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#映画感想文

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急上昇の記事一覧

孤独の中の暖かな愛 -映画『ラブ・ストリームス』の美しさ

【木曜日は映画の日】 巨匠の最後の作品というのは、今までにない新しい展開で周囲を困惑させるような意外な傑作か、それまでの集大成の名作となるかが多い気がします。 アメリカインディーズ映画の名手、ジョン・カサヴェテスの晩年の映画『ラブ・ストリームス』(1984年)は、彼の過去作品の要素を受け継ぎながら、それが最後の輝きを見せている、美しい映画です。 それは、孤独と愛についての映画です。 作家のロバート・ハーモンは、豪華な屋敷に女性たちを招き入れて暮らし、

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インサイドヘッド②

いよいよ8/1に公開 ①から9年らしい そんなに経ったのですね 月日が経つのは早すぎます あの頃の私 添乗員をしていて だけど未来が不安で ネガティブ思考だらけ 「嫌われる勇気」を読んで、心理学に興味を持ち始めた頃だった記憶が…… 頭の中の喜怒哀楽の戦いに笑いながらも共感したっけ そして確か友達の子供と見た記憶 今では疎遠になってしまった友達 あの子は何歳になったのだろうか この9年でめまぐるしく変わった気がします 私も世の中も…… 添乗員を辞めて転職活動をして

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アートを記録するヴェンダースの新作(「アンゼルム "傷ついた世界"の芸術家」)

 私的に、今年になって復活したミニシアター熱は現在も続いてます。  といっても、月イチぐらいの微熱なんですが、アンテナを高くしつつ、無理なくやっていこうと思ってます。  そんな私が7月に観てきたのが ヴィム・ヴェンダース監督の新作ドキュメンタリー「アンゼルム "傷ついた世界"の芸術家」なんで、今回は、この作品について note していこうと思います。 +  +  +  +  +  + 「アンゼルム "傷ついた世界"の芸術家」 監督: ヴィム・ヴェンダース   ヴィム・

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足立紳版『スタンド・バイ・ミー』、映画『雑魚どもよ、大志を抱け!』レビュー

 足立紳版『スタンド・バイ・ミー』、そのひと言に尽きる一本。既視感満載、内実ステレオタイプ、結末予定調和の仕上がりながら、子どもたちの生硬とさえ評したくなる立ち居振る舞いが、かえってリアルを生み出し、深く胸に沁みいって来る。原作の『弱虫日記』を足立紳自身で映画の尺に納めるべく色付けして、説得力豊かにまとめている。 自己嫌悪に苦しむ語り手である主人公と、彼の牽引役となり仲間たちの中心を担う友人の普通の子になりたいとの切望とが鮮やかに対比され、リーダーの涙の心情吐露は、原作同様、

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映画の話634 ぼくらの七日間戦争

 若く初々しい宮沢りえの演技もさることながら、夏休みの少年たちのわくわくする心の風景を見事に描いている名作だと思います。青春期の普遍的な反抗心は、成長に欠かせないものだとつくづく思いました。  時代が昭和真っ只中なので、現代にそぐわない体罰等の表現も随所にありますが、Z世代にはやはり過激にうつるのかもしれません。ただ、今の10代にも共通するだろう冒険心への共感は得られるのではないかと思いました。

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【たまに映画】当事者とそれ以外『流浪の月』

Amazon primeでずっとスルーしていた作品。その時の気分で見れるかどうかわからない骨太な作品だからだ。 ■『流浪の月』作品情報&予告解説■騒ぐのはそれ以外。映画のストーリーが重たいので見たいと思う時しか勇気が出ない作品と感じていた。たまたまホテルに宿泊しているときに予告を見て、気分だった。小説も未読なので予告情報だけで映画を観た。 その理由は李相日監督作品だったこと。 『フラガール』は大好きな作品ですが、それとは題材も作風も違う骨太な2作品がある。それは『悪人』と

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怪物(映画) 一言で言うと食らっちゃった映画

あらすじ小学生の湊は父を亡くしており、シングルマザーとなった早織によって育てられている。母も愛情を持って育てるが、湊の様子がおかしいことに気づく。いじめを疑う母は学校に事実確認に出向くが……。 メディアを巻き込むほどに事件は大きくなっていき、食い違っていく当事者たちの発言。行方をくらます子どもたち。 彼らは一体どこに向かったのか。怪物とは一体なんのことなのか。 感想とオチ見終わった直後口からでてきたのは、 「食らっちゃったなぁ…」 とにかく映像が美しかった。 群像劇ものは良

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せつなくて・哀しくて・美しい余韻が残る映画『君の名前で僕を呼んで』の感想

ティモシー・シャラメとアーミー・ハマーは私の大好きな俳優さんたち そんな二人が共演した、私にとって夢のようなこの映画は何度観ても エンドロールを見つめながら、いつまでも余韻に浸っていたい作品だ。 『君の名前で僕を呼んで』(原題 Call me by your name) 1980年代の北イタリアが舞台 大学教授の息子・エリオ (ティモシー・シャラメ)と アメリカ人大学院生・オリバー (アミー・ハマー)のひと夏のラブストーリー オリバーが家に到着した時からエリオの心

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『大いなる不在』/声と肉体がもたらす啓示(映画感想文)

ヤングケアラーという言葉どころか認知症という言葉でさえ、ほとんどまだ聞かれることはなかった。「ボケ老人」とあたかもそれが特殊な事例のように誹謗混じりに世間でいわれていた頃、僕は祖父を、それから祖母の面倒を看ている。中学2年の春からだった。 別の家で暮らしていた祖父がある日帰ってこなかった。 翌日保護されて初めて、いわゆる認知症であることが発覚。いっしょに暮らしていた祖母は大事になるまで気付いていなかった。気付かない生活に原因があったと思うのは僕の勝手だ。 父が祖父を引き取ると

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映画『キャラクター』さえない漫画家に生まれた連続殺人犯という”キャラクター”

劇場公開時、タイミングを逃し見そびれていたが気になっていた作品。何か面白そうな映画はないかとNetfrixの作品一覧を眺めていたところで、見つけた。 今回紹介するのは、映画『キャラクター』だ。 作品情報スタッフ/キャスト あらすじ 観た感想作品の内容を知らずに鑑賞したが、面白かった。 ミステリー漫画の犯人を描くキャラクター性に欠けていた主人公の山城は、本物の殺人犯を遭遇し、殺人犯をモデルに漫画を描き始め大ヒット作品を生む。 殺人犯役を演じたのは、今回が映画初出演と

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目の前にいる人の言葉をどのくらい信じる?~フライ ミー トゥ ザ ムーン~

 意外とロマンチックな映画だと聞いてはいたけど、予告だとコメディも入ってそうだし、期待は裏切られなかった。  宇宙飛行士や周りで支える人たちのストーリーが大好き。  向井万起男さんの書いた「君についていこう」や漫画『宇宙兄弟』に夢中になった。テレビ番組「コズミックフロント」も好きでよく観ていた。  宇宙飛行士たちの、人との受け答えを含めてすべてを通して優れているところや、逆にすごく偏った技術屋さんたちの探究心の強さや努力が見えるのが好きで。どちらも自分にはない強さや才能、そ

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仲良し親子の手作りパペットサメ映画!ここまでくると低予算とかそういう次元を越えている「パペットシャーク」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(595日目)

「パペットシャーク」(2022) ブレット•ケリー監督 グレイソン•ケリー監督 チャンス•ケリー監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 超常的な能力をもつ巨大人食いザメの伝説がある湖畔の森を訪れた二人の少年、グレイソンとチャンス。二人はキャンプをしながら人食いザメの伝説を語り合うが、背後には怪しげな影が迫っていた……。(DMMTVより引用) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 低予算にも関わらず、ありえないくらいに壮大なストーリーを展開し

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刺して泣かせる映画感想文―ルックバックのネタバレ解説―

刺さらない理由は、作品が「感情移入」に失敗しただけですが、その刃は「背中」に残っているので、深く刺せば泣かせられるのではないか?上手く泣けなかった人の落涙デトックス出来るのでは? そんなルックバックのネタバレ映画感想文です。きっかけは以下。 引用:自分は刺さらない側の人間だったと知ってしまって、少し悲しくなった(中略)私もこの作品を理解したいんです。お願いします。(名もなき感想屋さん) 悲しむ必要ないです。特に俯瞰で見たり、原作未読だと刺さらない。そういう人には、1)典

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最近みた映画 5作品

ゴジラ-1.0ゴジラ-1.0 これみんなに絶対見た方がいい!と言われていたのに結局映画館に行けず仕舞いでした。アマプラで見れるようになっていたのでやっと見てみました!!わたしゴジラってあんまりみたことないのですが、これは「ゴジラとして」評価が高い映画なんですかね!?ゴジラとしておもしろいか?って言われるとわからないけど、、、評判通り普通に面白かった。 個人的には神木くんと美波ちゃんがよかった!!こういうパニックモノにありがちな、とにかく主要人物がどんどん死んでく奇を衒った

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今までに見た【ホラー映画】300本の中からゾッとしたもの3選!

夏といえばホラー映画!数えてみたらホラー映画だけで今までに300本は見ていました...。1つに絞れなかったので今回は涼しくなる?かもしれない心霊系を3本。ホラーは全体の雰囲気も楽しむものだと思うので感想はいつもより短めに。サクッと見られるようシリーズ物は除外、幽霊系縛りで選びました!有名な作品もありますがまだ見てないものがあればこの暑い時期にぜひ。 ネタバレなし紹介・コンジアム 2018年 / 韓国 監督:チョン・ボムシク ウィ・ハジュン 夜中に1人でもホラー映画見れち

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7/26 金 トム・クルーズ『ザ・エージェント』を見た

1,047字 本日の一文:You complete me. (『ザ・エージェント』より) Show me the money! (『ザ・エージェント』より) ①睡眠22:00-5:00 瞑想10分 ②食べたもの、飲んだもの、サプリ12:00 ・自家製トマトソースの玄米ドリア ・ヨーグルト+バナナ+ハチミツ 16:00 自家製アイス+メロンのコンポート 19:30 ・玄米炒飯 ・キャベツの塩もみ、ごま油和え ・カシューナッツ ・ドライプルーン、ドライデーツ 飲んだも

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映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』月面着陸とPRと資金調達と

■月面着陸とPRと資金調達と◯月に行くことは至上命題になるが、コールもケリーも、目的は同じです。しかし、技術とPRでは分野が違いますし、客観的なデータが必要な世界と嘘が必要な世界ではわかり合えません。コールは嘘が苦手で、ケリーは嘘は得意。この二人が月面着陸を同じ目標として協力し合います。 ◯月に行くためには資金調達が必要になり、そのためにケリーは呼ばれました。やはりお金は必要不可欠なので二人は必死になります。どんな分野でもお金は大切ですし、原動力になります。最初はコールはP

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今年の17本目

今年の17本目、新聞記者、観ました。 東京新聞の記者である望月衣塑子さんの同名ルポルタージュ(?)を原作とし、加計学園問題をはじめとする一連の政治スキャンダルを想起させる映画です。 原作から明らかなように、権力の不正や隠蔽を批判する映画です。でも、フィクションという体裁によって、当局からの圧力や法的リスクを避けてもいます。 あえて荒唐無稽な解釈を持ち出し、現実と創作の境目を意図的にごちゃ混ぜにし、それによって「映画で鬱憤を晴らしたい」と期待する観客を煙に巻きます。 虚

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【映画】『ルックバック』 いつまでも2人、輝いて。

割り引きなしの、みんな一律1,700円。 そもそも映画館に行くことが年に1回あるかないかであって、昨年も『THE FIRST SLAM DUNK』を観たきりだった。(観ようとしていた『劇場版サイコパス Providence』は、もたついてたら終わっていた。) Amazon Primeやネットフリックス等の配信サービスが普及して久しく、映画を観ること自体が私の生活にとっては高級品。 自宅から車で片道30分、暗闇の閉鎖空間で沢山の人と一緒に詰め込まれて約2時間…結構ツラいもの

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ジャック・リヴェット監督『美しき諍い女』論争が巻き起こった問題作

<作品情報> <作品評価> 85点(100点満点) オススメ度 ★★★☆☆ <短評> おいしい水 これは素晴らしいですね。久しぶりに文句なしの傑作に出会ったかもしれないです。ジャック・リヴェット恐るべし。ショート・バージョンもあるらしいですがこれはノーカット版で観るべきです。 4時間の長尺にも関わらず、ムダなカットが一つもないのです。研ぎ澄まされたカットの一つ一つがアート。映像だけでなく音も素晴らしいです。筆の動く音、肉体が動く音、コーヒーの音、全てに意味があります

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