ったその

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間宮しほ:プロフィール

間宮しほ:プロフィール

はじめまして。間宮しほです。
アイス大好きな20代。本をよく読みます。
珈琲を片手に読んだり書いたり。
本の感想、短編小説、日常で感じたことを綴ります。
よろしくお願いします。

ヘッダーの写真はひたち海浜公園で撮った一枚。
ネモフィラはもちろんのこと、道中に咲くチューリップが
カラフルで綺麗だったので思わず撮りました☺

好きなもの、こと小説

乱読派の父の影響で、学生の頃から色々なジャンルの本

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