船橋市文学賞の授賞式に出席しました。
3月21日に【船橋市文学賞】の授賞式が行われ、詩部門で佳作に入選したわたしも出席しました。
この時体験したこと、感じたことがのちのちの自分の創作人生に大きく影響するだろうと感じ、記事に書き残しておきます。
▼船橋市文学賞と受賞の経緯についてはこちらです▼
温かい対応をしてくださった方々に
まずは、無事に授賞式に参加できたことについて、関係者の方々に御礼申し上げます。
3月21日には祝日ということで、息子の預け先がなく、「このままでは授賞式に出席できないかな…」と悩んでいました。
(夫のお休みは平日)
するとカメラマンをしている幼馴染み・Yが「式の間、(息子を)見ておいてあげるよ!せっかくおめでたいことなんだから出席しなよ!」と言ってくれたのです。
そこで、賞を主催されている船橋市役所の文化振興課に「かくかくしかじかで、赤ん坊と友人が出席してもよろしいでしょうか…」と問い合わせてみることに。
突然の申し出にもかかわらず、担当者の方は快く承知してくださり、息子と友人の席を会場入り口付近に用意してくださいました。
乳飲み子を抱える身でありながら、授賞式という栄えある場に出席できたのは、友人と文化振興課の方々のおかげです。
そして息子も、式のあいだはほぼ泣くこともなく、ずっと大人しくしていてくれました。
賞をいただき、表彰されるなんて何年ぶりのことでしょうか。
舞台俳優時代に、演劇祭で主演女優賞を受賞した以来だと思います。
(実に7、8年ぶり?)
胸に受賞者のつけるピンクの薔薇をつけ、他の受賞者の方々とともに表彰されるひと時は、何にも代えがたいものになりました。
選者の先生からのお言葉
船橋文学賞の詩部門、選者を務めていらっしゃるのは詩人の中谷順子先生です。
授賞式が終わった後、個人的にお話させていただくことが出来ました。
「あなたみたいな人が、あの作品を書いたなんて信じられない!」と仰ってくださった先生。
小柄でほっそりとした美しさを持ちながら、その目には強い光を湛えておられ、繊細な美しさと強靭な精神の融合した素敵な女性でした。
わたしは、妊娠したことで感じた自分の身体の変化、そして、お腹にいのちを宿したことで気付いた自身の中にいる「けもの」について観察した『「へそ」他一篇』という詩を作りました。
作品の選評には
・ネオリアリズムのドキュメンタリーぶりに衝撃を受けた
・感情に流されることなく、自分の変化を現実的に捉えているところを評価する
とありました。
4行の選評を、何度も読み返してしまいます。
わたしにとって特別な4行です。
初めての紙の本
第34回船橋市文学賞の作品集は、4月1日から船橋市役所で販売開始されるほか、船橋市内の図書館でも貸出が始まるようです。
1冊1000円という、かなり本格的な冊子です。
いえ、冊子というよりもはや1冊の本ですね…!
わたしは電子書籍での小説出版歴はあるのですが、自分の作品が紙の本になったのは、これが初めてです。
やはり紙の本に自分の作品が載っているのは、とても嬉しく。
誇らしげな気持ちになります。
自分の住むまちに文学賞がある、ということ
授賞式に出席して改めて感じたこと、それは「自分の住むまちに文学賞がある」ということの大切さでした。
船橋市文学賞が始まったのは昭和63年から。
わたしの生まれるずいぶんと前から、この文学賞の歴史は続いています。
文学離れが危惧されている昨今、市民が能動的に創作に携える場というのは、意外に少ない気がします。
そんな中、市民が文学作品を書き、選者の方が審査する。
こんなに素晴らしいイベントはないのでは?と思うのです。
応募者が少なくなれば、事業として衰退していきますよね(税金を使っているのだからなおさら)。
ですが、この文学賞が34年間もの長い間続いているのは、市民たちの旺盛な向上心と運営の方々、審査員の先生方の努力の賜物ではないか、と思います。
授賞式の際、中谷先生がこんなことをおっしゃいました。
「今年は文学賞に選んでもいいのでは?と思うような作品があった。敢えて文学賞を輩出せず佳作のみにしたのは、文学賞を獲って満足するのではなく、もっともっとたくさんの作品を書いてほしいからだ」
船橋市文学賞には、大賞である文学賞を一度でも獲ってしまうと、そのあとは応募してはいけないという決まりがあります。
今回、詩部門には大賞の該当作品がなかったのにはそんな理由があったと知って、ますます頑張ろうと思いました。
この素晴らしい賞がいつまでも続いていくように、そして中谷先生の激励の言葉を無駄にしないように、今年も絶対に応募しよう!と決意を新たにしています。
次回は文学賞に選ばれるような作品を生み出したいです!
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