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詩101 苦労Z


二の腕を気にする 夏の君

その手触りが なんとも好きだった。


ひんやりと冷たい プヨプヨしてて

赤ちゃんのほっぺのよう

羽二重餅のよう


ずっと 触っていたかった。


会いたいな、あの日の君に。

好きなのは、 あの日の君。


たしかに それはあった。

忘れ去られた 遊園地。


朽ち果ててしまっても、

それは そこに ずっとある。


だかもう、どうやら
契約が終わってしまったらしい。


僕は 帰宅したら

クローゼットに隠れるよ。

見えないホコリの蓄積と共にね。


袖を通されることのない 

頭数だけの服たちと一緒に


いつか…

日の目を見ることを夢に見ながら

ぶら下がっていますので。


除湿剤を抱きしめて。

5つも6つも抱きしめて。




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