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創作物

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思いを込めた、思いつきでできた、小説や詩などが連なっています。
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#会話劇

一番親不孝なのは誰だ?

一番親不孝なのは誰だ?



美来「今度さ、母の日あんじゃん? 千葉くん、何あげる?」

千葉「あぁー……。そうか。考えてなかったー。」

榎本「そうだったな…」

美来「……そうか。そもそもさ、母の日に、何かあげたことある?」

千葉「…ないかもなぁ。俺の覚えている限りは、ないんだよなぁー。」

美来「……じゃあ、ないんじゃん? ハハ」

千葉「…かもしれん!」

榎本「俺はあるぜ!」

美来「まだ、きいてないけどな。ま

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沈黙が怖い

沈黙が怖い



美来「自分が長い時間喋っているとさ、沈黙が怖くなる瞬間ってない?」

千葉「確かに、あるかも。」

榎本「うん、そうだなー。」

美来「沈黙が怖いから、喋り続けてしまうんだけど、無理やり喋っているから、自分の思ってないことを言ってしまったり、余計なこと言ったりして・・・」

榎本「・・・・・」

千葉「・・・・・」

美来「・・・まぁ、お前らがこうやって黙り込むから、この癖は治らないけどな!」

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真面目じゃないマウント

真面目じゃないマウント



美来「一回、会社に入って思ったのがさ、“真面目じゃないマウント”をとってくるヤツが、本当にたくさんいるなぁーって思ったんだよね…。」

千葉「真面目じゃないマウント…? どういうこと?」

美来「例えば、俺が一生懸命に仕事をしてたら、『俺は、そんなに真面目にできないわぁー』とか、『うわぁー、偉いねー!』とか言うヤツ!」

榎本「そんなヤツ、ほっとけばいいんじゃん?」

美来「いや、ほっとけない

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「社会的信用」ってなんだろう?

「社会的信用」ってなんだろう?



美来「俺たちって、フリーター、じゃん?」

千葉「うん、そうだね・・・」

榎本「だなっ。」

美来「なんか、ちょっとさ、肩書きに困ることってない? 久しぶりに会った友達に、自分の職業を説明するときとか・・・」

榎本「まぁー、俺はフリーターって言っても、バイトじゃなくて“パート”だから、そんなに感じないけどなー。」

美来「お前は、“パート”に対して、誇り高いアイデンティティを持ちすぎている

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アイドルの可愛さとは?

アイドルの可愛さとは?

千葉「アイドルって元気もらえるから、良いよなぁー。ずっと可愛いし、見ているだけで良いんだよねー」

榎本「まぁ、シンプルに癒されるよね。美来は、あんまりそういうの、興味ないよな?」

美来「・・・まぁ、あんまかな…」

千葉「そうか。オレさ、今、アイドルの動画観ることだけが生きがいなんだよね。でも、美来が話せないなら、美来の前ではこの話題、やめるよ」

榎本「優しいー!話が通じないヤツがいると、こ

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電話相談なんて、ロクなもんじゃない。

電話相談なんて、ロクなもんじゃない。

ある日、非通知設定から着信があった。
「はい、もしもし?」
「こんばんは!ラジオネームは?」
「…はい?」
「ラジオネーム、わかんないですか? じゃあ、僕がつけちゃいますね!ラジオネームは、クールビューティー前田くんにしましょうか!」
「はぁ…。あの、何ですか、これ?」
「あぁ、申し遅れました!『小森三郎のウェルカム!電話相談』です!ということは、私は、小森三郎です!」
「…あぁ。なんか、間違って

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