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反撃の隙を狙って、潜伏することに致しましょう|ライトノベル『断罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪女を目指す』第6巻
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これまでの感想はこちら。
王太子妃となり、お妃教育の一環として2週間、修道院に滞在することになったクラウディア。
場所は、夜な夜な生け贄を求める白いドレスを着た霊が出ると噂される、元サンセット侯爵家の分家がいた古城を再利用した修道院。
王都にも修道院はあるというのに、ね
滞在先の選定には王妃も関わっている。
サンセット侯爵家は、王妃の生家。
王妃の立場を考えれば、さもありなん。
生家であるサンセット侯爵家に縁のある娘を嫁にできれば良いが、適する令嬢がいない上、これについては他家も目を光らせている。
リンジー公爵家に力が集中するのを良く思わない勢力があるように、サンセット侯爵家にも同様の勢力がある。
貴族に限らず、他人の一人勝ちを望む者はいない。
ならば嫁に来た者を「教育」するしかないのだ。
だからこそ、王妃の兄嫁であるパトリック夫人のお茶会で古典的な方法で“試された”り、されるのだ。
王妃にクラウディアを排除する意思はない。
しかし、どちらが上かははっきりさせておきたいのだろう。
クラウディアの選択は、夫人を通して、王妃へのアピールでもあった。 嫌がらせに屈する人間ではない、と。
事前情報とは違うパトリック夫人の夫婦仲、劇場で会った不思議な青年、と、気になる要因はたくさんある。
パトリック夫人への対応策も、その1つだ。
修道院の2週間は調整の期間として役に立ってくれるだろう。
「反撃の隙を狙って、潜伏することに致しましょう」
そうして、クラウディアは“幽霊城”と呼ばれる修道院へと向かったのだった。
クラウディア、カッコいい…!
もうね。
シルヴェスターの存在を軽く忘れるくらいにクラウディアがカッコいい。
今回は、王妃の意図によって、王妃の兄嫁であるパトリック夫人がクラウディアをいびる訳ですよ。
いびり出したい訳じゃないんです。
王妃の生家であるサンセット侯爵家には、王太子妃になれる年齢の娘もいないし。
ただ、クラウディアが王太子妃、ゆくゆくは王妃になることでリンジー公爵家の力が強まるのも喜ばしくない。
なので、若いクラウディアを牽制したい、って感じなんですね。
その、女社会の洗礼にクラウディアが華麗に立ち向っていくんですね。
頭をフルに働かせて、道を切り開いて行くんです。
徹底的に蹴落としてしまっては、国が弱まる。
かといって、自分の将来の為にも泣き寝入りは出来ない。
殊勝な態度を崩さないクラウディアを見る。
(きっと隠れてレッスンを受けていたに違いないわ)
公爵家なら、人知れず教師を呼ぶことも可能だ。事前にいくつも対応を検討していたに違いない。
そうでなければ、希代の才女か悪女のどちらかだろう。
人を虜にする点では、どちらも差異がなかった。
パトリック夫人のこのモノローグが全てを物語っています。
クラウディアがさ。6巻まできて、どれだけシルヴェスターをメロメロにしていても、カッコいい悪女な訳ですよ。
この強かさが今回も炸裂していて気持ちいい!作品です。
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