海雲 大輝

しがない物書きです。 「王神愁位伝(おうしんしゅういでん)」という小説を投稿してます。…

海雲 大輝

しがない物書きです。 「王神愁位伝(おうしんしゅういでん)」という小説を投稿してます。 少しでも気になれば読んでみてください。 Instagramでは、「王神愁位伝」関連のイラストも投稿してます。

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  • 【連載小説①】王神愁位伝 ー第1章 太陽のコウモリー

    太陽族・月族に分かれ、争いの絶えないこの世界。 記憶を失くした非力な少年”幸十”は、月族の奴隷として虐げられる日々を過ごしていた。 "とある出来事"で、月族領地から抜け出した幸十。 たどり着いた行き先は、少年に新しい世界を見せるのであった。

  • 【連載小説⓪】王神愁位伝 ープロローグー (完)

    太陽族・月族に分かれ、争いの絶えないこの世界。 名前のない非力な少年は、月族の奴隷として虐げられる日々を過ごしていた。 奴隷として暮らす中、自分が誰なのか・どこから来たのか・どうして奴隷となったのか、何も分からない少年。 しかし、とある出来事がきっかけで少年の日常はがらりと変化し、戦争の渦にどんどん飲み込まれ、この世界を大きく揺れ動かしていく…。

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王神愁位伝 プロローグ あとがき

あとがき:はじめまして。 はじめまして。 海雲 大輝と申します。 日頃は、平凡な会社員として働いてます。 時間を見つけながら、週に1~2ペースで【王神愁位伝】という小説を細々と投稿してます。 noteを始めて約3カ月経ちました。 連載している小説【王神愁位伝】の”プロローグ”が完結しまして、この節目にご挨拶とお礼がしたいなと思い、「あとがき」という形でいれました。 まずは、この作品を読んでくださる方々、本当にありがとうございます。 「スキ」「フォロー」「コメント」頂け

    • 王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第12話

      第12話 太陽のコウモリたち-2-ーー前回ーー ーーーーーー 「おーーーまーーえーーーー!!本当に隊長としての自覚があんのかよ!?ただでさえ、ロストチャイルドの件で孤立した状態の今、こんな事して揚げ足取られたらどうするんだよ!そうしたらこの弱小部隊なんて即終わりなんだぞ!?!おい!!」 バンが坂上に怒りをぶつけている隣で、緑色の瞳をした女性が幸十に近づきじっと見た。 「ふーーん。それにしても本当に治療うけたの?凄い傷だらけよ?」 「やっぱりさっちゃん、医療室で酷い仕打ち

      • 王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第11話

        第11話 太陽のコウモリたち-1-ーー前回ーー ーーーーーー ”じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・” ”つんつん” 「おおう!?なんやこいつ!何しても無表情や!!ほれ!ほれ!」 「何してるんだよ。洋一。馬鹿がもっと馬鹿にみえるぞ。・・・そもそも、誰ですか?坂上さん。」 「あら~、すごい鮮やかなオレンジ色の髪ねぇ。太陽の申し子みたい。」 「へへっ!俺はいち早くさっちゃんに会ってたからね!!」 「ーはぁぁぁぁぁああ・・・」 ここは雲の宮殿。別名、コウモリ

        • 王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第10話

          第10話 コウモリの洞窟ーー前回ーー ーーーーーー 正門を出ると、何やら怪しい建物が見えてきた。 ”ーモワァァアン” 薄いグレーと暗い水色を基調とした建物だが、見た目はどこか暗い洞窟を思い出させる。建物からは、呪われているのではと感じるような、何やら黒い靄が出ており、鬱蒼としている。 誰しも近づくことをためらいそうな、キラキラと輝く太陽城に似つかわしくない一角だ。 その建物が見えてきたところで、坂上は足を止めた。 「ーそして、ここが3つ目の建物、”雲の宮殿”です。・・

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        王神愁位伝 プロローグ あとがき

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        • 【連載小説①】王神愁位伝 ー第1章 太陽のコウモリー
          12本
        • 【連載小説⓪】王神愁位伝 ープロローグー (完)
          16本

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          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第9話

          第9話 太陽城ーー前回ーー ーーーーーー ”カツン…カツン…カツン” 坂上は幸十の肩を持ち、半ば強引に医療室を出た。 部屋を出ると、部屋とは反対側の壁が一面ステンドグラスで作られており、外からの太陽の光で廊下に彩りをもたらしていた。 医療室を出た事のない幸十にとって、その光景は今までに見た事のない光景だ。今まで暮らしてきた環境では、いつも暗くこんなに光が照らされた場所を見たのは初めてだった。 「ー!」 廊下に出た瞬間、幸十は思わず立ち止まって目を見開く。 これでもかとい

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第9話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第8話

          第8話 部長VS隊長ーー前回ーー ーーーーーー ”じーーーーーーーーー・・・。” 幸十が太陽城に来て、1か月経っていた。 ”じーーーーーーーーー・・・。” 幸十は、身体の状態も少しずつ回復してきていた。 長年刻み込まれた傷跡は、薬を塗って消えるものでは無かったが、体調の方は良好であった。 また、周囲のことも少しずつ分かって来ていた。 幸十がいるこの部屋は、太陽城の医療室であること。 医療室は、太陽城の研究部医療班の管轄であった。医療班の班長は、メリー。 他に医者も数人

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第8話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第7話

          第7話 拾い主 ーー前回ーー ーーーーーー 「・・・騒がしいと思ったら。戻ってましたか、琥樹くん。」 「あ!坂上さん!!」 いつの間にか、カーテンの横にとある男性が立っていた。 スラっとした高身長の体系も特徴的ではあるものの、茶色の艶やかな長髪と、深い水色の瞳はなにより特徴的であった。 肩には、頭に包帯を巻きつけた黒猫がのっかっていた。 「傷だらけですね。任務ご苦労様です。治療は受けましたか?」 「坂上さんまで痛くて怖い治療受けろっていうの・・・?」 涙を流し、坂上

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第7話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第6話

          第6話 太陽の医療班 ーー前回ーー ーーーーーー オレンジ髪の少年が盛大にベッドから落ちると、目の前にタマゴの様な3人と、頭に包帯を巻いた少年が現れた。 茶髪の少年は、何かしたのだろうか。身体は傷だらけであり、身に着けている深いオレンジと紫紺の服もビリビリに破れていた。 深い茶色の髪色に丸いフォルムの髪型が特徴で、右耳には、琥珀色の雫のイヤリングがキラリと光った。 その少年は、ベッドから転がり落ちるオレンジ髪の少年を見て驚いた表情をした。 「え、誰?」 「班長~♪班長

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第6話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第5話

          第5話 目覚め ーー前回ーー ーーーーーー ー真っ暗闇。 何処を見ても真っ暗であり、自分の身体さえ見えない。 (ここは・・・どこだろう。) その問いかけに誰も答えることもなく、辺りはシーンと静まり返っている。 ”無の空間”。その言葉が相応しく感じる。 ”ジャラっ” 動こうとすれば、鎖のようなもので拘束されており動けない。 (・・何が・・・どうなって・・・) 考えれば考えるほど分からなくなっていく。 (・・・・・っ) 実態のない姿。何を問えばいいのかも分からない。

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第5話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第4話

          第4話 マダムと少年 ーー前回ーー ーーーーーー 坂上たちは慎重に声のする方に向かうと、谷が見えてきた。 谷の壁には大きな傷がついている。これが老婆が言っていた谷であろう。 ”キィィィィィィイイイイイイイ!!” 同時に、先ほどの耳障りな鳴き声が坂上の耳に入ってきた。 あまり聞きすぎると、耳を傷めそうな声。坂上たちは鳴き声が聞こえる方へ目をやると、白いトカゲのような大きな怪物が複数体いた。 手は鎌のような形をしており、不気味な赤い鋭い目と大きな口から覗かせる大量の鋭い

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第4話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第3話

          第3話 太陽の落としものー 前回 ー ーーーーー 街から歩いて数分。 街はそこまで広くはなく、少し歩くと森が広がっている。 山や川が流れ、戦争など起きてなければせせらぎを感じられる絶好の場所だ。 老婆たちの家は、街と森との境に位置していた。質素ではあるものの、しっかりとしたレンガ造りの家である。 家は広いとは言えないものの、2~3人が住むには必要最低限の大きさではあった。入ってすぐ大きな机と4つの椅子があり、そこに座るように坂上は言われた。 「ここにはお孫さんと二人です

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第3話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第2話

          第2話 小さな通報者ー 前回 ー ーーーーー ”チャポン” 「ーふう。やっぱりこの湖は大きいですね。城から陸まで行くのに30分も乗らないといけないとは・・・。久々に外に出ましたが、疲れます。」 バンという男性に怒声を浴びながら出航した坂上。城を囲う大きな湖を、専用の船で渡って約30分。𦪷が設定した通り、城から東側に船はついた。 船から陸に上がると、空になった船は独りでにまた城に向かって帰っていく。そんな船を見て、深い水色の瞳を細くし、坂上はにこっと微笑んだ。 「んー、や

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第2話

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第1話

          第1話 出航ー 前回 ー ーーーーー ”ジリジリジリ” 雲一つ見当たらない空に、太陽が煌めくこの土地。 ここは、右腕に太陽の刻印をもつ太陽族の領地である。 温度は時間が経つにつれ、ぐんぐん上がっていく。しかし、灼熱の暑さではなく、温かく包み込むような心地の良い暑さを太陽は人々に与えていた。 そんな土地の中心の中心。 そこには大きな湖が広がり、中心には豪勢な城がそびえたっていた。 その城は黄色を基調とし、所々オレンジ色や水色などの配色がされ、まるで天に浮かぶ太陽をそのまま

          王神愁位伝 第1章【太陽のコウモリ】 第1話

          王神愁位伝 プロローグ 最終話

          最終話 天を貫く一筋の光ー 前回 ー ーーーーー ”グツグツグツ・・・” うっすら開くまぶた。やけに重い。 まぶたに身体の全体重が乗せられているのではないかと思うほどだ。 意識も混沌としており、今すぐにでもまた眠ってしまいそうだ。 「・・・っう」 幸十が目を覚ますと、何やら薄暗い部屋にいた。 薄暗くはあるものの、真っ暗ではない。目を凝らせば何があるのか分かる程度ではある。しかし、身体が傷だらけで限界に近い幸十は、視界もおぼつかない状態であった。 ーここはどこなのか・・・

          王神愁位伝 プロローグ 最終話

          王神愁位伝 プロローグ 第14話

          第14話 叫びー 前回 ー ーーーーー 「この・・・下等種族共がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!」 爛の物凄い雄たけびと共に一気に間合いを詰められた幸十は、首を捕まれ、そのまま地面から持ち上げられた。 流石の幸十も表情を苦しくし、爛の手を離そうとしても尋常ではない力で締め付けられ、全くびくともしない。 「幸十!!・・・爛!!やめて!!」 志都の呼びかけにも、一切見向きもしない爛。幸十の首を掴む腕にはいくつもの筋が入り、反対の腕の2倍ほどの大きさになってい

          王神愁位伝 プロローグ 第14話

          王神愁位伝 プロローグ 第13話

          第13話 憎しみの怒鳴り声ー 前回 ー ーーーーー 志都のいる西塔。 部屋にはオレンジ髪の少年、幸十がいた。 ”カタっ” 「!!」 階段の方から何か物音が聞こえ、幸十は咄嗟に気づき立ち上がる。 「幸十?」 呼びかける志都に、静かにするように人差し指を立てた。 「誰かいる。」 驚く志都に、幸十は少しづつ扉に近づき耳をつけると、目を閉じ階段のほうからの微かな物音を聞いた。 ー爛か、狼たちか。それにしては、やけに静かだ。 幸十は思い切って扉を開く。 ”ガチャ!” 「!!」

          王神愁位伝 プロローグ 第13話