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フリーランス・ヴァイオリン奏者としての生き方

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フリーランスの演奏家としての考えや雑談、仕事のこととか書いていきます。
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それって守るほどの技術ですか?

それって守るほどの技術ですか?

「それをやると、クラシックを弾く技術が落ちるから」

クラシックを演奏する人に、これを言う人は一定数います。

要は、タンゴやケルト、ジャズなどを新たに勉強すると、いま稼いでいる根底にあるクラシックの技術が揺らいでしまい、信用を失う可能性があるから、あえて他ジャンルのスキルを得ない。

という言い分です。

そのとおりだと思います。

私もプロオケにいたとき、同時にケルトバンドに所属しケルトをたく

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自分のために何ができるか、手の内のカードの中で考える、利己的な選択

自分のために何ができるか、手の内のカードの中で考える、利己的な選択

なんか偉そうなタイトルですが、ちょっと過去を振り返りつつ考え事してます。と思ったら、似たような内容がYouTubeにあったので先に載せてます。

僕が書いたのはほとんどはクラシックバイオリン奏者として、ですね。

これまでもいままでも、他者や環境を利用する、というのはいくらでもあったんです。誰かに頼ったり、迷惑をかけたり、とか、そう言うのでは無くて、自分のために何をするのが得なのか。

僕は、まあ

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僕のサボり方 〜②ソロ演奏編〜

僕のサボり方 〜②ソロ演奏編〜

タイトルに惹かれてクリックしてしまった方、こんにちは。
バイオリン奏者の松本一策です。

サボり、とは何らかの結果を得るために試行錯誤する方法であることは、聡明な読者であれば分かると思います。洗濯機しかり、PCのショートカットキーしかり、それはバイオリンの演奏のような、極めて特殊な業態であっても同じ事です。

さて、「ソロの演奏」と言っても様々です。
情熱大陸のようなプロなら誰でも弾く機会に恵まれ

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僕のサボり方 〜①オーケストラ編〜

僕のサボり方 〜①オーケストラ編〜

世間では会社に入ったら後は勉強もせず給料貰って適当に仕事してたらいいのよ、なんて話をよく見ますが、クラシックの演奏家ってほんと真面目な人って多いんです。

プロオーケストラに入っても、なかなか手を抜く事なんか出来ません。
簡単な楽譜でもアンサンブルを要求されると気が抜けませんし、中には1日や2日引き篭もって自宅練習しても間に合わないような難しい曲も普通にプログラムに入ってきます。

そう。

プロ

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「作曲で飯を食う」類の記事のタイトルを見て思うこと

「作曲で飯を食う」類の記事のタイトルを見て思うこと

その道で食べてる方の記事をSNSでしょっちゅう見るのですが、私もどケチな性分でそこにお金をかけてまで読んでいないのが現状です。せめて自分の記事が売れたら、そのお金を使って購入して読めれば家族にも言い分が通るかなって思っているのですが、なかなかその域には至らず・・・

そもそも僕自身が買う価値があるのかどうかもわからない投稿ばかり続けているので、ただただ自分のセルフマネージメントが下手なだけなので、

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「〇〇代からはこうすると成功する」って意識高い系のアレコレ

「〇〇代からはこうすると成功する」って意識高い系のアレコレ

20代はこうするといい
30代はこうするといい
40代はたのしいぞ

なんて、年上の人たちが分かったようにエラソーに言ってる動画や文章をとにかくよく見るんです。

そう言いながらもいつも人生に不安な僕はそれを見て「あー、僕のやってきたことは間違ってなかったんだなー」とか思ったりて胸をなでおろしている1人です。

要は占いと同じで、自分の人生を肯定してほしいけど、そういう人が周りにいないから動画や記

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「仕事紹介してくれ」って言う人へ

「仕事紹介してくれ」って言う人へ

「一策さんはたくさん仕事を持っている」
「私にも仕事紹介してくれ」

っていう人へ。

ナニをもって僕をそんな売れっ子にするのかしらないけれど、
現実をしっかり教えてやろう。

(大体の年収も分かっちゃいますね・・・)

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ヴァイオリン奏者も筋肉・筋肉・筋肉

ヴァイオリン奏者も筋肉・筋肉・筋肉

昨日はトリプルヘッダー(3本の仕事)があったのですが、まったく倒れずにこなせたことに少し驚いています。

やりきった!!

さて、話は遡ります。

私も演奏家として20代、30代と駆け回って仕事をしてまいりましたが、30代の後半から疲れやすくなり、40代になってついにダブルヘッダー(1日に2本の演奏仕事)が辛くなってきました。

40代のガタ落ち

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なぜ未だに自宅録音の仕事が来るのか

なぜ未だに自宅録音の仕事が来るのか

自宅録音をしはじめたのは2016年頃。
どちらかというと仕事をするというより、自分のCDをスタジオで収録したさいに「自宅でも簡単に収録できるそうだし色々試してみよう」と思っただけなんですが、SNSを媒体に本格的に外注を取るようになって7年目くらいですか・・・

始めた当初の機材はそこまで高価なものはなく(当社比)
マイクはAT4040 35000円前後
インターフェースはBabyfacePro 9

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飲み会へ行ったほうが稼げる?

飲み会へ行ったほうが稼げる?

ヴァイオリン奏者は技術第1だろ?

いやいやいや、確かにスキルは必要ですが、殆どの仕事に高度なスキルは必要ないです。それよりは飲み会で相手と仲良く慣れるようなスキルのほうがよほど大事です。

演奏家ではこれデキる人がちらほらいますが、
私は10年間全然できなかったので家でシコシコに全振りしてます。

企業の役員の方々などとが今でもラウンジ演奏の仕事で一緒に飲みますが、なんにも繋がりません。あえてつ

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アニメ専門オケ発足に考える

アニメ専門オケ発足に考える

アニメ専門オケが若手を中心に発足したらしいのと、2024.4.1にとあるプロオケが大量に団員が辞めたのを合わせてちょっと考え事をしてます。

クラシック系の人間は演者も視聴者もアニメに対して偏見を持つ人も多少いそうな感じを受けるのですが少なくとも僕は肯定派。

子供の頃から、テレビを見ると言えばアニメしか見ず(ドラマ、バラエティは大人になるまでほぼ観たことがない)買うCDはサウンドトラックばかり。

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毎年100公演あれば良い?

毎年100公演あれば良い?

今日の仕事でも言われたんですよ。
「音楽だけで食べてるってすごいですね!!」

そういう時、その場では言えないですけど多くの演奏家はこう考えるんです。
「同じような依頼が年間100〜150公演あれば全然問題ないですよ!」

元プロオケ奏者として、そこで「ん?」と考えるんですよ。

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お前ごときのレベルで仕事を選んでんじゃねぇ!

お前ごときのレベルで仕事を選んでんじゃねぇ!

先日、後輩のヴァイオリン奏者からある意味ショックな噂話を聞きました。それは

という内容です。
まあ、そう言うわけではないんですけどね。
ちゃんと受けてます。

でもあながち間違っていない。

これを聞いた時、「ああ、僕が今までやってきたことは、口に出さなくても意思として奏者界隈に広がり、結果として自分が思っていた通りになっているな」

と言うことです。つまりある特定の〇〇業者からは、現状として

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「芸能人との共演」を公言する線引き

「芸能人との共演」を公言する線引き

「あの歌手のバックで演奏したんですか?すごい!!」

というのはヴァイオリン奏者をやってるとたまにあります。
確かに一般人からしたら、テレビで見る憧れの存在だったり、年収が億の著名人だったりするので、そんな人物のすぐそばで仕事をするということは、その人も特別な人の仲間に入っている、レアな人だ、実力がすごい人なんだ、と感じるのかもしれません。

僕も昔はプロオーケストラに就職して何年も演奏活動してい

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