【米国株式投資】ラム・リサーチ / LRCX:注目の半導体関連銘柄の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Lam Research )
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本日のアナリストは、🇨🇾キプロスを拠点に活動している、イアニス・ゾルンパノス氏です。
自己紹介
ゾルンパノス氏は、詳細なビジネス分析を通じてデューデリジェンス・プロセスを向上させることを目的とした株式市場調査プラットフォーム、「Yiazou Capital Research」の創設者。
以前はDeloitteとKPMGで外部監査と内部監査、コンサルティング業務に従事。公認会計士資格を保有し、ACCAグローバルのフェロー・メンバー。
また、英国の一流ビジネススクールで学士号と修士号を取得。
最新のレポート紹介
ラム・リサーチ / LRCX:注目の半導体関連銘柄の最新の決算・株価分析と今後の見通し(2024年2月1日 / Lam Research / 米国株式投資)
Ticker: LRCX / 3473文字 / 所要時間7分程度
サマリー
ラム・リサーチは、世界最大級の半導体ウェハ製造装置(WFE)メーカーである。
同社は半導体上に層を形成し、その後に各層からパターンを選択的に除去する、成膜とエッチングの市場セグメントに特化しており、エッチングでトップシェア、成膜で第2位のシェアを占めている。
また、同社はDRAMやNANDチップのメモリーチップメーカーとの取引が多く、TSMC、サムスン、インテル、マイクロンなど世界最大のチップメーカーを主要顧客としている。
ラム・リサーチの概要
セクター:半導体
現在の株価: 825ドル
時価総額: 1081.8億ドル
一株当たりの本質的価値: 522.73ドル
安全マージン: -57.85%
5年間の配当成長率: 18.80%
配当落ち日: 2023年12月12日
配当支払い日: 2024年1月3日
配当利回り: 0.98%
5年間の売上高成長率: 19.50%
10年間の売上高成長率: 20.60%
ラム・リサーチの収益と成長に関して
ラム・リサーチ(LRCX)は第4四半期に一株当たり7.52ドルの利益を報告し、前四半期の一株当たり6.665ドルの利益と比較して増加を示した。
そして、同社は過去10年間一貫した収益成長を見せており、10年間の年平均成長率(CAGR)は39.90%となっている。
一株当たり売上高では、同社は第3四半期の26.148ドルから第4四半期に28.424ドルを生み出した。
同社は長年にわたり一貫して売上高を増加させており、同社株の非経常損益項目を除くベースでの5年間の年間平均成長率(CAGR)は24.90%となっている。
さらに、今後10年間の半導体業界の成長予測は楽観的であることは、同社の将来の成長可能性にとって良い兆候であると考える。
加えて、過去の財務レバレッジの度合いを考慮すると、同社は強固なバランスシートと低水準の負債を維持できていると言える。
このことは、同社が過剰な負債を負うことなく、拡大・成長する能力を有していることを示している。
結論として、ラム・リサーチの第4四半期の業績は、前四半期と比較してプラス成長を示し、且つ、同社は増収増益の実績があり、業界の成長予測も有望である。
以上を踏まえ、強固な財務基盤を持つ同社は、今後も成長軌道を維持していくことができると見ている。
ラム・リサーチの配当に関して
ラム・リサーチは近年、力強い配当の成長を示しており、過去5年間で、同社は18.80%の配当成長率を達成している。
これは、同社が株主への配当を一貫して増配していることを示している。
一方で、3年間の1株当たり配当金成長率は14.50%で、同様に、株主への価値還元に対する同社のコミットメントを示していると言える。
このような一貫した配当金の増加は、同社の財務の強さと安定性を示すものであり、投資家にとってポジティブな兆候とみなすことができる。
加えて、セクター内の比較では、同社の配当実績は優れている方であると言える。
同社の予想配当利回りは0.98%という低水準ではあるが、セクター内では競争力のある水準となっている。
さらに、同社のEBITDA有利子負債倍率は1.12と比較的低く、健全なバランスシートを有し、配当支払いを快適にカバーできることを示している。
まとめると、ラム・リサーチは近年、力強い配当の伸びを示し、セクター平均を上回る水準となっている。
配当利回り:0.98%
配当性向:28%
配当カバレッジ・レシオ:3.47
5年間の配当成長率: 18.80%
EBITDA有利子負債倍率:1.12
ラム・リサーチのバリュエーションに関して
ラム・リサーチの現在の株価である825.17ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である522.73ドルよりかなり高い水準にあり、これは、現在の株価が割高である可能性を示唆している。
実績PERは31.77となっており、投資家が業界平均と比較して、1ドルの利益に対してより高い価格を支払うことを望んでいることを示している。
同様に、株価売上高倍率は7.68となっており、業界平均と比較して、投資家が売上高1ドルあたりにより高い価格を支払うことを望んでいることを示唆している。
また、PEGレシオは1.48であり、予想される利益成長率に対して株価がやや割高である可能性を示している。
さらに、EV/EBITDAレシオは24.37であり、EBITDAに対して株価が割高である可能性を示唆している。
全体として、ラム・リサーチは現在の株価は、バリュエーション・レシオ(倍率)を考慮すると割高に見えるというのが現状である。
そして、5年平均、10年平均と比較しても、現在の株価はかなり高い水準にあることが分かる。
さらに、同社株価のバリュエーション・レシオは業界平均より高く、投資家が同社の収益と売上高にプレミアムを支払うことを望んでいることを示唆している。
ラム・リサーチのリスクとリターンに関して
同社株のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まず、在庫日数指標は、同社が在庫を積み増しているため、商品の販売が困難になっている可能性を示唆しており、これは将来、収益と利益率の低下につながる可能性がある。
加えて、インサイダー(内部関係者)による同社株式の売却が気になる。
過去3ヶ月間に10件のインサイダーによる売却があり、合計32,404株が売却されている。
一方で、インサイダーによる同社株式の購入の少なさは、同社株価の将来的なパフォーマンスへの懸念を高める。
さらに、実績PERは10年来の高値に近く、収益に比べて同社株式が割高である可能性を示している。
同様に、株価と株価売上高倍率も10年来の高水準にあり、売上高に比べて割高である可能性を示唆している。
また、同社の配当利回りは2年ぶりの低水準に近いというのも現状である。
しかし、考慮すべきプラス要因もある。
同社の営業利益率は拡大しており、これは一般的にポジティブな兆候と見なされる。
加えて、Altman Zスコアは10.01となっていることからも、同社の強固な財務力を示唆しており、同社への投資に安心感を与えるものである。
以上より、全体として、考慮すべきポイントはいくつかあるが、ポジティブな要因も多く存在している。
しかし、投資家は投資の決断を下す前にそれらのリスクを慎重に検討すべきである。
ラム・リサーチのインサイダー(内部関係者)による売買に関して
インサイダー取引データによると、ラム・リサーチの過去12ヶ月のインサイダー買いは確認されていない。
しかし、同期間に14件のインサイダーによる売却が確認されている。
このことは、同社の取締役と経営陣が買いよりも売りに傾いていることを示唆している。
ただし、インサイダーの保有率は1.08%と低い点に関しては、ご留意いただきたい。
この低水準は、インサイダーが同社に対して大きな金銭的利害関係を有していないことを示している。
一方、機関投資家の保有比率はかなり高く、91.57%を占めている。
このことは、大口機関投資家が同社において強い存在感を示しており、同社の意思決定や業績により大きな影響を与える可能性があることを示唆している。
全体として、ラム・リサーチのインサイダー取引分析および保有動向は、同社の取締役および経営陣が株式の売却に傾いている一方で、機関投資家がかなりの株式を保有していることを示している。
ラム・リサーチの流動性に関して
ラム・リサーチのの前営業日の出来高は985,771株で、中程度の流動性を示している。
そして、過去2ヶ月間の1日平均出来高は1,071,755株で、現在の取引量より若干多い水準となっている。
このことから、同社株式は比較的安定したレベルの取引が行われていることがうかがえる。
また、同社のダークプール指数 (DPI) は42.75%となっている。
この指標は、ダークプールで発生した取引高の割合を示している。
※ダークプールは、オーダーブック情報を公開しない私的な取引所
DPIが高いほど、ダークプールで行われる取引の割合が高いことを示し、機関投資家やハイフリークエンシー・トレード(HFT)による取引が活発に行われていることを示している。
まとめると、ラム・リサーチは1日の平均取引量が安定しており、流動性もまずまずの水準を維持している。
一方で、42.75%のDPIは、取引のかなりの部分がダークプールで発生し ていることを示唆している。
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アナリストによる開示:私は、この記事で言及されている企業の株式に関するポジションを現時点で保有しておらず、また、今後5日以内にそのようなポジションを持つ予定もありません。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。
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