No.80  『アークス 』  集中と分散の均衡

小売業界に縁の遠い人でも、中内功の名前は知っているだろう。小さな薬局店から創業した中内氏は、かつて流通業界で国内トップのダイエーを一代で築き上げ、スーパーマーケット(GMS)というカテゴリーを日本に根付かせた人物である。電機業界の松下幸之助や自動車業界の本田宗一郎らと肩を並べる歴史的な経営者と表現しても大げさではないだろう。

アークスの横山清社長は食品スーパー業界の名物経営者なのかもしれない。北

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No.79  『ロイヤルHD』  業績予想に見る優れたリスク対応力

新型コロナウイルス感染症の影響を業績予想に織り込む企業を初めて見た。2月18日に決算説明会を開いたロイヤルホールディングス(HD)である。2020年12月期の業績見通しは売上高1,390億円(前年比▲1%)、営業利益40億円(同▲14%)。このうち、現時点で想定しうるマイナスインパクトとして売上高で22億円、営業利益で11億円をそれぞれ織り込んでいる。

ロイヤルHDの主な事業別の売上高構成比は、

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No.78  「ファーマフーズ』  風が吹いた

筋肥大を目指す者にとって、最も重要なルールのひとつが「オーバーロード(過負荷)の原理」である。例えば、ダンベルプレスで大胸筋を鍛える場合、15回も20回も楽々と持ち上げられる重量を扱うのではなく、8回くらいで限界を迎えるようなきつい負荷を与える方が効果は大きい(もっとも、最近の筋トレ業界では軽い負荷で多くの回数を持ち上げても筋肥大の効果が見込めるとの説もあるらしい)。

しかし、原理に則ったトレー

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No.77  『私的なこと』  羽賀さんを偲ぶ

職場の先輩を過去に亡くしたことがある。羽賀誠という人だ。信託銀行系の投資顧問会社でわたしが働いていた当時、野村アセットマネジメントから中途入社してきたファンドマネージャーだった。電機業界を中心にわたしがリサーチを担当し、羽賀さんがファンドを運用する二人三脚は、これまでのキャリアの中でも特に思い出に残る時間であった。

わたしが信託銀行のアナリストチームに移った後、羽賀さんはヘッジファンドに転職した

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No.76  『朝日インテック』  異業種から医療分野へ参入した成功事例

私ごとではあるが、76歳になる母が去年、不整脈の治療で手術を受けた。開腹して心臓にメスを入れるのかと心配したが、実際にはプラスチックストローを極細にしたような管を、太ももの血管からスルスルと挿入して患部を処置するごく簡単な手術であった。身体への負担も軽く、わずか5日程度で退院できたと思う。おかげさまで今ではすっかり全快した。

母の受けた手術を一般的に『カテーテル治療』と呼ぶ。これはもうご存知かも

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No.75  『岩谷産業』  FCVは世の中に必要なものになるか

岩谷産業にとってカセットコンロは単なる象徴ではない。全社の業績にもちゃんと貢献している。決算説明資料から推測するに、コンロとボンベの売上規模はおよそ200億円。2020年3期の全社売上高が7,473億円(前年比+4.5%)の見通しだから、割合としては極めて小さい。だが、増益への寄与度となると存在感が違ってくる。全社営業利益の計画は305億円(前年比+15.3%)。前年からの増益額が40億円だが、こ

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No.74  『アルビス』  北陸を制する企業

アルビスは北陸を地盤とする食品スーパーだ。売上規模は820億円。業界では中堅に位置づけられる。直近の店舗数は61店で、『アルビス』ブランドの店舗数が57店、2019年4月に買収した『オレンジマート』ブランドの店舗数が4店。地域別では富山県が37店舗で最も多く、次いで石川県が19店舗、福井県が4店舗、岐阜県が1店舗という内訳だ。北陸出身の方には馴染みのスーパーかもしれない。

『アルビス』という耳慣

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No.73  『すかいらーくHD』  試行錯誤が続く

すかいらーくHDの2020年度の会社計画は3,830億円(前期比+2%)、営業利益は205億円(同▲0.3%)。外食上場企業ではゼンショーHDに次いで第2位の売上規模ながら、調べてみると4期連続で減益の冴えない見通しである。

なかなか思い通りには行かないものだ。なにより既存店の稼ぐ力に元気がない。人件費の上昇を吸収しようと客単価を上げたら客数が落ちてしまう。ということで、客数を回復させるために客

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No.72  『セルソース』  再生医療の大きな山に挑む

箱根駅伝で『三代目山の神』と呼ばれた神野大地は現在、プロランナーとして活動している。彼と所属契約を結んでいるのが、再生医療関連事業を手がける『セルソース』という会社だ。2019年10月に東証マザーズに上場したばかりの新星である。セルソースが神野大地のサポートを選んだのは、プロランナーとしてマラソンの世界へ果敢に挑む彼の姿を、再生医療の世界に挑戦する自社と重ね合わせたからだろう。また、そもそも再生医

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No.71  『リコー』  企業体質の変化を感じる

2月7日に発表された第3四半期(10-12月期)の決算は株式市場からネガティブと受け止められた。同期間の営業利益は207億円(前年同期比▲24%)。事前のアナリスト予想は300億円前後とみられる。会社想定に対しても30億円の下振れとなったようだ。

リコーのセグメントで言うところのオフィスプリンティング(複合機やトナー等の販売)がマイナスに働いた。消費増税の反動減や米中貿易摩擦の影響が予想以上とし

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