久納 一湖

team hattari 📖🖊💻🎤小説を書き、本を作り、イベントで出品してます。 本は…

久納 一湖

team hattari 📖🖊💻🎤小説を書き、本を作り、イベントで出品してます。 本はSFアクションとBLがあります。 9/23開催のJ.GARDEN56参加します 投稿サイトなどhttps://profu.link/u/team8attari ※記事の無断転載禁止

マガジン

  • BL小説『音色と歌声』

    BL小説『音色と歌声』 陣野秋人は社会人バンドでボーカルを担当する大学1年生。これまでも卓越したボーカルスキルでどんな観客も魅了してきた。 だが、いくら音楽仲間や観客の歓声を浴びても、秋人の気持ちは満足しなかった。彼にとって唯一足りないもの、それは幼馴染である夏焼海斗が奏でるピアノ、声、存在そのものだった。 だが海斗には冬川という友達以上の存在がいて……。 「欲しいものには名前書いておかねぇと、あっという間に無くなるぜ」 札幌の街から不器用な気持ちを歌に乗せて届ける、音楽あり、青春ありの片想いボーイズラブ。 #幼馴染 #失恋片思い #ボーカリスト •全年齢(性描写なし) •約23000文字 •関連作品『hiri hiri』https://note.com/clean_plover491/n/n4afd88df4bf2

  • 【イベント参加情報】◯月◯日に◯◯で同人誌を出品します。

    同人誌即売会のお知らせやレポ記事です。 主に文学フリマの出店情報をまとめています。 画像イラスト:ハルサカ様

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“スマホが出てこないことで生まれるエモさ”を目指したBL小説登場キャラの足跡をめぐる記事(文学フリマ東京38)

2024.5.19(sun) 文学フリマ東京38に出店するので、新作本の紹介です。 当日は第二展示場の【くー38】におります。 二人の高校生の青春BLストーリーになってます。よりエモさを出すため、作中からスマホを無くしました。そういう距離があるほうが、もどかしさや“想い”の点でいい表現ができるかなと思ったからです。 片想いの基本は「あの人、いまごろなにしてるんだろー」です。石川梨華ちゃんがザ☆ピースで歌ってるから間違いないです。 想いを馳せる時間が気持ち(愛)を育むと作

    • 本のイベントでるよ。 #JGARDEN56 #J庭56 #創作BL メインは微BLでSFも持っていくよ。 遊びに来てね!(パンフレット購入必須です)

      • 日本の人口が一億二千人くらいなのに、文学賞に応募されてる作品数って1000から2000くらいなの?少なくない??万単位かと思ってた。応募しよ。

        • 作品のバージョンアップのために、現地に行ってきました。帰って作業します。小説同人誌『音色と歌声』は12月文学フリマ東京39にて発行予定です。

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        “スマホが出てこないことで生まれるエモさ”を目指したBL小説登場キャラの足跡をめぐる記事(文学フリマ東京38)

        • 本のイベントでるよ。 #JGARDEN56 #J庭56 #創作BL メインは微BLでSFも持っていくよ。 遊びに来てね!(パンフレット購入必須です)

        • 日本の人口が一億二千人くらいなのに、文学賞に応募されてる作品数って1000から2000くらいなの?少なくない??万単位かと思ってた。応募しよ。

        • 作品のバージョンアップのために、現地に行ってきました。帰って作業します。小説同人誌『音色と歌声』は12月文学フリマ東京39にて発行予定です。

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        • BL小説『音色と歌声』
          12本
        • 【イベント参加情報】◯月◯日に◯◯で同人誌を出品します。
          16本

        記事

          【今後の本イベント】 9/23 J.GARDEN56 12/1 文学フリマ東京39 1/19 文学フリマ京都9 BL小説とSF小説があるよ📚お楽しみに。

          【今後の本イベント】 9/23 J.GARDEN56 12/1 文学フリマ東京39 1/19 文学フリマ京都9 BL小説とSF小説があるよ📚お楽しみに。

          8.小説でエロを書く時の表現について

          たまにですね、作品によっては大人な、アダルトなシーンを書く時あるじゃないですか。そういう時って何を大事にして書いてるんだろうって思うんですね。 登場人物の関係性とかによって変わってくると思うけど、自分の場合はセックスの描写を極力避けて書いてる自覚がある。というより、必要性を感じられない。 覚えているうちで最初にそういうシーンを書こうと思ったのは2006年ごろで、いわゆる恋愛モノだった。流れでそのシーンが必要になったが、「電気、消して」だけで終わった。たぶんそれ以降、エロが出

          8.小説でエロを書く時の表現について

          『音色と歌声』 最終話

           するとおまえは、少し俯きながら口を開いた。 「でも、変じゃねぇかな?」 「なにが?」 「……そーいう関係」 「なんで。変じゃねぇよ。それに、今更気にすることかよ。むしろいいじゃねーか。おれは羨ましいと思う」 「だけどさ、自分で言ったけど〝付き合う〟がよくわからないんだ」  おまえは苦笑いして頬を掻いた。  そんな正解がないモン、俺もわかんねーよ。  でもよ、考えてみろ。世の中に飽きるほど恋愛ソングが溢れてるってことは、つまり誰にもわからないんだろう。みんな探してんだよ。試

          『音色と歌声』 最終話

          『音色と歌声』 第11話

          〝ステージ〟のことを思い返していると、突然茂みから人が飛び出してきたからおれは悲鳴を上げた。 「秋人ぉー! やっぱここか!」  っておまえが顔を出した。ざっくざくと茂みを乗り越えて、こっちにやって来る。 「なにやってんだよ。次の講義に遅れるぞ。あ、教員には雅也がゴマカシ入れてたから大丈夫だと思う!」  おまえはそう言って、おれの隣に座った。  雅也の奴、気が利くじゃん。おれは、おまえの頭に乗ってた葉っぱを取ってから「そーいう気分じゃねーわ」って言って葉っぱを千切って捨てた。

          『音色と歌声』 第11話

          『音色と歌声』 第10話

           ◇ ◇ ◇    翌朝、無事に自室で目を覚ましたおれは、大学に行こうか少し悩んだ。やっぱり寝坊したからだ。そして昨晩自分がしでかしたことを思い出す。あぁー、あいつ怒ってるかなー。 「酔っぱらっててごめん」って言ったら笑ってくれっかなぁ。呆れるか?  とりあえず大学行くか。暇だし。  午前の授業はとっくに終わっていて、着いたら昼を回っていた。学食も混んでる時間だし、タイミング悪かったなと思いながら、おれは次の講義までの間、校舎を歩いて回った。そういえば、大学内をゆっくり見て

          『音色と歌声』 第10話

          『音色と歌声』 第9話

           ワンコーラス歌い終わると、おれは何も考えずに、余韻を逃がさないように、後ろから両手を回しておまえにのしかかった。おまえは笑って、「秋人、すーごい邪魔」って言った。 「でも良い音だっただろ」 「うん。よくわかんないけど良かった。でもどけよなー」  おまえはわざと拳をつくって、おれの頭にゴリゴリ当ててきた。 「もっと」 「は?」おまえはなぜか、戸惑いながら拳でおれの頭をコツコツ殴打してきた。「こう?」じゃねえよ。おれはお前の手を押さえた。 「ちがう。もっと呼べ」 「え?」 「

          『音色と歌声』 第9話

          『音色と歌声』 第8話

          ◇ ◇ ◇  インターフォンを連打すると、部屋の電気が付くのが見えた。しばらくしても人が出てくる気配がないから、おれは呼んでみることにした。 「カーイトぉーー。あーけてぇぇぇぇ」  カーイトー、カイトー、って何回か呼んだ。すると、ガチャっと玄関が開いた。グレーのスエットを着たおまえは眠そうな顔をして、目を擦りながら俺を一度睨んだ。おれは「おみやげぇ」と言って、おまえにハーゲンダッツを押し付けて、部屋に入った。 「どうしたんだよ、こんな遅くに。バンドの人たちは?」  おまえ

          『音色と歌声』 第8話

          『音色と歌声』 第7話

           ◇ ◇ ◇  ライブが終わると、おれは客席に顔を出して雅也たちと少し話した。客としておれの歌を聞くのは初めてだったから、すごかったって喜んでくれた。頑張って練習した甲斐があったよ。冬川ですら、拍手喝采で駆け寄って来た。純粋に嬉しかった。おまえとも少し会話したけど、気づけば知らない奴らにどんどん囲まれていった。  一緒に写真を撮って、だのなんなの頼まれたけど、おれは全部断った。厚化粧の女の子が何語かわからない言葉で話しかけてきたから、おれはすかさずメンバーの米山さんの背後に

          『音色と歌声』 第7話

          『音色と歌声』 第6話

           拍手の音が、途切れ、とぎれ。暗転。背中の毛細血管がチリチリ粟立つ。  円陣組んで、無音の中。おれたちはステージに向かった。  薄暗く。スモークが怪しく漂って。次第に輪郭が浮かび上がってくる。  最前列に雅也たち三人と雅也の彼女。思い出した、梢だ。ニヤけ顔を向けているから、おれも笑みをそっちに流した。真ん中らへんに田口青葉がいる。ハイテーブルの近くだ。本当に目立つな、隣に山本くんか。  そして後方にはおまえがいた。おまえ、けっこう背高いから、遠慮して後ろにいるんだろ。冬川が

          『音色と歌声』 第6話

          『音色と歌声』 第5話

          ◇ ◇ ◇  ライブ当日になった。狸小路にあるライブハウスで対バン参加だ。申込や手続き諸々はリーダーの米山さんが済ませてくれて、おれたちは楽屋にいた。ほかのバンドもいるから超狭いんだけどね。どのバンドもけっこう年いってたから、大学生のおれは逆に目立っていた。  この日はオールディーズのカバーバンドと、アニソンカバーバンド、おれたちみたいなオリジナルのバンドの参加でジャンルが豊富だったから、客も飽きないだろうなって思った。  貴重品を金庫に入れて、おれたちはリハーサルに向か

          『音色と歌声』 第5話

          『音色と歌声』 第4話

           ◇ ◇ ◇  知ってるか? この世界って、本当は無音なんだよ。音なんて存在しないの。  おれたちの鼓膜が震えて、頭ん中で電気信号に変えてるだけ。  だからふだん聞こえてる音なんて、あってないようなもんだよな。  おれはずーっと、無音の中にいた。  自分にとって〝良い音〟と〝そうでない音〟を無意識に選別している内に、おれの世界は次第に無音になっていた。  そんな中で唯一、おれの脳内に電気信号を流しまくるやつがいた。こっちがシャットアウトしても勢いで信号を流し込んでくる。

          『音色と歌声』 第4話

          『音色と歌声』 第3話

           ◇ ◇ ◇    授業の合間、おれは図書室にいた。  入学早々に音楽系サークルを出禁になったおれは、狸小路の音楽スタジオに貼ってあるボーカル募集の張り紙をチェックした。いくつかのバンドと連絡を取って実際に会ってみたんだ。どのバンドも社会人の集まりだったから、学生のおれが行くと気を使われたんだけど、いざ歌いだすと皆そろって目を丸くさせた。練習や活動についての説明を聞いた中からひとつに絞り込んで、バンド名未定のグループに参加することになった。  リーダーによると、ボーカル以外

          『音色と歌声』 第3話