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IT系数学夜話

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純粋数学や本格的な数学ではなく、IT系でよく使う大学初等数学レベル数学系の四方山話をまとめたマガジンです。 科学技術系ソフト開発のプログラマだけではなく、業務系ソフト開発のプログ… もっと読む
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記事一覧

1が素数になれない理由

1が素数になれない理由

素数は約数が二つしかないのが必要十分条件です。

ですから、1とその数自身の約数しかないのが素数です。

これは、二つ以上の数の積で表すことができる合成数を積に分解できないところまで分解(素因数分解と言う)したとき、分解された数を素数としたのです。 この素数に、1を入れると無限に分解できてしまうのでNGなんです。

別の観点から1の特殊性

素数の性質を語るのでなく、1の特殊性に注目した、少し異な

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1+1を量子コンピュータで計算するには?

1+1を量子コンピュータで計算するには?

量子コンピュータと普通(ノイマン型)のコンピュータと特徴の違いについては別の note で説明します。 ここでは、プログラミング初心者を対象に、ごく単純な例で違いを説明ます。

実は、1 + 1 のような単純な一つの演算だけだと量子コンピュータの出番はありません。 それをスカラー演算と言いますが、普通の加算器を使えば良いでだけです。

少なくとも並列計算をして、速く解ける問題でなければ、量子コンピ

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グラフィックス・ソフトの座標系の右手系・左手系と回転方向

グラフィックス・ソフトの座標系の右手系・左手系と回転方向

右手系私は物理と数学をよく使いますので、右手系、反時計方向を正回転(正をプラスという意味と解釈)とすることが多いです。

右手系(right-handed system)は 正系(せいけい: positive-oriented system)とも呼ばれ、 右手の法則に従うものを指します。  右手の法則は、親指をx軸、人差し指をy軸、中指をz軸としたとき、右手で座標軸の方向を示した右手系になり、左手

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プログラマの文系と理系

プログラマの文系と理系

◽️昔のプログラマの文系と理系その昔、プログラミングはコンピュータを直接使用できる限られたエンジニアの技術でした。

私が社会に出る1980年時代では、コンピュータは汎用計算と呼ばれる大型計算機が主流でした。 それ以外に、ミニコンと呼ばれるものはありましたが、主にコンピュータの基礎技術を学ぶためのもので、アプリケーション・プログラムを使用する目的には利用されることはほとんどありませんでした。

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6÷2(1+2)の計算に思うこと ITの観点から

6÷2(1+2)の計算に思うこと ITの観点から


■はじめに

6÷2(1+2)でYoutubeを検索すると沢山でてきますね。
インフルエンサーの動画では、あいまいなことしか言っていないからだと思います。 ITの世界では、9 の一択が現実解です。
私も軽くYoutubeでコメントしましたが、たくさんのコメントに埋もれました。
算数的に解釈するとか数学的に解釈するとか色々解釈してますが、私の考え方は次のとおりです。

■6÷2(1+2) は多項式

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ケーキを正確に3等分する方法 但し、中心軸に沿って切ったり定規を使ってはいけない。 

ケーキを正確に3等分する方法 但し、中心軸に沿って切ったり定規を使ってはいけない。 

・問題

ケーキを正確に三等分する方法を示せ。 但し、ケーキ(円柱)の中心軸に沿って切ったり、長さや角度を定量的に測る定規を使ってはいけない。 中心軸と有限個の点と交差しても良いとする。

・私の回答

少し、数学的にエレガントな回答がないものか模索して見ました.

円錐の体積は円柱の体積の1/3です。

A:底面を円錐の底面にした円錐と、

B:Aを逆さまにした上面を円錐の底面にした円錐を、円柱

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1÷0の答え

1÷0の答え

0ではありません。

不定でもありません。

「不能」です。 能わずです。 もう少し正確に言うと、演算が定義されていません。 定義がないので答えることができないのです。 それを短く表現すれば「不能」です。

いわゆるゼロ除算ですね。 ※これに対して 0÷0 の方は簡単で、「不定」(すべての数が答え)で上手く折り合いがついています。

「存在しない」と言うのも、「定義されない」「定義できない」と意味

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