アクション小説

梔子とヤブルー(3/5)

梔子とヤブルー(3/5)

<1/5 2/5 3/5 4/5 5/5> 3/5 バン!  すさまじい轟音と共に閃光が炸裂した。  永久はマネキンの硬くて冷たい腕の中に抱かれていた。人間なら一時的に失明もしくは気絶しているが、花切が耳と目を覆ったおかげでかろうじて意識を保っていた。  向こうでは車椅子が倒れ、酉田が床に伏している。 「議長!」  そちらに向かおうとした永久の頭に硬いものが押し付けられた。「天外市警」と書かれたボディアーマーにフルフェイスヘルメット姿の特殊部隊が、彼女にサブマシンガ

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ジコマンキング英雄伝〜仮面武踏会:第三十話〜

ジコマンキング英雄伝〜仮面武踏会:第三十話〜

前回のあらすじ ランキングに入っているプレイヤーを狙う3人組。ジコマンキングは抵抗虚しく倒されてしまう。絶対絶命のその時、駆けつけたのは親友であった。 シドか、久しぶりに会うな。再会がまさかこんな形だとは。だが、何故ここにいるんだ? 「相棒、とりあえず待ってろ!話はこいつらをボコボコにした後だ。」 3人組の1人が目の前に出て銃をシドに突きつける。 「おいお前、いきなり出てきて挨拶のひとつもなしかい?部外者は引っ込んでな。」 シドは銃を向けられるが動じない。それどこ

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宇宙人ビンズとお菓子の惑星

宇宙人ビンズとお菓子の惑星

お菓子を腹一杯食べたい。我が友、ビンズが新聞を読みながらそう呟いた。私の名はベーリッヒ。私とビンズは惑星テコヘンという星の「惑星調査団」の一員だ。様々な惑星に向かっては現地を調べ、そのデータを元にテコヘンの科学技術を上げるための手助けをするのが我々の使命だ。しかし、我が友ビンズはお気楽な奴だ。仕事はしてなくはないが、側からみれば遊んでいることが大半だ。たしかに我々は宇宙船により惑星の行き来が容易で、国から調査のためどこへでも行っていいというお墨付きがある。だが、それを良いこと

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ジコマンキング英雄伝〜仮面武踏会:第二十九話〜

ジコマンキング英雄伝〜仮面武踏会:第二十九話〜

ルードロンとの激闘の後、ジコマンキングはゲーム主催トップであるウイルドと荒武者であるマサムネと出会いゲームを止める為戦うが敢えなく撃破される。その後ゲームにてランキング制度が確立し、ジコマンキングもクリエイト仮面の名で10位にランクイン。このランキング制度が悲劇の始まりであった。 食い過ぎた。あの後ランキング入りを祝してパーティをしたが、まさかパトロールに駆り出されるとは。私とロッフは夜、街の交差点周囲を仮面をつけて見回りしていた。 「こんなど真ん中でもパトロールか。プレ

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冥道血風録~幕末に舞うメイド服~

冥道血風録~幕末に舞うメイド服~

伏龍・地摺り斬月 ①  皐月も半ば、夜も更けた亥三つ(午後十一時)頃。梅雨の合間を、月が照らす夜。京の都三条大路を小走りに進む、不可思議な一団がいた。  濃紺の長襦袢に白の奇怪な形をした前掛けを合わせ、頭には異様な形をした大髪留めを着用している。隊列の誰もが奥女中に推挙できるほどの器量良しであり、歩調には一切の乱れがなかった。  彼女たちは何者であろうか。今は急場故、説明は後ほどとする。彼女たちは朝に夕に京を護る戦乙女であり、此度は急報を得て西大路にある旅館桜屋へと突き進

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義太夫戦記~戦闘蠱毒・抜天之島~

義太夫戦記~戦闘蠱毒・抜天之島~

 抜天、と呼ばれる島があった。日本本土から南に一千海里。かつて流刑地として扱われたその島は、棄民の果てに本土から切り離され、果てのない戦場となった。  抜天の地にはなにもない。暦も、単位も、昼夜の別も、法律も、平和も、教育も、やすらぎもない。男も死ぬ。女も死ぬ。いや、九割は死に、一割は犯される。だが犯されて孕めば身動きが取れずに死に、万に一つ……いや、億に一つ子をなせたとしても結局は死ぬ。  死に死に死にて、人が減る。すると本土からまた罪人や棄民が送られる。すると人口が増え

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抜天戦侠歌①

抜天戦侠歌①

グランドプロローグ:野獣は抜天に咆哮し、浄瑠璃楓は知られざる同族と邂逅する  その日の抜天島は、大荒れだった。朝から稲光が鳴り止まず、空は常に黒雲を蓄えていた。しとしとと雨が降り続き、ほとんどの生命体が物陰に潜み、時が過ぎるのを待ちわびていた。本土から南方一千海里の流刑島。流人・罪人・いくさ人が戦闘蠱毒を織り成すこの島には珍しい、奇妙な平和が訪れていた。  しかし、島のある一点においてのみは、様相が違った。「ぬの十」地区。空から見ると「ばってん」を描く、抜天島の南西端。身

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マングローブの龍

マングローブの龍

内容紹介 テーマはかつてギネス・ワールド・レコーズに史上最悪の獣害と記載された1945年の日本軍ラムリー島鰐事件。現存資料を精査し、書きおろしたリアリティー・ウォー・アクション・ノーベル。著者自身により英訳され2006年に国際出版された作品のオリジナル・オーサーズ・カット。 2006年度第7回小学館文庫小説賞最終選考優秀作。 2019年度第4回文芸社出版賞銀賞受賞。 400字詰め原稿用紙換算枚数:280枚  昭和20年1月、連合軍の全面的反攻にさらされ敗色濃厚となったビル

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飛ぶトナカイ

飛ぶトナカイ

内容紹介  昭和13年、ノモンハン事件に動員された富樫要。しかし部隊はあえなく全滅。唯一の生存者となり、生死の境をさまよっているところを、撤退中の部隊のひとり、伊藤に救出される。常勝、無敵の日本陸軍にとって不名誉きわまる全滅と敗走、その生き証人となったふたりは後日、口封じのため機密保護をつかさどる憲兵にされ、樺太国境地帯、佐野軍曹率いる古屯特設調査隊という謎の組織に配属された。  任務は、管内で暗躍する朝鮮人スパイを捕捉すること、そして軍に徴用された先住民とともにトナカイで国

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Her usual work in Thun Pak Port

Her usual work in Thun Pak Port

あー、しくったわ。 アンジェラは露天商の立ち並ぶ路地を駆け抜けながら先ほどのまさかの失態を思い出していた。 トゥンパク港を牛耳るマフィア、「トゥンパク港連携協議会(T.C.C)」のボスと愛人関係になるまで持ち込み、ボスの寝床の枕元に隠してある奴らの裏帳簿データをメモリーカードに丸ごと頂戴したのはいいものの、寝室でばったり本妻と出くわすとは。 花売りの手押し車をひょいと飛び越えながら、イヤリングに仕込んだ通信機を起動させる。 ザザッ、と多少のノイズが混じるが、どうにか通信

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