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70代の大先輩が綴る「シルバー就業日記📚絶滅危惧新人は幸福を感じている」

2週間ぶりにこんにちは。インソース メディアグループのイシハラです。

9月になり、都内では先日の投稿から一気に肌寒い日が増えてまいりました。秋服や毛布を引っ張り出しつつ、まだ冬用の布団は早いだろうか、今日は半袖が良さそうか長袖が良さそうか…… と「衣」に悩む毎日です🌾🌾

そんな本日も、PCやスマホ、タブレットから覗いていただけるオリジナルコラム「シルバー就業日記」をお届けします。本日最終回です!

日々仕事と向き合っているビジネスパーソンの皆さん。バイト中の学生さん。たまたまこの記事にたどり着いた方。エッセイ好きの方。休憩時間にスマホを開いた方―― どんな方にもおすすめできる素敵なコラムです。ぜひ、ゆるりとご覧になってみてください📖☕

シルバー就業日記「銀子とマチ子」とは?

多様な人材を受け入れるべく、シニア世代の雇用・再任用を積極的に行う組織が増えています。こうした動きは、シニア世代が今まで培ってきた知識・ノウハウを組織で学ばせていただくチャンスでもあります。

一方で、新しい仕事を覚えるのに少々時間がかかったり、指導する側にとっては “年上の部下” という複雑な立場だったりと、本人も指導する側も日々奮闘しているのではないでしょうか? 

そんな働く日常を、実体験をもとに綴ったのが「シルバー就業日記 銀子とマチ子」です。

インソースの人気者こと、御年70代のシルバー世代社員「銀子さん」と、母親と同じ年齢の後輩をOJTすることになった社員「マチ子さん」。それぞれの視点から、学びや体験を日記形式で綴っております。

今回は、シルバー世代社員「銀子さん」の方の日記5~7話(最終回)をお届けいたします!▼


シルバー就業日記 vol.5「大いなる誤解も楽しむ」

◆高齢就業者に未来はあるか

私は銀子(仮名)。
色んなことを乗り越えてきたせいか、良く言えば物事を多方面から見ることができるようになりました。悪く言えば、疑い深くなったのかも知れません(笑)。良い意味でも悪い意味でも、人は何とでも言うし、どんなことでもする、と思っています。また、物事は光と影、良い部分も悪い部分もあって、面白いと思っています。

ダイバーシティ、ジェンダーフリーなど、価値観や状況などが異なる人を、偏見や先入観を持たずに受け入れようとする考え方があります。しかし、世代や年齢の区分への考え方には、まだまだ進展が少ないように思います。特に高齢者は、高齢就労者に対する周囲のネガティブな偏見だけでなく、自分には無理ではないかという自分自身への決めつけや「エイジズム」によって、沈黙しがちな世代です。

そんな中で、「高齢者向けの仕事」などとひとくくりにしないで、個人のスキルや志向にあった仕事の選択肢がもっと増えればいいのに、と思います。

高齢者に限らず、例えば業種にもよりますが、一人で完結する工程の長い仕事や幅広い仕事を細分化して、得意な部分だけを担当する方法だったらどうでしょうか。障害のある方も障害に関わらない部分の作業に関しては習熟が可能です。全作業のある部分が苦手なために諦めていた仕事も、苦手ではない部分だけなら自信をもって仕上げられることがあります。部分的な仕事、ワンポイントの専業で習熟すれば、その部分の完成度も高まります。良い仕事をすれば自信になり、障害のある方にとどまらず高齢者でも、部分の専門職になります。

介護・妊活・子育てなどで時間的な制約が多い場合も、部分的で短いスパンの仕事なら動きやすいかも知れません。マイノリティと言われる立場の就労者も、声を上げやすくなります。

少子化の影響やAIの進歩などにより仕事自体が激減して、すべての年代で仕事をシェアしなくてはならない日が来るかも知れません。細分化された各分野の専門性の高い人材の活用が効率的に実施できれば、組織の人的資源の底上げになり、また将来的な人材の育成にも役立つのではないかと考えもします。

遠からぬ将来に、世代や性別に関わらず個々の専門・志向や特性・都合で仕事が選べる、想定外のパラダイムシフトが起きる可能性もあるかもしれませんね。

vol.5 全文章(銀子さんの教訓つき)はこちらから📖


シルバー就業日記 vol.6「知らなかった世界」

◆「新人研修」ってすごい!

私は銀子(仮名)。
大学在学中から仕事を始めたものの、組織で働いた経験がなかった私は、就活・就職など社会人の通過儀礼を経ずに今に至っています。多くの人が退職する歳ごろになって初めて触れる  “組織人生活” です。

インソースでも、今年現場配属された新入社員が奮闘中です。皆さん毎朝元気よくあいさつをしてくれたり、電話が鳴ったらすぐに取って丁寧な対応で取り次ぎをしています。びっくりしていると、「全て新人研修で教わったこと」だとか……

新人研修を受講したら、新人としてのビジネス基礎が身につくなんて、すばらしいシステムだと今さらながら感心しています。

◆異動による突然のお別れ

そんな中、ある日上司からご本人が異動されることを告げられました。

「え~! なんで? どうして? 私、どうなるんですか!?」

なんということでしょう。青天の霹靂です。入社3か月の新人(私)を残して、上司が2ブロック先のビルに行ってしまいます。若くて美しい隣席の上司は、いてくれるだけで心丈夫な聡明で率直な方だったのに、突然のお別れです。人事異動とは、こんなにあっけなく決まるのかと驚きました。

しかし人事異動は、社員の成長のチャンス、社内の活性化、会社の利益向上などが目的と知りました。社員として受諾・体験すべき必須経験なのかも知れません。

頼もしい戦士として、仰げば尊き上司は、新しいシーンへ出発します。私も何とか進まなくてはなりません。教えていただいたことを、しっかりアウトプットできるようにがんばります!

私にとって職場は、仕事の場であると同時に、様々興味深い社会勉強の場でもあります。という訳で、私は遅れてきた社会人、今更ながら新鮮な毎日を送っています。

がんばれ、「絶滅危惧新人」銀子!!

vol.6 全文章(銀子さんの教訓つき)はこちらから📖


シルバー就業日記 vol.7「幸せな高齢就業者」

◆高齢就業者は幸福を感じている

「社会の中で自分のする仕事がある」ことは、自己実現のひとつの形であり、生きている理由になる場合があります。仕事には他とは代えがたい幸福感があるのかもしれません。

私の知人は若年性認知症と診断された後、悪性腫瘍が見つかりました。その後も仕事を続けて、現在大幅に余命宣告を更新しています。こうしたことはもちろん経営者の理解や周囲のサポートなしには叶わないことですが、仕事を続けていることが彼の尊厳を支えていることに間違いはありません。彼と、彼の会社の素晴らしい試みに感銘を受けます。

しかし職場は、病院でも福祉施設でもありません。結局は企業に人件コストを計上して、採算がとれるかの判断がされるでしょう。

◆世界が終わるわけではない

会社人間として、仕事を辞めたら抜け殻になってしまう、そんな情けない生き方はやめていておいた方が良いのではないでしょうか。退職になっても腐ってはいけません。仕事は人間の尊厳を支えますが、人間の価値は仕事だけではありません。死ぬまで元気に、次の生き方を手に入れましょう。

近い将来、少子高齢化から人手不足が進行して、さらに高齢就業者が増えるかもしれない。すると高齢者を受け入れる企業がもっと増えて、企業の対応や体制が整えば、高齢就業者の就業基準も、また就業寿命も変化します。

例えば、高齢就業者の雇用研修、就業マニュアル、管理ソフトの開発、専用の就業システムなどの進展もみられるでしょう。企業内の高齢就業者部門が拡大し、医療機関との提携で高齢であることのデメリットを最小化する方法が見つかるかもしれません。

そうした次世代高齢就業者ための提案のヒントを記録することも、私たち「現役」高齢就業者ができることのひとつかもしれません。――

vol.7 全文章(銀子さんの教訓つき)はこちらから📖


イシハラのあとがき

人生の大先輩による「シルバー就業日記」vol.5~7でした。

新鮮な “組織人生活” を楽しみ、日々学びを蓄えている銀子さんの日記、いかがでしたでしょうか? 「絶滅危惧新人」「世界が終わるわけではない」など、今回はパワーワードも多めでしたね。

本コラムは今回で最終回となりますが、銀子さんは本日もインソースで働いていらっしゃいます。

銀子さんの御年半分も生きていないイシハラですが、共に働く同僚として、銀子さんの「学ぶ姿勢」「思考の柔軟性」には日々刺激を受けています。言葉にするのは難しいですが、普段の私生活じゃなかなかお近づきになれない年代の方と同じ目線でコミュニケーションをとれる(働ける)って、なんだか素敵です。ほっこり。

noteという場をお借りして、勇気を出してインソースの門を叩いてくださった銀子さんに感謝と敬意をお贈りします!💐


本日もインソースnoteに出会っていただき、ありがとうございました。銀子さんやインソースの読み物に興味が湧いた方は、ぜひ下のコラムも覗いてみてくださいね。

70代の大先輩「銀子さん」の文章が、少しでも皆さんの発見や前向きな気持ちにつながりましたら幸いです☕💝

▼シルバー就業日記 vol.1~2 はこちら

▼シルバー就業日記 vol.3~4 はこちら


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