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檜垣 涼
2021年6月6日 23:49
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌷一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ 咄嗟に何か言おうとした彼女だったが、僕の空気を察して黙ってくれる。それに甘えて僕は話を続けた。「日織が病気だと知ってたはずなのに。だから無理させてはいけなかったのに無理させるようなこと言って。体に
2021年5月27日 23:36
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌹一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ でも、そんな楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。数週間して、私はやっと本を読み終えた。 そして次の日から、その男の子は私の病室に来なくなった。 看護師さんに聞くと、何となく口を濁された。幼いなりに、
2021年5月25日 23:29
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌼一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓「読んでみて!」 キラキラした目をこちらに向けるその男の子の勢いに負けて、私はゆっくり一ページ目の文字を目で追っていった。 しばらく読んで、分からない文字が来た時に顔を上げた。隣には、嬉しそうに
2021年5月23日 23:16
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌷毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ その子が現れたのはそんな時だった。彼は同じ年齢の男の子で、お父さんが入院することになったらしく、そのお見舞いで病院を訪れたらしい。 彼が私の病室を覗いたのはたまたまだったのだろう。後から聞いて
2021年5月22日 20:43
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌺毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ 鋭い声に、思わず伏せていた目を慎一に向ける。慎一はまっすぐ射抜くような視線で僕を見ていた。「うぬぼれ?」「そう。結局するかどうかは自分なんだから。それに、患者の体調を管理するのは医者。慎一は
2021年5月20日 22:13
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌼毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓「ひゃっ」 中から小さな悲鳴が聞こえた。驚き、見ると、声を出したのは振り返った日織だった。 怯えた顔で僕を見る彼女が、少し華奢に見えたのは気のせいではないだろう。 彼女は僕を見ながら焦った
2021年5月19日 23:53
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌺毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ 梅雨の名残か、鬱屈とした厚い雲に覆われた天気の中、僕は学校へ向かう電車に乗っていた。時間はいつでもいいけど十時ごろと言われていたのでその時間に合わせていつもより遅めの電車に乗っていた。 他の学校
2021年5月18日 23:58
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします🌻毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓「それをスマホで送ったんだけど」 慎一が目を眇める。「ごめん」 慎一はふっと笑った後、わざとらしい怠そうな声で続ける。「なんかまた七三が面倒な仕事押し付けたらしい。学校の職員室に印刷機あ
2021年5月18日 00:03
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ その単調な音に体が押しつぶされるような気持ちになる。 みんなが何かと向き合う音のない数秒間。どんな時でも僕から目を離さないお母さんが、僕のことなんか目に入っていないみたいにお父さんに話しかけている。
2021年5月16日 00:02
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ 静かな病院の廊下に、僕とお母さん二人の足音だけが響く。いっそのこと音がなかったらいいのに、いろんなところから足音が聞こえるみたいで、気持ち悪い。 進む先に、一つ光が漏れている部屋があった。お父さん
2021年5月15日 01:49
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします💐毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ 気持ちが混乱したまま時間を過ごしていた。 彼女に会わせる顔がないと思うのは、自分の都合のいいように解釈しているだけなのかもしれない。でも、彼女と会う資格がないことは明らかだった。 というか
2021年5月12日 02:57
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします💠毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓「大丈夫だよ。経過観察しながら、手術できるタイミングまで待ってただけなんだから。だから心配しないで」 その時、僕の背後の扉が開かれる音が耳に入った。「日織……あら?」 振り向くと、疲弊し
2021年5月9日 23:06
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いている京都の大学生。よろしくお願いします!毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓ ほっとした表情で頷いた後、彼女はとってつけたように饒舌になった。本当に、とってつけたように。「昨日の夜頑張って書いてたら、ちょっと体調崩しちゃって、別にそれだけだよ。集中力が裏目に出ちゃったかな
2021年5月5日 23:26
檜垣涼(ひがきりょう)と申します。小説家を目指して小説を書いています。よろしくお願いします!🌼毎日一話分ずつ、長編恋愛小説の連載を投稿しています。一つ前のお話はこちらから読めます↓「へぇー、小説。すごいね、じゃあ、部活って文芸部?」「はい」「小坂くんも書いてるの?」「いや、僕は書いてないです。読み専です、前も言ったかもしれないですけど」「そっか。みんな楽しそうでいいなー」「