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『コントな文学選』

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厳選したコント文学を収録しております。 名刺代わりに是非どうぞ🐙
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#眠れない夜に

コントな文学『百年の恋も冷める時』

コントな文学『百年の恋も冷める時』

コントな文学『百年の恋も冷める時』

スレンダーな体型に整った美しい顔立ちと、黒髪のロングヘアーが似合う君に、僕は一目惚れした。

付き合って1年を過ぎた初夏の頃、君は長い黒髪をバッサリ切ってデートの待ち合わせ場所に現れた。

あまりにも髪をバッサリ切りすぎて、

僕には君が・・・

蓮舫にしか見えなかった。

名前が出てこないけど、ずーーっと誰か知ってる人に顔が似てるなぁと思ってたら、蓮舫だった

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コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

元気になってまた大好きな野球がしたい。

その為には手術を受けて病気を治さなくちゃいけない。

でも手術の成功確率は30%だ。

手術を受ける勇気が出ない僕の病室に現れたのは、ベーブ・ルースのようなホームランバッターじゃなくて軽自動車の所有者でした。

「俺はベーブ・ルースじゃないから君の為にホームランを打つ約束はできない。代わりに今から

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コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

芥川賞を受賞した小説家なのに・・・

マジで?

信じられない・・・

家の本棚にマンガしかないじゃん。

しかもドラゴンボールとワンピース全巻揃ってんじゃん。

王道中の王道じゃん。

芥川賞とか純文学って、難しそうで取っ付きにくいイメージがあったけど親近感湧くなぁ。

「え?芥川賞作家なのに家具は全部ニトリで揃えたの?」
普通じゃん。
親近感湧くなぁ〜

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コントな文学『パンチラ』

コントな文学『パンチラ』

春風のイタズラで、

見えた女子高生のパンチラが、

嬉しくて、嬉しくて、

今日1日、

幸せな気分で過ごした自分が何だか、

虚しくて、切なくて、

寝る前に、今日見たパンティ思い出して、

泣けてきた50歳の夜。

コントな文学『あたたかい世界へ』

コントな文学『あたたかい世界へ』

定年退職したら妻と娘から生ゴミ扱い。

住宅ローンを払い終えたマイホームで俺は居場所と人権が無くなった。

こんな俺に温かく接してくれるのは暖房付き便座だけになってしまった。

便座に尻と太ももと心を温めてもらい涙が溢れる。

自宅のトイレという小さな世界だけが唯一俺を人間に戻してくれる。

人肌のぬくもり、叶わぬならば・・・

「ウォシュレット、スイッチ ON」

あったかいなぁ…

コントな文学『Z世代からの提言』

コントな文学『Z世代からの提言』

コントな文学『Z世代からの提言』

「老害ですね」

「考え方が古い人達です」

「世間とズレてる感じがします」

「上から目線がウザい」

「話が長い」

「話が回りくどい」

「若者に対して批判的だと思う」

「くしゃみが大きくてうるさい」

「加齢臭なのかなぁ?臭いイメージがあります」

「俺達が若い頃は○○○みたいな昔話が始まると、聞いてあげるのが正直しんどいです」

「頑張ってカラオケで

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コントな文学『生きる』

コントな文学『生きる』

コントな文学『生きる』

「次は3日後だね。

淋しいけど、3日間だけ我慢しようね。

え?どうしたの萌たん?

何で泣くの?

泣かないで、萌たん。

そっかぁ…

3日間だけじゃなかったね…

3日も会えないから淋しくて泣いちゃったんだね。

お願い、泣かないで萌たん」

彼氏に優しい言葉を掛けられて、萌たんは更に涙が溢れ出したみたいだ。

昨日、俺が起業した会社が倒産した。

それから自己破

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コントな文学『人生200年時代』

コントな文学『人生200年時代』

コントな文学『人生200年時代』

西暦2220年。

令和生まれから人類初の200歳を迎える人間が現れた。

人生200年時代の幕開けである。



人類初の200歳に達した人間、高木蓮が記者のインタビューに答える。

Q.200歳を迎えた感想を率直に教えて下さい。

一言で言えば医療のバカヤローです。

医療が進化し過ぎて200年も生かされてマジでいい加減にしろって思ってます。

高齢者歴1

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