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『赤毛のアン』と作者『ルーシー・モード・モンゴメリ』について

今回は小説と小説家についての投稿です。

過去の作家関連の投稿リンクです。

今回は以下のようなQuoraでの質問への回答を手直ししたものです。

質問『ヒロインがブスのアニメはありますか?』

『赤毛のアン』 第1話「マシュウ・カスバート驚く」

『世界名作劇場 赤毛のアン』原作 L・M・モンゴメリ
監督 高畑勲 脚本 高畑勲、千葉茂樹、神山征二郎、荒木芳久、ほか
キャラクターデザイン 近藤喜文 音楽 毛利蔵人
アニメーション制作 日本アニメーション 製作 日本アニメーション、フジテレビ
発表期間 1979年1月7日 - 1979年12月30日 全50話
声の出演 山田栄子、槐柳二、北原文枝、高島雅羅、羽佐間道夫他

質問が『ヒロインがブスのアニメはありますか?』なので、『世界名作劇場』のアニメ化作品を挙げました。

劇場版『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』監督 高畑勲
脚本 千葉茂樹、磯村愛子、神山征二郎
出演 山田栄子、槐柳二、北原文枝、高島雅羅、羽佐間道夫他
音楽 三善晃、毛利蔵人 製作会社 日本アニメーション
配給 三鷹の森ジブリ美術館 公開 2010年7月17日

2010年公開のこちらのアニメ映画は、テレビ版『世界名作劇場』の劇場用編集版。テレビアニメ『赤毛のアン』第1話から第6話を高畑勲監督自身が再編集した劇場版。
1989年に再編集版映画の第1部として編集されたものの、当時は劇場では公開できず、20年を経て公開に至った。
テレビから引用したシーンでカットしている箇所は少ないが、1本としてまとまりのある作品となっている。
キャッチコピーは、
「楽しもうと決心すれば、たいてい いつでも楽しくできるものよ」

この作品の原作は、

『赤毛のアン』ルーシー・モード・モンゴメリ 著 1908年

カナダの作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した長編小説。
特に児童を対象に書かれた作品ではないが、この数十年は児童文学とみなされている。
原題のグリーンゲイブルズ (Green Gables) はアンが住むことになるカスバート家の屋号であり、直訳すると、「緑の切妻屋根」という意味になる。

1.大まかなストーリー

主人公「アン・シャーリー」は孤児院暮らしをしていたが、11歳でアヴォンリー村のカスバート家に引き取られる所から始まる。
マリラ・カスバートマシュー・カスバート(この2人は夫婦でなく兄妹)は、本来「男の子」を養子に迎えるはずだった。
それが何かの手違いでカスバート家には女の子であるアンが引き取られた
という結構不幸なオープニング。
アンは自分の容姿に明らかにコンプレックスがあり、要するに「自分をブスだと思って」います。

これだけ聞くと「暗い内容」に思えるけど、アンは徹底してポジティブな性格。
嫌なことがあっても、全てを前向きに捉え直します。

シェイクスピアやイギリス、アメリカの詩、聖書からの引用多数。
出典を知らなくてもポジティブになれる名言が多数。

「曲がり角をまがったさきに何があるのかは、わからない。でもきっといちばんよいものにちがいないと思う」
こういう感じ。

作品自体が人気があり、特に児童・女の子に人気がある理由は、主人公『アン・シャーリー』のキャラクター。

2.『アン・シャーリー』 (Anne Shirley)という人物のキャラクター設定

髪の色:赤毛
目の色:緑がかった灰色

とても痩せていて、青白く、そばかすだらけの顔をしている。
アンは、自分の赤毛に劣等感を抱いている。

そのため自分のことを、
・カラスの羽のように見事に真っ黒な髪
・すみれ色の瞳
・顔色は薔薇の花びらのよう
・肌は透き通るような象牙色
・目は星のように輝いている
・名前はレディー・コーデリア・フィッツジェラルド(自身のアンという名前がロマンチックじゃないとマリラに言っている)
だと思うようにしている。

想像力豊かでお喋り好きな女の子。
美しくてロマンチックなものが好きで、美しいものには名前をつけたがる。

しかしどこか悲観主義者であり、自分がとても不幸に感じたり、それを演じたりするが、大概マリラに咎められる。

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