コントな文学『人生200年時代』
コントな文学『人生200年時代』
西暦2220年。
令和生まれから人類初の200歳を迎える人間が現れた。
人生200年時代の幕開けである。
*
人類初の200歳に達した人間、高木蓮が記者のインタビューに答える。
Q.200歳を迎えた感想を率直に教えて下さい。
一言で言えば医療のバカヤローです。
医療が進化し過ぎて200年も生かされてマジでいい加減にしろって思ってます。
高齢者歴135年。後期高齢者歴125年。
公的に135年もジジイをやってんスよ。
こんなに長い期間ジジイやっても嬉しくも楽しくもないし正直こんなに長生きしたくなかったよ。
Q.長生きの秘訣は?
だからぁ…
医療が進化し過ぎたからだって言ってんだろ?
医療が進化し過ぎて体感的に、肉体は75歳位の時をキープしたまま200歳になったって感じなんだよ。
健康寿命の長さの秘訣って意味なら栄養バランスの良い食事と適度な運動を心掛けてるよ。
長生きしたって健康じゃないとマジで地獄だからね。
Q.200年生きて何か困っている事はありますか?
毎年の事だけどお年玉だね。
孫の孫の息子にまでお年玉あげなきゃいかんのよ。
孫だって100歳超えたババアなのに今だに「お年玉ちょうだいお爺ちゃん♥」って甘えてきやがる。
薬も進化し過ぎて認知症も治っちまう時代だからボケたフリしてやり過ごす事もできなくて本当に困ってるよ。
Q.夢はありますか?
無いよ。
長生きしたって金が無けりゃ夢も希望も無いんだよ。
人生200年時代のせいで年金制度は完全に崩壊。
働かないと生きていけないから200歳なのに週5で新聞配達とマックでバイトもやってんだよ。
Q.最後に若者へメッセージをお願いします。
頼むから早く楽に逝かせてくれる法律作ってくれ。
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