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映画、演劇、音楽を中心にエンターテインメント全般についての発信を続けています。   鎌倉ペンクラブ会員

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    実朝,柿澤勇人さんインタビュー記事

    鎌倉大河ドラマ館でのインタビュー取材でした。

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      • 『First Love 初恋』レビュー

        宇多田ヒカルの楽曲からというふれ込みに惹かれての鑑賞。初めのうち岩井俊二なのか、と受け止めながらボンヤリ観ていたら、3話から突如胸締め付けられる展開となり、5話で号泣。3.11やコロナ禍まで拡がって、いささかやり過ぎ感あるものの、8話まで一気展開で、見応えあり。9話はおまけのサービスエピソードとして視聴者へのプレゼントといった仕立て、というのが個人的理解。恵まれた機会を与えられた監督・脚本の寒竹ゆりは、調べると岩井俊二の教え子とのことで内容納得。もうひとひねりして、恩師を超え

        • 十三代市川團十郎白猿襲名披露公演

          歌舞伎座にて、待望の13代目市川團十郎白猿襲名披露公演。歌舞伎愛好者ネットワークのおかげで昼の勧進帳から観劇で、欣喜雀躍、たっぷり堪能できた。 当代はすっかり芸能人で毀誉褒貶喧しく、チケットの売れ行きからして懸念されたが、いやぁ、やはり團十郎襲名は江戸の華、いいもんです。ご祝儀気分に溢れて満員札止。しばらく自粛されていた大向こうからの掛声も,その筋限定で復活し、賑々しく嬉しい時空だった。 先代,当代とも海老蔵襲名から歌舞伎座に通っている身としては、これを見逃すわけにはいかない

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          • 2022年のボジョレーヌーボ事情

            38年前、七里ヶ浜高校から招請され産休代替教員として赴任するべく高輪から転居して初めは鵠沼藤ヶ谷,江ノ電柳小路駅が最寄りの平家の借家に住んだ。その年の秋、11月第3週木曜日の解禁日にどこの酒屋さんを探してもボジョレーヌーボは見つからなかった。ビックリして1ヶ月後の船便を待てばいいか、と思っていたら、しばらくして当時渡仏していたすぐ下の弟のところに遊びに行っていた高輪の知人が、お土産といってフランスで安価に売られてたから、との情報とともに新酒2本を届けてくれた。2年後鎌倉腰越に

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            小林秀雄「実朝」レビュー

            小林秀雄の「実朝」初読は、中学3年生。『無常という事』という当時の自分にとっては思いっきり背伸びした格闘体験の一篇として出会い、太宰治と同じ歴史的人物への言及に、立ち位置の異なる2人が同じ人物を主題にするなんて、と驚きとともに興味津々で読み進めていたことが本当に懐かしい。授業中に読んでいたところを担任の先生に見咎められ、頭をコツンとされながら、解るのか、と問い質されたことを昨日のことのように思い出す。理解できてはいなかったんだろうな。それでも解ろうとムキになっていた。 その後

            松家仁之『火山のふもとで』レビュー

            松家仁之のデビュー作にして、いきなり名作の誉れをほしいままに高評価された代表作を、故あって10年ぶりに再読かつ精読。きっかけは今秋の軽井沢タリアセン、レーモンド夏の家見学と北軽井沢に保養所を有する跡見学園での講演準備。未だに文庫化されない同書を,より多くに知ってほしい、読んでほしい、との強い想いによるものだった。 本作はこの10年間限定でのマイベスト。これほどに上質で、品格抒情に溢れ,心を温かくそっと包み込んでくれるような読書時間が流れる作品は他に類を見ない。恩師への深い敬

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            映画『生きる LIVING』のレビュー

            第35回東京国際映画祭クロージング作品。カズオ・イシグロが黒澤明の名作を敬意を払って主演ビル・ナイ当てがきでリライト。オリジナルに忠実で、黒澤明ファンをガッカリさせることなく上質なリメイクを実現させている。監督は『Beauty』(2011年)のオリヴァー・ハーマナス。往年の愛好者にとっては『生きる』となれば「ゴンドラの唄」だが、本作ではスコットランド民謡なんだろうか「ナナカマドの木」という楽曲が用いれられていた。抑制の演技が絶妙なビル・ナイ扮する主人公は、オリジナルの志村喬が

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            今泉力哉脚本・監督、稲垣吾郎主演『窓辺にて』レビュー

            第35回東京国際映画祭コンベンション部門観客賞。今泉力哉脚本・監督、稲垣吾郎主演のほか、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来と粒揃いよく、観ている間ずっと心地よかった。今をよく映した会話が秀逸。登場人物ひとりひとりに説得力があり、小説が果たす役割にも触れて、地味ながら見応え十分。あえて難を言うなら、描かれた作品世界は実に日本ローカル。コンペでグランプリにはならないな、と残念ではあるが、観客賞納得の仕上がり。これからの邦画賞レース上位確実の佳品。

            『スペンサー』レビュー

            昨年の第78回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で話題になったクリステン・スチュワートがダイアナ妃に扮した『スペンサー』を映画館鑑賞。冒頭、事実に基づいた寓話とクレジットされて、本作がどんな思いで今製作されたのか、その一点への興味で作品世界へと入り込んだ。魅力は、何と言ってもクリステン・スチュワート。全篇ほぼ独り舞台と評すべき熱演に圧倒される。聞き飽きたダイアナ妃の孤独と苦悩が鮮やかに描かれて、このまま終幕だと苦しいなと辛く受け止めていたら、ラストは救いのあるシーン

            丸谷才一『後鳥羽院』レビュー

            学生時代以来となる約束40年ぶりの再読。ところどころの付箋が懐かしい。 丸谷才一、惚れ惚れするばかりの名人芸!後鳥羽院が,鎌倉期にあってどれほど抜きん出た文人であったかが、幅広く奥深い知性,知識によって明示された一書。定家との鍔迫り合いや実朝への傾倒が達意の名文で解き明かされ、評論ながら詩文を鑑賞しているようなうっとり気分で通読。いま、こんな書き手は皆無だなと文芸の衰退にまで想いが飛んだことだった。義時に敗れ、遠島の身となっても毅然と大家然とし続けた、そのお姿たるや良し! 文

            『嘘八百 なにわ夢の陣』レビュー

            中井貴一、佐々木蔵之介コンビによるシリーズ第3作。幅広いファンに支えられた東映のドル箱作品ながら、個人的には、今まだ人情喜劇か、という旧態依然感が拭えない。安田章大,中村ゆりの新興宗教まがいの詐欺団体設定からして既視感横溢で、どこかしら社会の現況への批判意識があって当然なのに、踏み込み無しが残念。中井貴一扮する古美術商小池則夫が、最終盤、作品主題を総括するがごとき弁舌をふるう場面はシリーズのお決まりではあるものの、文字通り「説教くさい」仕上がりで楽しめない。もっと映像そのもの

            『ブロンド』レビュー

            映画『ブロンド』のレビューを書きました! https://filmarks.com/movies/104105/reviews/141770912 #Filmarks #映画#Brad Pitt 話題沸騰のマリリン・モンロー伝記映画。原作ありゆえ、フィクションとして受け止めた。3時間弱の長尺にして、スピード感皆無。さまざまな風聞,スキャンダルにまみれた伝説的存在の内奥、葛藤が主題となれば、こうなるしかないよな、と納得の重苦しさで、痛み深い仕上がり。マリリン・モンローについて

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            『パリの恋人』レビュー

            スターチャンネルのヘプバーン特集で約50年ぶりのBS鑑賞。 初見の時は『雨に唄えば』の監督なんだな、くらいにしか受け止めてなかったような気がするけど、今回の驚きは、ここに『マイ・フェア・レディ』の原形があったんだ、ということ。なんでもない書店の店員が高級雑誌のモデルになって、スカウトしたカメラマンに恋をする。まさにイライザとビギンズ!ストーリーをあれこれ言う作品ではない。ヘプバーンとジバンシーのコラボの初発とガーシュインの音楽とをオシャレ気分で味わい、楽しむ一本。画像処理もし

            吉本隆明『源実朝』レビュー

            吉本隆明『源実朝』、ちくま日本詩人選再々読、読了。前半部は進行中の大河ドラマ参考文献として興味深く、吾妻鑑と愚管抄との訳文並列に学ぶこと多し。中盤からは「共同幻想論』の筆者にして現代詩を牽引したひとりとしての真骨頂発露の実朝作品論評で読み応え十分。恩師鈴木日出男の「心物対応構造」を思い返しつつ、さまざまに刺激されながら頁を繰った。 実朝がどれほど畠山重忠や和田義盛を深く想っていたか、また、彼らの惨劇をじっと凝視していた北条泰時の思想が「御成敗式目」にどう反映されていたかにも言

            『ガリレオ』新作『沈黙のパレード』レビュー

            映画『沈黙のパレード』のレビューを書きました!https://filmarks.com/movies/98070/reviews/141033298 #Filmarks #映画#福山雅治#ガリレオ 懐かしのコンビ復活再来に、原作未読、事前情報に極力耳ふさぐよう努めて初日劇場鑑賞。お決まりの謎解きアクションを排した人情群像劇の仕立てで、湯川学というより加賀恭一郎、という印象の仕上がり。展開に錯綜感希薄で、福田靖の脚本は円滑ながら、あまりに淡白。難解さを遠ざけたことで、ワクワク

            是枝裕和監督の憂慮と日本映画の明日

            令和4年9月11日の東京新聞朝刊こちら特報部に、是枝裕和監督へのインタビュー記事が掲載されている。 つい先日ベネチア国際映画祭の会場で、イタリアの映画専門誌とローマ教皇庁などが贈る「ロベール・ブレッソン賞」を受賞した是枝裕和監督の喜び談ではなく、日本映画界の現況と明日への憂慮を語る内容で、読みながら深く共鳴した。 実際、ここ2年間のコロナ禍で配信鑑賞がより一般化し、韓流作品の質の高さを体感させられ、改めて大きく水を開けられた韓国映画と日本映画の差異に歎息するばかりだったので、

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