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■イセカイロセカイ赤の章第10話


兄妹がびくり身を震わせて振り返ると、冷たい表情ながらも瞳の奥を怒りで燃えたぎらせた例の彼が自らの腰に両手を当てて立っていた。
葡萄えびっ‼)
マゼンタとコチニールは同時にその名を心の中で叫んだ。
「あ、この場所が、よくわかったね……」
バレた、と内心冷汗を垂らした兄が何とか言葉にする。
「ええ探しましたから」
眼鏡の彼は険しい顔つきのまま答えた。
ヤバイ、ものすごく怒ってる……
葡萄が怒ることはよくあることだった。自分たち兄弟に対して、クリムスン家の男たちに対して、何なら頭首に対しても言いたいことははっきり物申していた。しかし今のこれは言うなれば本当に危険レベルの怒りに違いない。
途端にコチニールの心の中でかいた汗が額に現れ始める。

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