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記事さま、ありがとうございます。

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記事を書いてくださったのはnoterさん。noterさんにもありがとうございます。 個人的になんども拝見したい記事さまたちです。
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2022年4月の記事一覧

詩)桜の木の下

詩)桜の木の下

桜の木の下には死体が埋まっているそうで
何も戦争の事を嘆いてそんな事を言った訳でも
流行り病を嘆いてそんな事を言った訳でも
ただ、満開の桜に目を奪われて
こんなに狂ったように咲くのなら
足元の事など、いっさい忘れて
この匂いと淡い桃色に飲み込まれるのも
決して悪くはない訳で
自分もどうせいつかは死んで
土へと生まれ変わるなら
こんな桜の木の下で…
きっとそんな風に思った人が
死んだら桜の木の下にと

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桜の木の下【短編小説/前編】

桜の木の下【短編小説/前編】

 暗い虚空の中に、微かに桃色を帯びた白い光が浮かぶ。
 光る雲のようなそれを、よくよく見れば、満開の桜だ。重そうな花をびっしりつけた桜の木が並び、そこから花びらが溢れ落ちて、季節外れの雪を、際限なく降らせ続けている。
 光の雪が降りしきる下には大勢の人々が、地面に暗い紅色の敷物を敷いて、その上に座り、賑やかに酒を酌み交わしたり、彩り豊かなご馳走に舌鼓を打ちながら、話をしている。辺りには寛いだ雰囲気

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桜の木の下【短編小説/後編】

桜の木の下【短編小説/後編】

 言葉がずるずると溢れて止めることができない。

「葬式が終わってから、引き出しの中にあるのを見つけて。彼女が自分の名前を書いていて……書類の表面に濡れた跡があった。多分、涙だと思う……泣きながら書いたんだ。彼女の友人に言われました。僕が彼女を苦しめていたって。知ったのは、彼女を失ってからだ。もっと早くに気づいていれば……」
 それまで黙っていた、トメと呼ばれた女の子が、口を開いた。
「会ってどう

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“1回の体験が心に残る”体の弱い小学生の社会的経験の少なさについて

“1回の体験が心に残る”体の弱い小学生の社会的経験の少なさについて

生まれつき心臓病の次男は、体力面・感染リスク等で、多くの子どもが幼少期や学童期に体験するさまざまなことを経験する機会が限られてしまいます。

病弱児の「体験の少なさ」問題について考えていること

1回でも体験したことがあるのと、1回もないのでは、子どもの気持ちの持ちようや、心に残る印象、後で勉強で学んだ時の理解の仕方がずいぶん違うと思ったからです。

子どもの成長や学びの深さという観点で、自然体験

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掌編「五月五日の擦り傷に誓う」

掌編「五月五日の擦り傷に誓う」

 君が初めて笑った日の事を、僕は一生忘れないよ。

「パパの馬鹿ぁー」
「ごめんって」
「あっち行けー」
「だからごめんって、今度は放さないから」
「嫌だぁもう帰るー」
「今来たばかりだよ」
「嫌だぁー、ママー」
 敷物の上で赤ん坊を抱いてこちらを見守るママに手を伸ばす君を見て、僕はすっかり弱り切ってしまった。

 僕ら夫婦に初めての子どもが誕生したのは四年前だった。産まれたての小さな男の子は、噂

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『このシャツ、一夜干しにつき』ヒスイの恋愛短編(2600字)

『このシャツ、一夜干しにつき』ヒスイの恋愛短編(2600字)

 五月の深夜十二時。
 あたしの目の前で、親友・圭太(けいた)の白いシャツが揺れている。
 圭太が自転車のペダルを踏み込むたびに、夜風をふくんだシャツが泳ぎまわる。まるで、月光にきらめく魚のようだ。
 自転車の後ろに乗ったあたしは、ぎゅっとシャツをつかむ。

「もっと早くこいでよ、圭太。あたし、ねむい」
 圭太はちっ、と舌を鳴らした。
「早くって。おまえは、後ろに乗っているだけじゃねえか」
「こん

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宇宙杯みんなの俳句大会★企画参加します!

宇宙杯みんなの俳句大会★企画参加します!

いつも可愛くて
太陽のような存在の
これでも母さんからお誘いをうけました
宇宙杯!!

これでも母(宇宙杯システム担当)🐿宇宙杯は25日24時まで大丈夫💖|
note

ずっと
バタバタとしていて気持ちに余裕がなく
常に脳内沸騰中の病状のため、
普通にできることができなかったりで
参加できないよな~(しょぼん)、と
思っていたのですが
母ちゃんがウキウキ頑張っている姿を見て
素敵だな!楽しそう

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[コラム] 百人一首から曲

[コラム] 百人一首から曲

先週、創作一句として自分で詠んだ短歌を歌にした。

そんで、その時は、五七五七七をむりやり西洋音楽にあてはめてみたんだけども、西洋音楽にあてはめないとどうなるか…というコメントをいただいて、思いついたことがあったのでやってみました!!!

みなさんは、和歌を詠むときの独特の抑揚を聞いたとこあるだろうか。
百人一首を詠むときのあれ。

私は音階がついた歌のようなもので覚えているんだけど、これの出所が

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初音(Hatsune )〜色がついたね

初音(Hatsune )〜色がついたね

午前5時 生(せい)の始まり
息を吸い 光を浴びて
窓辺に寄れば うぐいす初音

いつの間に 春になったの?
戸惑うよ モノクロだった
世界に色が ついた記念日

サビ

遥かな宇宙(そら)を超えて
出逢えたよね ここにいるよね
巡っていく 離れないよ
現在(いま)3人になれたね

なんでなの?みんなとわたし
違うのかな
愛されないと 泣いてばかりいた

肯定しよう 産まれてきたこと
ここにいてい

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