小説・成熟までの呟き 26歳・2

題名:「26歳・2」
 美穂がオリーブの生産に携わってから半年後に、大尾島に結衣という女性が入ってきた。結衣は前は山浜市の隣の県にある瀬博市にいたが、元々は首都圏出身だという。割と肌が白くて、黒髪のロングヘアで、か弱い声でおっとりとした雰囲気である。同い年ということもあり、すぐに仲良くなっていった。美穂は、栽培技能が上達していくにつれて、髪も長くなっていった。休日に、大尾島から船が出ている高梅市で、レクリエーションで何人かとカラオケに行った。そのとき、美穂はツインテールにして盛り上がりながら歌った。レクリエーションの後に、美穂と結衣は会話をした。結衣は、「美穂は私にとってアイドルのような存在」というように言った。結衣からすると、美穂は明るく照らす太陽のような存在だという。また、美穂が今まで植物に多く触れて生きてきた一方で、結衣は動物に関する専門の学習をしてきたという。植物・動物とアプローチは違うが、自然科学の分野に関わっていくうえでは共通していて、2人はその後も結び付くことになる。

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