記事一覧
アブラムシがめちゃ飛んでて困る日
朝、君の夢を見て夢精した。
昼、母にゴールデンカムイの話をされた。
夜、テレビでジョセフジョースターのコスプレをみた。
道営記念、多頭落馬起きたけど1番人気の6-9で決着した。
渡せなかったTシャツが捨てられない。
棚の中でヒグマはずっと星を見つめてる。
月のお姫様は竹から産まれない
ほんとにばからしい。なにがそんなにばからしいかって、それはなにも音読のしゅくだいそれ自体のことをいってるわけではありません。かちゃかちゃ、とんとんと音立てて、夕ご飯のしたくに精を出しながらニュース番組を耳でみているママにむけて、ふつうより大きな声を出してこくごのきょうか書を読み上げる。まい日のことだから、ママも聞いているのかいないのかわからないし、それよりもなんで声に出して読まなくちゃいけないの
もっとみるコロニー その5(終)
ずじゃっ。靴底が湿った砂を叩く。間に挟まれた風船は音もなく割れた。突き立てた脚に体重を乗せ、彼女は割り切れない感情を単純明快な悪口に込めて放つ。
「……のばか!」
その一撃は海原を抉りながら、水平線めがけて一直線に進んでゆく―――なんてことはなく、数メートル先に落っこちた。思うように飛距離が伸びなかったのは、もとより小さい声量の所為だけではなかったように思われた。
不運にも二度目の死を
エアフォース1 その8(終)
靴箱を開けると、かすかに潮の匂いがした。
波のささやき。その響きに合わせて舞い遊ぶ砂粒。裸足をくすぐる感触。きらめく漂着物へと近づく足音。すぐに消えてなくなる足跡…。
最後に海に行ったのはいつだっけと、彼女はスニーカーを取り出しながら回想してしまう。海馬に散乱する写真の中から海の写るものだけを選り分けて、時系列に並べてゆくのだ。そうして彼女は2年前、鎌倉に旅行したときが最後だなあと結
エアフォース1 その7
我々は知っている、彼女の身を包むプルオーバーのパーカーの内側に起こった変化を。食事を平らげ体積を広げた胃袋が、彼女のおなかを膨らませていることを。そしてそのふくらみは細身のジーンズパンツに締め付けられており、彼女はいくらかの苦痛を感じてもいるということを。一方で、彼女の表情を占めるのは苦しみにも勝る多幸感であり、オーバーサイズの裏起毛素材に隠された真実に気付く者はいない。
かさを増した腹部
エアフォース1 その6
「花見」という語における「花」とは一般に、冬を終わらせんがために咲く彼の桃色の群れのことを指す。凍てつく大気が染め上げた白の風景に感傷を覚えたのも束の間、それに飽いた我々の苛立ちが、色と熱への渇望が、その桃色を咲かす。
今、彼女の視線の先にある花もその意味での「花」であるのだが、それは桃色ではなく鮮やかな朱色を放つ。五枚の花弁を携えた小さな朱は、黄金色の湖に浮かぶおうどん島の上に咲いている。
エアフォース1 その5
天球一面に張り付いた白は、心の空模様を灰色に染めてしまう。もしそこに一点の赤が在りさえすれば、胸を覆った灰色をねずみ色と読み替えるくらいの遊び心も湧き出てくるだろうに。質素という語を象徴する、かの伝統的スタイルのお弁当ですら一粒の赤をその中心に据えているのに。などと愚痴を垂れたくなるような、あるいはそんな気力も湧かぬような曇天の下、彼女は二輪車を漕いでいる。
ややもすると、明朝の出撃に備え
エアフォース1 その4
「ちーちゃん、ごはんだよ。」彼女がそう言い終えるより先に、ちーちゃんと呼ばれたその白猫は、体色より少し濁った白の陶器に顔を突っ込んでいる。器の内容物をかりかりとむさぼる様子はいかにも無防備であるが、小さな口から覗く鋭い犬歯はその画にそぐわず野性的に艶めいている。そんなふうに観察してみて、私も食事中は無防備な姿をさらしているのかなあ、などと彼女は思うのであった。
ぼーっと眼球運動を停止してい