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役に立たない読書生活。

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#読書感想文

王女殿下は苦労されるでしょうが、いずれ解決していくはずです。そう期待しましょう|ライトノベル『マリエル・クララックの迷宮』

王女殿下は苦労されるでしょうが、いずれ解決していくはずです。そう期待しましょう|ライトノベル『マリエル・クララックの迷宮』

これまでの感想はこちら。

春から夏にさしかかる季節。
ラグランジュ王国の王女アンリエットがラビア公国に嫁ぐ日がやってきた。

しかし、ラビア公国はかねてからの治安問題を抱えていた。

アンリエット王女のお相手であるリベルト公子が手をつくされているが、まだ根本的な解決には至っていない。

そんな中での結婚式の為、ラグランジュ王国側から随行する近衛たちは、いつもより緊張を強いられ、またいざという時は

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〝戦争とは錯誤の連続〟|『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』

〝戦争とは錯誤の連続〟|『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』

9・11テロにNHKワシントン支局長として遭遇したジャーナリスト兼作家の手嶋龍一と作家・元外務省主任分析官で外務省のラスプーチンと呼ばれた作家の佐藤優のタッグ再び!

前作の感想はこちら。

今回はタイトル通り、現在も戦闘が続き、沢山の民間人が犠牲になっているイスラエルとイスラム教組織ハマスを国の成り立ちから解説し、それぞれの知識を元に見解を示した1冊。

漠然と、ユダヤ人の国イスラエルを、元々

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この本を読み終える頃には、ラテン語がいかに身近な存在であるかに気づいているでしょう|『世界はラテン語でできている』

この本を読み終える頃には、ラテン語がいかに身近な存在であるかに気づいているでしょう|『世界はラテン語でできている』

という、ラテン語研究者である著者・ラテン語さんによる書籍。

現在では、ラテン語を母国語とする人はなく、西洋圏の人は勉強してるんだっけ?
という印象だが、意外にもラテン語は今でも、私たちの生活に深く根付いている。

この一文を読んで、思い出した。
「ポストアポカリプス」という言葉(Post Apocalypse:Apocalypseは黙示録という意味。黙示録後、転じて終末後、という意味で使われてい

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防大に入校した新入生は、「ハイ or YES」の世界に投げ込まれる|エッセイ『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』

防大に入校した新入生は、「ハイ or YES」の世界に投げ込まれる|エッセイ『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』

この本は、防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍している ぱやはやくん の防衛大学校時代のエピソードを綴ったエッセイ。

給料も出て、衣食住も無料で、自衛隊入隊後は曹長という階級からスタート出来る。
入学するには地方の国立大学レベルの学力がなければ試験をパスすることは難しいそうだが、なかなか良い条件では……

と、思ったのも束の間。
世の中そんなに甘くない。

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だってあなたは『レーネ』じゃないでしょう?|ライトノベル『バッドエンド目前のヒロインに転生した私、今世では恋愛するつもりがチートな兄が離してくれません!? 』第6巻

だってあなたは『レーネ』じゃないでしょう?|ライトノベル『バッドエンド目前のヒロインに転生した私、今世では恋愛するつもりがチートな兄が離してくれません!? 』第6巻

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夏休み。レーネ達は隣国・トゥーマ王国への七泊八日の旅行に来ていた。
眼前に広がる美しい青い海に胸を弾ませる一同。

ホテルに着いた後は、3つのグループに分かれて行動することになった。

ルカ、吉田、セオドアと船で美味しい食事を楽しみながらゆっくりとトゥーマ王国の海を回るツアーに参加する為に港へやって来たレーネ。

しかし

“高価なツアーな為、満席になることはまずない”

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反撃の隙を狙って、潜伏することに致しましょう|ライトノベル『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第6巻

反撃の隙を狙って、潜伏することに致しましょう|ライトノベル『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第6巻

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王太子妃となり、お妃教育の一環として2週間、修道院に滞在することになったクラウディア。

場所は、夜な夜な生け贄を求める白いドレスを着た霊が出ると噂される、元サンセット侯爵家の分家がいた古城を再利用した修道院。

滞在先の選定には王妃も関わっている。

サンセット侯爵家は、王妃の生家。

だからこそ、王妃の兄嫁であるパトリック夫人のお茶会で古典的な方法で“試された”り、

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2024年4月面白かった本|漫画『葬送のフリーレン』第13巻|小説『鹿の王 水底の橋』|『ウクライナ戦争の嘘-米露中北の打算・野望・本音』

2024年4月面白かった本|漫画『葬送のフリーレン』第13巻|小説『鹿の王 水底の橋』|『ウクライナ戦争の嘘-米露中北の打算・野望・本音』

あっという間にGWか……今年は3日間と4日間に分割されてるから、ゴールデンでもウィークでもないけど。

4月の締めくくりはコロナ感染ですったもんだでしたが(笑)

そんな4月に読んで特に面白かった3冊はこちらです!

漫画『葬送のフリーレン』第13巻

いやー、もうファンサが過ぎない? って思う最新刊。

過去編の思い出じゃないヒンメルも良いし、現代パートの『SPY×FAMILY』さながらのユーベ

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いつの間にか私の中で絶対の基準になっていたものを、壊してみたいの|小説『鹿の王 水底の橋』

いつの間にか私の中で絶対の基準になっていたものを、壊してみたいの|小説『鹿の王 水底の橋』

清心教の祭司医・真那の難病の姪を診る為、清心教医術の発祥の地・安房那領へとやってきたホッサルとミラル。

当初、関節熱の可能性が高いと見立てられた姪は、急変した様子から、出血病の可能性が高まった。

出血病 ――古い東乎瑠の言葉で香枝ノ病と呼ぶ、その病であれば、場合により止血薬が有効だが、どれも根本的な解決にはならない。

しかし、清心教技術の“源流”と呼ばれる医術を施す土地には、香枝ノ病に効く薬

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希望はありますかというよりも、私たち自身が希望を見つけていかなければいけないのかなと思います。|『問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界』

希望はありますかというよりも、私たち自身が希望を見つけていかなければいけないのかなと思います。|『問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界』

フランスの歴史人口学者・家族人類学者であるエマニュエル・トッドと、池上彰のウクライナ戦争を起点にした、それを取り巻く各国、主に現在のアメリカについての対談集。

ウクライナを支えている、アメリカは昔のアメリカではない、かつてのアメリカ一強状態ではないのではないかと分析する。

1番は、アメリカの兵器の生産力だ。

アメリカ自身の生産力は低く、日本やドイツに頼ることになるのではないか、とドット氏は語

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それでも、ウクライナに〝正義の戦い〟を続けさせるのか|『ウクライナ戦争の嘘-米露中北の打算・野望・本音』

それでも、ウクライナに〝正義の戦い〟を続けさせるのか|『ウクライナ戦争の嘘-米露中北の打算・野望・本音』

※戦争に関する内容の本なので、不快にさせてしまうことがあったらすいません。あくまで個人的な話ですのでご容赦ください。

戦争は残酷で残虐なビジネスである。
為政者が愛国心や、正義感で人々を煽り、その裏でソロバンを弾いているようなのが、私の戦争のイメージだ。

犠牲になる人と、利益を得る人が違う。

だからこそ、犠牲者を増やすな、と民意として主張することも大事な一方で、感情に引きずられることなく冷静

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2024年3月面白かった本|『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』|BL漫画『后宮のオメガ』|ライトノベル『薬屋のひとりごと』第15巻

2024年3月面白かった本|『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』|BL漫画『后宮のオメガ』|ライトノベル『薬屋のひとりごと』第15巻

3月は。

長らく読み続けていた『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』を読み終わったのが大きかったわね。

本当、この本は肩こりとの戦いだった…

ハードカバーってついつい読むタイミングを掴み辛くて長期で積みがちだけど、今後は肩への負担を考えながらも少しずつ読んでいきたいわ。

そんな『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』を含む、3月の読んで面白かった3冊です。

『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』

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絶対するでしょう。ここでしなければ、いつするの|ライトノベル『没落寸前ですので、婚約者を振り切ろうと思います』

絶対するでしょう。ここでしなければ、いつするの|ライトノベル『没落寸前ですので、婚約者を振り切ろうと思います』

子爵令嬢のアリシア・ホルトンが学校から屋敷へ帰ってくると。

家が、没落寸前だった。

応接間にいた父が言うには、父の幼馴染みであるロースト子爵が珍しい薬草を流通させる新しい事業を半年ほど前から始め、その資金の連帯保証人になったというのだ。

肝心のロースト子爵は行方不明。
借用書に書かれた金額は、アリシアの家の全財産と同じかそれ以上。

しばらく田舎に身をひそめて、昔のつてを使ってローストを探

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月を『人』のままにするには|ライトノベル『薬屋のひとりごと』第15巻

月を『人』のままにするには|ライトノベル『薬屋のひとりごと』第15巻

架空の中華系の国が舞台。

花街で薬師をしていた猫猫は、攫われて売り飛ばされ、後宮の下女として働いていた。

ある事件をきっかけに、寵妃の毒見役になった猫猫は、美形の宦官・壬氏と一緒に後宮の様々な事件を解決していく。

これまでの感想はこちら。

陽が強くなってきた、ある日。
李医官と休眠室を掃除していた猫猫は、劉医官に呼び出された。

呼び出された先にはたくさんの医官がおり、早速3班に分けられ、

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何か新しいことを始めないと、だらけてしまうから|『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』

何か新しいことを始めないと、だらけてしまうから|『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』

ウォルト・ディズニー。

この人物の説明を必要とする人が、世界にどのくらいいるのだろうか。

世界的に有名なミッキーマウスの生みの親であり、世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』を作った人物であり、今日の日本にもある、ディズニーランドを作った人物でもある。

本書は伝記作家として初めてディズニー・アーカイブス(※ウォルト・ディズニーとウォルト・ディズニー・カンパニーに関する資料を収集・保存

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