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#書評
【読書】苦海浄土 石牟礼 道子
私は大学時代は,水俣病を社会学的に研究してらっしゃる丸山定己教授の下で学んでいたので,身近に水俣病という言葉が飛び交っていた。
当然授業にも出てきたし,先生の手伝いで水俣病に関わっている色々な人たちとの出会いもあった。
それなので,当然一般の人よりも興味関心は持っていたし,詳しくもあったはずなのだが…。どうしてこの本を今頃読んでるのか…。
もっとあの時読んでいれば,勉強の力の入れ方も変わってい
【読書】還暦クラス会
還暦と言うんだからちょうど私の年のころの人たちの話。
重松が浮かんでくるようなほっこりした感じ。
田舎から東京に出てサラリーマンがんばり,ついにある程度の会社の社長に上り詰めた主人公。
順風満帆かとおもいきや,一人娘がサーフィンの最中に事故で頭を打ち,すべての記憶を失ってしまう。
記憶ばかりか感情の起伏もなくなり,寝たきりではないがただ食べて寝るだけの…。
何とかリハビリで記憶を取り戻そうとするの
【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日(1)
今公開されているFukushima50の原作本。
映画を見てすぐに読んだが、この本と映画はマジに日本国民全員が見て読んでほしい。あと義務教育のどこかで必須教材にしてほしい。
知覧からの特攻隊や人間魚雷で犠牲になった人たちに対して、「あなたたちのおかげで今があります。ありがとうございます」的な感想をよく聞くが、あれは「国家による殺人」「無駄死に」であり、アレがなくても(無謀な突撃をしなくても)戦争
【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日②
この本読んで、いろいろ整理できたことがある。
まず、今回の福島原発事故の原因は、「電源が失われた事」に尽きる。
「停める」「冷やす」「閉じ込める」が非常事態の原発の鉄則なわけだが、その「冷やす」が出来なくなるわけだ。電源がないと。ただ東電も馬鹿じゃないので、ちゃんと停電の際のバックアップの自家発電機能は備えてあるわけだが、その自家発電の装置のある場所が「想定外の津波」で水没してしまい使えなくなった
【読書】死の淵を見た男 〜吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日③
菅さんと同じく,班目さんもいろいろ避難をされたが,これも致し方ない…と言わざるを得ない。というのは,ほとんど情報が上がってきていない中で,たまたま上がってきた情報だけを材料に判断するわけで,そりゃあ無理というモノ。
例を挙げると,班目さんは,津波で自家発電機能が失われた…という事を聞いていないのだ。だから現場では必死に何とかして冷やそうとしているのに,そんなことやる前にもっと重要なことがあるだろ