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IT系数学夜話

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純粋数学や本格的な数学ではなく、IT系でよく使う大学初等数学レベル数学系の四方山話をまとめたマガジンです。 科学技術系ソフト開発のプログラマだけではなく、業務系ソフト開発のプログ…
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ネットの進化とマスコミの末路…集合知としての情報伝達構造とは

ネットの進化とマスコミの末路…集合知としての情報伝達構造とは

新聞の衰退はインターネットが原因?マスコミの中でもオールドメディアの代表格は新聞ですが、昨今の部数激減にさらされていることからも、当たり前だと思っている人がほとんどでしょうが、少し掘り下げて考察してみました。

サステナブルではない

私は、日本だけが標榜するSDGsやサステナブル*1 という標語が偽善に満ちていてあまり好きではないのだが、そもそも、昨今の偏向報道もさることながら、特に新聞は情報を

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原子内電子の波動性が強く現れる理由

原子内電子の波動性が強く現れる理由

はじめに良く、タイトルの左図にあるような太陽の回る惑星のように、原子核の周りを回る電子の絵がありますが、正しいイメージではありません。 これはボーアモデルの悪い面の影響です。  ※ボーアモデルは初等化学の理解には役に立ちます。 正しいイメージは右図です。

光は自身の持つエネルギーにより挙動が大きく異なる電子ではなく光を例にとってみますと、エネルギーが低い光は電磁波、つまり波の性質が強くなります。

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粒子性と波動性

粒子性と波動性

はじめに粒子性をネットで調べても、「粒としてそこにある性質である」のような禅問答のような回答が多く、これでは言葉遊びしかなっていないと思いました。

「粒子性」と対峙する言葉に「波動性」があります。 この両者の違いについて、その性質を示し、明確にしないとご質問に応えることができないでしょう。
あくまで私見ですが、以下のように考察しました。

粒子性とは(p1) 明確な境界がある。 空間的広がりが小

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確率は情報によって変わる

確率は情報によって変わる

注目する事象が同じでも、情報により確率は変わる確率は、常に、「起こりうる全事象(母数)」に対して、「注目する事象」の割合で示されます。 したがいまして、「注目する事象」がまったく同じ事象でも、母数の取り方(情報)によって確率は変わってきます。 例えば、

簡単な例4枚の紙に一枚だけ○が書いてある伏せた紙があって、4人がそれぞれ引いた時、○を書かれた紙を引く確率は 1/4 ですが、先に2人が引いてい

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1が素数になれない理由

1が素数になれない理由

素数は約数が二つしかないのが必要十分条件です。

ですから、1とその数自身の約数しかないのが素数です。

これは、二つ以上の数の積で表すことができる合成数を積に分解できないところまで分解(素因数分解と言う)したとき、分解された数を素数としたのです。 この素数に、1を入れると無限に分解できてしまうのでNGなんです。

別の観点から1の特殊性

素数の性質を語るのでなく、1の特殊性に注目した、少し異な

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1+1を量子コンピュータで計算するには?

1+1を量子コンピュータで計算するには?

量子コンピュータと普通(ノイマン型)のコンピュータと特徴の違いについては別の note で説明します。 ここでは、プログラミング初心者を対象に、ごく単純な例で違いを説明ます。

実は、1 + 1 のような単純な一つの演算だけだと量子コンピュータの出番はありません。 それをスカラー演算と言いますが、普通の加算器を使えば良いでだけです。

少なくとも並列計算をして、速く解ける問題でなければ、量子コンピ

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グラフィックス・ソフトの座標系の右手系・左手系と回転方向

グラフィックス・ソフトの座標系の右手系・左手系と回転方向

右手系私は物理と数学をよく使いますので、右手系、反時計方向を正回転(正をプラスという意味と解釈)とすることが多いです。

右手系(right-handed system)は 正系(せいけい: positive-oriented system)とも呼ばれ、 右手の法則に従うものを指します。  右手の法則は、親指をx軸、人差し指をy軸、中指をz軸としたとき、右手で座標軸の方向を示した右手系になり、左手

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プログラマの文系と理系

プログラマの文系と理系

◽️昔のプログラマの文系と理系その昔、プログラミングはコンピュータを直接使用できる限られたエンジニアの技術でした。

私が社会に出る1980年時代では、コンピュータは汎用計算と呼ばれる大型計算機が主流でした。 それ以外に、ミニコンと呼ばれるものはありましたが、主にコンピュータの基礎技術を学ぶためのもので、アプリケーション・プログラムを使用する目的には利用されることはほとんどありませんでした。

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6÷2(1+2)の計算に思うこと ITの観点から

6÷2(1+2)の計算に思うこと ITの観点から


■はじめに

6÷2(1+2)でYoutubeを検索すると沢山でてきますね。
インフルエンサーの動画では、あいまいなことしか言っていないからだと思います。 ITの世界では、9 の一択が現実解です。
私も軽くYoutubeでコメントしましたが、たくさんのコメントに埋もれました。
算数的に解釈するとか数学的に解釈するとか色々解釈してますが、私の考え方は次のとおりです。

■6÷2(1+2) は多項式

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ケーキを正確に3等分する方法 但し、中心軸に沿って切ったり定規を使ってはいけない。 

ケーキを正確に3等分する方法 但し、中心軸に沿って切ったり定規を使ってはいけない。 

・問題

ケーキを正確に三等分する方法を示せ。 但し、ケーキ(円柱)の中心軸に沿って切ったり、長さや角度を定量的に測る定規を使ってはいけない。 中心軸と有限個の点と交差しても良いとする。

・私の回答

少し、数学的にエレガントな回答がないものか模索して見ました.

円錐の体積は円柱の体積の1/3です。

A:底面を円錐の底面にした円錐と、

B:Aを逆さまにした上面を円錐の底面にした円錐を、円柱

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1÷0の答え

1÷0の答え

0ではありません。

不定でもありません。

「不能」です。 能わずです。 もう少し正確に言うと、演算が定義されていません。 定義がないので答えることができないのです。 それを短く表現すれば「不能」です。

いわゆるゼロ除算ですね。 ※これに対して 0÷0 の方は簡単で、「不定」(すべての数が答え)で上手く折り合いがついています。

「存在しない」と言うのも、「定義されない」「定義できない」と意味

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