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けがれた者達の歌 冬景

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冬の季節に書いた 冬の詩と物語の在り処 #雪ん子 #お化けの子 #妖 #柊 #白い狼
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2023年7月の記事一覧

明日は3月

明日は3月

もう暖かな
春風が吹き始めたのか?

こう…暑くなってくると

長い髪が邪魔になってくる

春風で

此の身に纏わりつき絡まるから

ねぇ私の髪を切ってよ

深淵

深淵

僕は水面近くに居て

今日 拾った小石に絵を描いて

水中の深い深淵に投げ入れ

小石が見えなくなるまで眺め見る

昨日は古いコインを

深い深淵に投げ入れたよ

少しばかり

キラキラして落ちていった

明日は何を

深淵に投げようかな

黒色の言葉

黒色の言葉

誰かが汚れて嫌われていくよ

誰かが辛くて鳴いているんだ

誰かが脅えて逃げたがるんだ

それでも

誰かが対峙しなければならないよと

黒色の言葉に

居場所と立ち位置を無くす

不安と不快を

皆が抱いているんだ

迷路   #深夜の二時間作詩

迷路  #深夜の二時間作詩

コンクリートに囲まれた

暗闇の中で

響く僕の足音

何故かな?

登れそうに無い

逆さ階段の上からも足音が

聞こえてる気がするんだ

階段を使うと戻るのかな?

明かりが路を示してるみたいに

見えるけど

僕には見えない

他の路が

在る気がして探してるんだ

鎌鼬の切り傷

鎌鼬の切り傷

鎌鼬の切り傷①

知らぬ間に腕に付いた
赤い筋の様な
切り傷

血は出ていない

少しヒリつく痛み

それと
ミミズ腫れの様になっている

何処かで引っ掛けた傷?

血も出て無いし直ぐに治ると

思ってたのに…

時間が経つにつれ

ミミズ腫れが酷くなり

切り傷が割れ
中から見えたのは

物の怪の目

鎌鼬の切り傷②

物の怪の眼の下に

新たな切り傷が付いていた

また物の怪の眼が増えるのか

もっとみる
鎌鼬

鎌鼬

斬り付けるなら
皮膚の薄皮一枚分

血の出ぬ様
ヒリ付く痛みを残し

一筋の赤い切り傷を
其の身体に付け行く鎌鼬

"此の傷に何時 気付くのやら"

なんて
風の中で
ほくそ笑むのだ

君があまりにも…

君があまりにも…

#君があまりにも優しく笑うからの続きをみんながどう書くのか見てみたい

君があまりにも優しく笑うから
ガラにもなく
本音が溢れそうになって

君があまりにも優しく笑うから
絆されてしまう

君があまりにも優しく笑うから…

……狡い。

甘さと香り

甘さと香り

君の存在が

思考に焼け付く様な痛みと
記憶に甘さを残し

神経に焦げ付く様な痛みと
拭えぬ香りを覚えていくのだ

視線を
僅かに反らしてしまうのは

私の心を眼から
覗き込まれている様な
気がするからだ

バレンタインデー

バレンタインデー

チョコレート1つで

君がもっと…

甘くなるのなら

此の爪で

君の口を

こじ開けてでも

食べさせるよ

赤い蜘蛛

赤い蜘蛛

人の命の灯火は

闇夜の中では

不要な明かり

吹き消す事が出来るのなら

幾らでも消えれば良い

だから

赤い蜘蛛達よ

夜道で迷う者を

明かりで導いておくれ

人の命の灯火を消す為に…

甘さと優しさ

甘さと優しさ

私の言葉に

甘さなど無いだろう
優しさも持っていない

それどころか

私の鋭い牙で
君の骨を噛み付いて
身を裂く痛みを
君に与えようと

此の鋭い爪で
皮膚を裂き
君の骨や血肉を
味わいたいと狙う

今は只
私は気侭に
君に言葉を投げ唄う

独り善がりな
勝手な唄を歌うだけ

躍らない言葉

躍らない言葉

書こうと思って
思考を巡らせても
言葉が
思う様に
舞い踊る事がない時が
誰にでも有る

自分も今そうだ…

なんて考えてしまう
自分でも分かってる
つまらないよね

あやかしの子の悪戯

あやかしの子の悪戯

人が気付かぬ様に

罠を仕掛けるんだ

悪戯しちゃうよ

ニガテなモノは何かな?

怖いモノはコレかな?

避けてるモノだって見逃さないよ

驚く声が聞けたなら

可笑しくて

笑っちゃうんだ

半々の世界

半々の世界

僕の世界は
クルクル変わる

半々に割れた世界を
行ったり来たりする

割れた歪みから
出て来るモノが
雲のように現れて

青空に形をなすのは
鳥か妖精か

黒ずんだ
曇り空が形をなすのは
獣か鬼か