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防大に入校した新入生は、「ハイ or YES」の世界に投げ込まれる|エッセイ『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』


この本は、防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍している ぱやはやくん の防衛大学校時代のエピソードを綴ったエッセイ。

 防大は、諸外国で言えば士官学校に該当する学校であり、学生の身分としては「特別職の国家公務員」です。そのため、学費・衣食住が無料のうえ、学生手当が支給され、防大を卒業すると「一般幹部候補生(曹長)」として任官します。
 防大卒業後に与えられる「曹長」という階級は、一般入隊の隊員の場合だと定年まで勤務して到達する階級です。さらに、現在の制度では防大を卒業すると佐官への昇任はほぼ確定のため、自衛隊内部では「防大はエリートコース」と言われています。

『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』

給料も出て、衣食住も無料で、自衛隊入隊後は曹長という階級からスタート出来る。
入学するには地方の国立大学レベルの学力がなければ試験をパスすることは難しいそうだが、なかなか良い条件では……

と、思ったのも束の間。
世の中そんなに甘くない。

・常に集団生活のためプライベート空間は皆無。平日外出やテレビの保有は禁止などの制約が多々あり、「修行僧」のような生活を求められる
・「廊下は戦場」「3歩以上は駆け足」「同期と対番学生以外は全て敵」という不穏なパワーワードが合言葉
・指導が飛び交い、「命の煌めき」を求められる清掃

『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』

すぐさま、理解不能に近いパワーワードが続く。命の煌めきを求められる清掃、って何?!

防大においての清掃は、まさにエクストリームスポーツ。肉体と頭脳をオーバークロックし、命の輝きを放ちながら校内を綺麗にします。清掃は日朝点呼の後と日夕点呼の前に1学年が主体で行います。精神的な負荷が大きい「点呼+清掃」は素敵なコンビメニューであり、呪われたハッピーセットとも言えます。

『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』

説明もますます分からない(笑)!

清掃に関して、1学年はゲームオーバーを繰り返すことによって2倍速のスピードを獲得し、小学生の手から必死に逃げるバッタのような速さで雑巾がけができるようになります。限界を超えた雑巾がけで、1学年の作業服ズボンの膝部分はいつもボロボロと皆様にお伝えしておきましょう。

『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』 

雑巾がけで限界に挑戦……
やりたくはないけど、見てはみたい。

面白かったところを抜き出しただけでこの文字数。

とにかく“厳しい”を通り越して、最早、異世界の話を読んでいるような気分になります。

そして、極限状態から引き起こされるハプニングは抱腹絶倒!

驚きとパワーワードの応酬がたまらない、防衛大学校生活エッセイです。


自身のTwitter(現X)のエピソードを書籍化

著者は ぱやぱやくん
防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。

出版社は KADOKAWA

発売 2023年07月
既刊1巻。完結済。


もう、とにかく面白い!

機関銃とかを軽々持つ女子生徒の話とか、開校祭の棒倒しの話とか、とにかく印象的なエピソードが満載のエッセイでした。

もはや、ファンタジー。異世界転生的な感覚です。

特に棒倒しは150人対150人、4つの縦割りの寮から選抜で選ばれたメンバーでやるそうで、YouTubeで見たら迫力満点!

※棒倒しは15:30頃

これ、棒倒しなんですよね?
私が知ってる棒倒しよりもかなりワイルドなんですけど。

しかも、ハードな練習で怪我人が続出し、結局、練習しない方が欠員が出ないで勝てるんじゃないか、とか、練習の時に引っ張られて首が締まらないようにシャツに切れ目を入れておくそうなのですが、終わったら何故か裸の人がいるとか(笑)

棒倒しと、掃除だけでこのボリューム。
他にも語りたくて仕方ないくらい、面白いエピソードが満載なんです。

とりあえず、今年とは言わずとも、防大の開校祭に行ってみたいです。
棒倒しを生で見てみたい。


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