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食にまつわるエッセイ的な何か

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食べるのすっきゃねん
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2020年3月の記事一覧

生きるために、生きるのよ

窓際で豆苗を育てている。かわいい。

なんでかわいいかというと、素直だから。何も考えていないように見えて、ちゃんと日が差す方向を探しあてて、体を一心に傾けている。その姿の、なんと健気なこと。ちょっと場所を入れ替えると、少し目を離した隙にまた日の差す方へと頭をもたげている。ささやかだけど、力強い生命が、この東京の一室で確実に息づいている。その事実がたまらなく、愛おしい。

普段なら、「豆苗育ってるね

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【愚鈍なくせに】リトアニア旅行記

【愚鈍なくせに】リトアニア旅行記

珍しくノートを連日更新したら疲れてしまった。文章を書く行為。それは、「愚鈍な牛」のよう。そう、誰かのエッセイを読んだら書いてあった。文章は、感情の赴くままにすらすらと出てくるものではなくって、対象を飽きるまでしつこく見つめて、言葉が出てくるまで忍耐して、やっとのことで生まれる。パソコンの前でうんうんうなりながら、一文字も出てこないこともしばしば。それは、まるで「愚鈍な牛」。

本当そうだなと思う。

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ほっこりほくほくかぼちゃ味

ほっこりほくほくかぼちゃ味

自分で料理をするようになって、はや2年程度。実家を出るまで、料理なんてほとんどしていなかったけど、今はほぼ毎日料理をしている。

そして今日気づいたこと。それは、かぼちゃの煮物が美味しいということだ。大人になると味覚が変わるというけれど、それとはちょっと違う。昔から、かぼちゃの煮物は別に嫌いじゃない。でも、今日ほど、美味しいとは感じていなかったと思う。

かぼちゃの煮物って、自分で作ったからこそ、

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悲しいものは悲しい。美味しいものは美味しい。

悲しいものは悲しい。美味しいものは美味しい。

「泣きながらご飯食べたことある人は、生きていけます」

これはドラマ「カルテット」のセリフ。最近、ふいに思い出した。

きっかけはこれ。テレビ東京の「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。

この番組を簡単に説明すると、世界のアウトローな生き方をしている人(マフィア、ギャング、難民など)の食生活を取材したドキュメンタリー番組である。(私はAmazonプライムで拝見しました。)

その中でも印象に

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家ハイボールと家もんじゃで失恋にもならない失恋を思い出す

家ハイボールと家もんじゃで失恋にもならない失恋を思い出す

今日のお供も、もちろんハイボール。

ハイボールとは、ウイスキーのソーダわり。ウイスキーは家に瓶で常備。スーパーで買った氷は冷凍庫を占拠しているけれど、そのほとんどは我がハイボールのためにある。その氷をいっこにこ、グラスに入れて、それまた常備してある強炭酸を注ぎ入れ、ポッカレモンを数滴たらせれば、はいぼハイボールのできあがり。お酒は数あれど、一番ハイボールが好き。なんか、ちょうどいい。

いうても

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