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フェルマーの最終定理:到達不可能と思える目標でも、「過去に誰かが達成した」という噂話が挑戦者を生む (CASE: 15/100)



▲「フェルマーの最終定理」とサステナビリティ

「3以上の自然数 n について、(xのn 乗)+ (yのn 乗)= (zのn 乗)となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」 - フェルマーの最終定理です。ピエール・ド・フェルマーは、1607年フランス生まれで、「数論の父」とも呼ばれた数学者。同時にフランスの裁判官も務めた彼が、自身のノートに「驚くべき証明を得た」と書き残した定理がこのように呼ばれています。
長らく難攻不落の定理でしたが、ついにフェルマー死後330年経った1995年、プリンストン大学にいたアンドリュー・ワイルズによって完全に証明されました。
本定理の内容自体は中学生程度の知識で理解できたことから、数多くのアマチュア数学ファンがこれを証明しようと熱中。そこから数学を志す者も輩出されてきました。最終的に解決に導いたワイルズ自身もそうした者の一人であったそうです。
しかしながら、ワイルズが証明に用いた数学的手法は、現代数学を駆使したもので、フェルマーが300年以上も前にそうした手法を既に知っていたとは考えにくく、更に、「驚くべき証明を得た」のメモの後に、フェルマー自身が引き続きその定理の証明を試行錯誤した研究形跡も残っていたとのこと。証明の着想を既に得ていたのであれば、そこからさらに研究する必要はなさそうなものですよね。それらを根拠として、実は当時は証明方法は存在していなかったという説があるようです。

証明に成功したワイルズをはじめ、フェルマーの最終定理に興味を持ち、数学者を志した人々は、フェルマーの「驚くべき証明を得た」というメモがあるために、「必ず何らかの証明が可能なはず」 − そうした確信のもとに思考を進めていたことでしょう。
フェルマーの最終定理及びフェルマーのメモは、300年以上にわたり多くの人々の思考を鼓舞することに成功してきました。おそらく定理が存在していても、フェルマーの「驚くべき証明を得た」というメモがなければ、その証明に挑む人はあまり多くはならなかったのではないでしょうか。

到達不可能に思える高い目標であったとしても、一度その目標を達成した人物が存在すると聞くだけで、そこに到達することが現実味を帯びる − そんな事例ではないでしょうか。
価値観や状況が複雑化した社会において、皆が鼓舞される強いモチベーションを持たせつづけることは容易ではありません。そうした中で、300年以上人々を鼓舞し続けたフェルマーの最終定理の事例から学ぶことはありそうです。

▲参照資料

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

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