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ルフィ名言特別編(Vol.70)「”死人は役に立たぬ”」

物語と名言

バロックワークスの介入により、100年も続く誇り高い戦いが穢されてしまった。ルフィは怒りを露わにするも、巨人よりも大きな恐竜の骨を乗せられ、身動きが取れない。

戦いは始まってしまい、ブロギーは

「どうしたドリー!!!歯切れが悪いぞ!!」
「なに・・・いつも通りさ・・・!!!」

と強がるも、押されるドリー。そこにMr.3が邪魔立てをし、体勢が崩れた所を、ブロギーは容赦無く攻撃し、

「一世紀・・・永いー・・・戦いだった・・・!!!」

と、永きに渡った戦いに、勝敗が決す。

「誰だァアア!!出て来ォオオオ〜〜〜い!!!」

というルフィの叫びが虚しく響く。

「7万・・・3千・・・467戦・・・!!」
「一勝・・・」
                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

と、泣きながら勝利を噛みしめるブロギーだったが、Mr.3が現れ、”ドルドルの実”の能力によって、戦い疲れたブロギーをろうで捉える。戦いの最中、森にいたゾロとナミは、それぞれMr.3のワナに捕まっており、ウソップがルフィの元に一人逃げてくると、ウイスキーピークでぶっ飛ばしたMr.5とミス。バレンタインが現れる。逃げていたカルーはボロボロの姿で連れてこれ、身動きの取れないルフィはなすがままにやられてしまう。ウソップとビビも歯が立たず、ビビは連れて行かれ、ルフィ、ウソップ、カルーの3人は、ボロボロのまま取り残される。

捕まったゾロ、ナミ、ビビの3人は、生きたままろう人形にしてしまう”キャンドルサービスセット”の餌食にしてしまう。そっして、”キャンドルジャケット”で捕えられたブロギーに、Mr.3は、酒に爆弾を仕掛けていたことを明かすと、ドリーの異変い気付いてはいたものの、勝利したことに複雑な気持ちを抱く。馬鹿にするMr.3に対し、怒りに震えるブロギーは

「そうまでして決闘を望む戦士に!!情けなどかけられるものか!!!」

けじめはおれが取ると、鉄の硬さを誇るキャンドルロックを壊し始めると、Mr.5が”鼻空想砲(ノーズファンシーキャノン)”を飛ばし、気絶させる。

目を覚ましたルフィたちは、「あいつらを叩き潰しに行くぞ!」と、悔しい思いをしていたカルーもルフィとウソップを掘り起こす。

捕まったゾロたち4人は、”ドルドルの実”によって身動きが取れず、ブロギーは手足を”キャンドルアーツ”という剣を突刺され、動くこともできない。”キャンドルサービス”が回り出し、ろう人形化が始まってしまう。100年もの間戦い続けたブロギーは、戦いの中で死なせてくれないことに涙を流す。空を見上げ考えているゾロは、そんなブロギーに、

「おっさん、まだ動けるだろ?」
「その両手両脚ブっちぎりゃあ・・・死人よりは役に立つはずだ。」
「おれも動ける。足切り落としゃあな。一緒にこいつら潰さねェか?」

そう投げかける。ナミもビビも当然ゾロを止めるが、

「ここにいちゃどうせ死ぬんだ。見苦しく足掻いてみようじゃねェか・・・!!」

ゾロの思いにブロギーは、

「おれとしたことが、もう『戦意』すら失っちまってたようだ・・・」
「付き合うぜ、その心意気!!!」
                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

と答える。そして、この回のタイトルが今回の名言。

”死人は役に立たぬ”                                                                 出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

名言の意味

あらすじが長くなりましたが、今回はセリフからではなく、タイトルを名言にしました。
一連の流れが名シーンで、結局タイトルに行き着きました。

不覚ながら、Mr.3に捕まってしまったわけですが、「座して死を待つ」ことに、何ら意味はありません。「どうせ死ぬなら」見苦しく足掻くというのが、ゾロの心意気でした。戦士ブロギーでさえも、100年の決着が付き、それが邪魔によるものだったことを知り絶望していたのですが、ゾロの心意気に答えます。

なぜなら、”死んだら何もできないから”

「死人に口なし」と言いますが、死んでしまっては、恨みを晴らすことも、何をすることもできません。憎っくき相手が高笑いをしながら、何もせずに死んでしまうくらいなら、せめて一矢報いたいものですよね。とは言っても、その引き換えに、ゾロは脚を切断し、ブロギーは手足を犠牲にしなければなりません。敵役があまりに卑劣でにくいからこそ、「このまま死んでなるものか」と思えるのかもしれませんが、これは、とても重要なことだと思うんです。

死んでたまるかクソッタレ!

残念ながら、自ら命を断つ人は後を絶ちませんが、その人にはその人にしかわからない苦しみがあるとは思います。そして、色んな理由や背景もあるんだと思います。ただ、自分がそのような行為をしてしまう裏に、その死を悲しむことなく、ほくそ笑むような存在がいるかもしれません。そうなってしまうことを、バカにしたり嘲笑するような人もいるかもしれません。

そんな奴がいるのに、自ら死ぬなんてバカらしくないですか?

自殺はいけないなんて、至る所で当たり前のように言われていて、道徳的や倫理的に言われていたりします。
死にたくなる気持ちは、少なからずわかります。私も死にたいと思ったことくらいありますから。もし、Mr.3のような存在がいたとしたら、死んでやりたくないですよね?別に、ゾロたちのように、身を削ってまで一矢報いる必要はないのですが、「死人は役に立たぬ」ので、黙って死ぬなんて悔しくないですか?良いか悪いかではなく、自分の行為の裏でほくそ笑む存在がいるかもしれないと考えて、「こんな奴の為に死んでたまるかクソッタレ!」と言いながら、悪あがきして生きるのもいいんじゃないでしょうか?

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