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この本を読み終える頃には、ラテン語がいかに身近な存在であるかに気づいているでしょう|『世界はラテン語でできている』


私が子供の頃から好きな東京ディズニーリゾートも、 ラテン語をはじめたきっかけの一つです。東京ディズニーシ ―・ホテルミラコスタのロビーにイタリアの地形を描いた大 きな絵が飾ってあり、その左下部分にかなり長い説明書きが ラテン語で書かれているのです。これを読み解きたいと思っ たのです。

『世界はラテン語でできている』

という、ラテン語研究者である著者・ラテン語さんによる書籍。

ラテン語はイタリア半島中西部の、一都市の言語として産声を上げた言語です。それが古代ローマの勢力拡大に伴って 通用する地域を広げていき、その後もヨーロッパの書き言葉 に広く使われ、現在のフランス語、スペイン語、ポルトガル 語、イタリア語、ルーマニア語などの元になっています。

『世界はラテン語でできている』

現在では、ラテン語を母国語とする人はなく、西洋圏の人は勉強してるんだっけ?
という印象だが、意外にもラテン語は今でも、私たちの生活に深く根付いている。

午前、午後というのを、AMやPMと表すのはよく目にされ ることかと思います。何気なく使っている表記ですが、実は 午前を指すAMはラテン語の「正午の前に (ante meridiem)」、 午後を指すPMはラテン語の「正午の後に (post meridiem)」 の略なのです。

『世界はラテン語でできている』

この一文を読んで、思い出した。
「ポストアポカリプス」という言葉(Post Apocalypse:Apocalypseは黙示録という意味。黙示録後、転じて終末後、という意味で使われている)の、「ポスト」って何? と思ったが、英語の直訳だと「役職」とか「郵便」という意味しか見つけられず、

post(接頭辞:あとに)の最も一般的な形は、post(接頭辞:あとに)+〇〇(別の単語)、という組み合わせで、〇〇のあとに、という意味になります。 という成り立ちで、戦後、という意味の単語です。 卒業後の、という意味の単語です。

第90回 語源で学ぼう! post(接頭辞:あとに) - KOTOBA

ということにようやっと辿り着いたのだが、これはもしかしてラテン語から来ているのではないか?!

他にも、ファクシミリ(ファックス)はラテン語で「似たものを作れ(fac simile)」という意味だ、とか、ニベアは「雪のように白い(nivea)」とか、身近なものの名前や、世界史、政治、宗教、科学にまつわる様々なラテン語に、

そういうことだったんだ! と目が覚めるような1冊です。


X(旧Twitter)じゃなく、noteもやってらっしゃった。

著者は ラテン語さん

ラテン語研究者。栃木県生まれ。東京外国語大学外国語 学部欧米第一課程英語専攻卒業。ラテン語・古典ギリシャ 語の私塾である東京古典学舎の研究員。高校2年生でラ テン語の学習を始め、2016年からX(旧Twitter)にお いてラテン語の魅力を毎日発信している(アカウント名: @latina_sama)。研究社のWEBマガジン Linguaに て隔月連載中(シリーズ名: 名句の源泉を訪ねて)。ラテ ン語を読むだけでなく、広告やゲームなどに使われるラ テン語の作成や翻訳も行っている。

『世界はラテン語でできている』

Xをやってらっしゃるとのことで、覗きに行ったら。

noteもやってらっしゃいました!

出版社は SBクリエイティブ

掲載誌・レーベルは SB新書

発売は 2024年01月


私の感想読んでる場合じゃない

そして、私も感想書いてる場合じゃない(笑)。

noteにもディズニーファンには垂涎の記事をたくさん投稿されています。

とりあえず、興味を持たれた方はnoteを読んでみてはいかがでしょうか。
私の拙い感想読むよりずっと良いです。
私も読みます。
感想書いてないでもう一回ちゃんと読み返したい。いや、読み返すべきだ。

やはり、書籍の方が情報量が多いので、最終的にはより楽しめると思うのですが。

私自身、ラテン語以前に英語もサッパリなので、せめてもう少し英語がわかれば理解できた部分もあるものの。

そんな英語サッパリな私でも楽しめる1冊でした!

特に、「17世紀にローマ市民権を与えられた日本人」という節では

支倉常長が伊達政宗の使者とし てローマに来たことについて、ラテン語で pro serenissimo IDATE MASAMUNE REGE VOXV 「オウシュウ(奥州)の 王であるイダテマサムネ陛下の代理で」と書かれています。
その当時、伊達政宗は「いだてまさむね」と発音されてい たことが分かります。ラテン語で書かれた史料は、こんなこ とも教えてくれるのです。

『世界はラテン語でできている』

アルファベットで書き残されていると、当時の発音がわかるのか! と、感動しました。
漢字の読み方って、古い文献はふりがななんてないので、もしかしたら、もっと読み方の違うものが存在するのかも。

他には、「ゲームに出てくるラテン語」で

他に有名なラテン語のゲーム音楽としては、「ファイナル ファンタジーVII」の最終ボスであるセーファ・セフィロス と戦う際に流れる曲が挙げられます。
この歌い出しのEstuans interius ira vehementi は「心の中 で激しい怒りに燃えつつ」という意味です。これは「カルミ ナ・ブラーナ」という、ドイツで発見された中世に作られた ラテン語の詩集から引用されたものです。

『世界はラテン語でできている』

カルミナ・ブラーナが出てきますが、私、高校生の時にこのオルフが作曲したカルミナ・ブラーナの「おお運命の女神よ」を(合唱で)歌ったことがありまして。

この時、歌詞が全く意味の分からないアルファベットの単語で、誰かが先生に「何語ですか?」と聞いたら、先生の回答が「古い英語みたいなものです」ってものだったので「日本で言う古文みたいなものか?」と思っていましたが。

ラテン語じゃん!!

当時は全部カタカナを振ったものの、全く意味の分からない呪文のような歌詞を四苦八苦しながら丸暗記したのですが(笑)
おかげで、今でも歌える。

実はもっともっと身近なラテン語が本書ではたくさん紹介されています。
楽しみを奪ってはいけないと思い書いていませんが(笑)

こんな言葉があったんだ! こんな言葉だったんだ!とページをめくるたびに発見がある楽しい1冊でした。


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