胸の働き 言葉の働き
人と話をする場合、まずじっくりと相手の話に耳を傾けることである。
感情的にならずに言い分を聞いているうちに、論理の矛盾点も見えてくるし、相手の自尊心を傷つけることのない対応も思いつくものである。
理屈を振り回して押しまくってくれば、まず柳に風と受け流し、頃合を見計って、相手を立てながらも論理の矛盾を一つ一つ投げかけていくと、それまでの気勢はおのずと削がれるはずである。相手の呼吸が乱れたところで礼を失しないように気を配りつつ、こちらの意見をやおら述べていくと、案外納得してもらえるものだ。
人は自分の意見を十分に聞いてもらえたと思うとき、相手に対して好感を抱く。したがって、このような対応を心がけていけば、後々遺恨を残すようなことはないはずである。
このへんの呼吸は一朝一夕に身に付くものではないが、日頃から平常心を練り、謙虚に相手に接することを心がけ、時と場所、相手によって適切な表現が自在にできるように、言葉数を豊富にしておくとともに、言い回しの工夫も心がけておくことが大切である。
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