結衣

小説・成熟までの呟き あとがき

題名:「あとがき」
 主人公の美穂は、50代では農園の経営から離れてオリーブオイルなどを加工する会社を設立し、その社長になった。
 夫の康太は、農園の経営から離れて、大尾島モノレールの経営に参画した。全国の鉄道に乗った経験を活かして、事業を行うようである。
 娘の日奈子は、27歳までアイドルの海崎エンジェルスの一員として活躍し、その後は機転を利かせてバラエティ番組の司会などを務めるようになった。も

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小説・成熟までの呟き 50歳・1

題名:「50歳・1」
 2040年5月10日、美穂は50歳になった。その記念に、所有している農園に机と椅子を置いて、同級生で親友の結衣と2人きりで会話をした。「結衣、久しぶりー!」「美穂もー!この大尾島にも久しぶりに来たなあ!」というやり取りから始まった。「結衣、最近どう?」に対して美穂は「この前子供にあったんだけど、もう私より背が高くなっていて驚いたなあ。」結衣は、「息子は製菓学校に通ってる。美

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小説・成熟までの呟き 41歳・2

題名:「41歳・2」
 2031年12月、美穂達は毎年恒例の結衣の自宅で開催されるクリスマスパーティーに参加した。中心はやはり結衣の夫が作ったクリスマスケーキだった。その上には輝きを放つ苺があった。美穂は、「この苺、美味しいです!どこで作られたものですか?」と質問した。結衣の夫は、「この苺は首都圏で暮らしていた時から親しい関係にある農園の人が作っているんです。」と答えた。すると、結衣は「どのような

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小説・成熟までの呟き 36歳・1

題名:「36歳・1」
 2026年春に、美穂は36歳になった。この年、大きな出来事があった。結衣と2人で女子旅をすることになったのだ。美穂の家族と結衣の家族が、「普段頑張っているママに羽をのばしてほしい」という思いがあった。行き先はヨーロッパ・イギリスのロンドンで、理由は本場のガーデニングや紅茶を味わいたかったためである。中東を経由して、ロンドン・ヒースロー空港に到着した。空港は規模が大きくて、多

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小説・成熟までの呟き 34歳・2

題名:「34歳・2」
 2024年6月、美穂の親友の結衣が第2子である女児を出産した。12月に、美穂達はクリスマスパーティーに参加するために結衣の自宅へ向かった。楽しく準備をしている中、美穂は結衣の近況について質問した。「結衣は、子育てと仕事の両立ってしやすい?」その後、結衣との会話が始まった。「そうだなあ。うちは自営だから家と職場の距離はほとんどないので場所での不便さはないかなあ。」「私も。主に

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小説・成熟までの呟き 31歳・1

題名:「31歳・1」
 2021年春、美穂が31歳になった後に親友の結衣が男児を出産した。他人の出産に立ち会ったのは初めてで、とても嬉しかった。その頃の結衣は、結婚してからと変わらない耳が隠れるぐらいの茶髪のショートヘアだった。もはや、黒髪のロングヘアだった頃が懐かしい。そんな美穂は、結衣と会話をした。「結衣はさ、髪が短いと少し伸びただけでも鬱陶しくなったりする?ほら、美容室とか行けないからさ。」

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小説・成熟までの呟き 29歳・1

題名:「29歳・1」
 2019年5月10日に、美穂は29歳になった。この頃、周辺では大きな出来事があった。親友である結衣が結婚したのだ。きっかけは1年前に、対岸の高梅市に行った際に洋菓子店に立ち寄り、店主が「首都圏出身」ということを店頭に記載していて会話が始まったことである。その店主は海や山といった豊かな自然に恵まれたこちらの地方で、それを活かした農産物を使ってパティシエだったその人が店を開いた

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小説・成熟までの呟き 27歳・2

題名:「27歳・2」
 2017年秋、美穂は2度目のオリーブの収穫を迎えていた。オリーブは冬に開拓というような土地の整備をして苗を植える。春、美穂が誕生日を迎えた少し後に花が咲き始める。そして、秋には実が熟するのである。収穫しているときは、1年を通して同じ作物に携わったことによる達成感が味わえるのであろう。そのためか、美穂は満足した笑みを見せた。美穂は作業の際、赤色のトップスにオーバーオールをよく

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小説・成熟までの呟き 27歳・1

題名:「27歳・1」
 2017年春、美穂は27歳になった。オリーブの生産に携わり始めて2年目となった。美穂はその頃、不思議に思うことがあった。それは女性同氏の集団における現象に関してである。そのことを結衣に質問してみると、「女子同士だと強い人も弱い人もいて、いろいろな特徴が際立つかもしれない。」と言う。結衣は女子校出身で、品があるように育ってきた。美穂は同性が多い場に今まであまりいたことがなかっ

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小説・成熟までの呟き 26歳・2

題名:「26歳・2」
 美穂がオリーブの生産に携わってから半年後に、大尾島に結衣という女性が入ってきた。結衣は前は山浜市の隣の県にある瀬博市にいたが、元々は首都圏出身だという。割と肌が白くて、黒髪のロングヘアで、か弱い声でおっとりとした雰囲気である。同い年ということもあり、すぐに仲良くなっていった。美穂は、栽培技能が上達していくにつれて、髪も長くなっていった。休日に、大尾島から船が出ている高梅市で

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