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大人とこども、福島と東京をむすぶ稲刈り体験

2022年10月16日(日)、福島県立岩瀬農業高等学校にて麻布子ども中高生プラザの皆さまと八芳園スタッフは、岩瀬農業高校生とともに稲刈り体験を行いました。
大人とこども、福島と東京をむすぶ稲刈り体験のレポートをお届けいたします。

産学連携協定を締結する
岩瀬農業高等学校と八芳園の取り組み

福島県鏡石町と包括的連携協定をむすぶ八芳園。
その取り組みの一環として岩瀬農業高等学校と八芳園は、産学連携協定を締結しています。

国際基準の認証制度「グローバルGAP」の認証を取得したお米で作られた糀甘酒「福島県立岩瀬農業高等学校産米 無添加糀あまざけ」の開発・販売などの取り組みを行い、福島県鏡石町のふるさと納税の返礼品として決定。
「食」を通じた地域経済活性化支援および、福島県鏡石町の魅力の幅広いPRに繋げています。

2022年6月3日 田植え時の田んぼの様子
2022年6月3日に行われた田植えの様子

取り組みの一環として、2022年6月3日岩瀬農業高校にて、高校生にご指導いただきながら八芳園スタッフが田植えを行いました。

稲刈り時の田んぼの様子

初夏に植えた苗は、秋になり黄金色のたっぷりとした穂をつけました。
今回、田んぼの稲刈りを行ったのは、麻布子ども中高生プラザの親子の皆さま、岩瀬農業高校生、そして八芳園のスタッフです。

都心での稲栽培に挑戦する
麻布子ども中高生プラザの子どもたち

麻布子ども中高生プラザ 屋上の田んぼの様子

東京都港区にある麻布子ども中高生プラザは、赤ちゃんから高校生世代を対象にしている施設。
子ども達が自由に遊び、スポーツ・創作・音楽活動が行える児童館から、0歳から未就学児がのんびり過ごせるこそだてひろば、学童クラブなどを利用でき、様々なプログラムが行われています。

そんな麻布子ども中高生プラザで八芳園が行っているのが「日本一の農業高校生が教えてくれる!一緒にお米をつくろうプロジェクト」
麻布子ども中高生プラザのAZABUいきもの係の小学生たちは、屋上を使用して都心での稲栽培に挑戦してきました。
いままでスズメの被害を受けながら苦労して育てて実った稲穂には、わずかな米粒しかなく、悔しい想いを重ねてきたそうです。

今年こそは大収穫祭を行うべく、グローバルGAP認証取得日本一の岩瀬農業高校生からオンラインレクチャーを受けながら本物のお米作りを行ってきました。

麻布子ども中高生プラザ 高校生オンラインレクチャーの様子

生育状況の確認や困っていることなど、稲に関する相談事項をオンラインでやり取りし、GAPに関する知識も高校生に学びながら稲作りを行います。

岩瀬農業高校での稲刈りの2日前、麻布子ども中高生プラザの小学生たちはオンラインでレクチャーを受けながら屋上で稲刈りを実施。
刈ったお米は岩瀬農業高校に持っていき、脱穀と精米を行っていただきます。
今回の岩瀬農業高校での稲刈りで、高校生と子どもたちは初めてリアルで出会いました。

岩瀬農業高等学校での稲刈り体験

当日は麻布こどもプラザの親子の皆さまと八芳園スタッフ、総勢33名がバスで東京から福島へ。

岩瀬農業高校の田んぼ

岩瀬農業高校は、42ヘクタールの広大な敷地を有する高校。
到着すると、大きな田んぼと黄金色の稲が広がる風景に子どもたちは驚き、自然の豊かさに心躍らせている様子でした。

黄金色の田んぼのなか、稲刈りを開始!

稲刈り体験の様子

稲刈りを行うのは6月に岩瀬農業高校の生徒たちと八芳園スタッフが田植えを行った田んぼ。
着替えて田んぼに移動し、岩瀬農業高校の赤崎先生より鎌の扱い方など稲刈りのレクチャーを受けます。

田んぼに入って稲刈りを開始すると大人も子どもも、初めての体験に夢中になりながら取り組みました。
子どもたちは稲の手触りやにおい、靴が泥にはまる感覚、田んぼに住む生き物たちとの触れ合いを存分に楽しんでいる様子です。

高校生と大人と子どもたちが協力しながら、およそ30分ほどで全ての稲を刈り終え、撮影した集合写真は大人も子どもも達成感に溢れた表情でした。

刈り終えた稲は、昔ながらの脱穀機を使用して脱穀の体験をさせていただきました。

脱穀体験の様子

稲刈り後の新米おにぎりは格別な味わい。

稲刈り後には岩瀬農業高校の皆様に、新米で作ったおにぎりを振る舞っていただきました。
今回の稲刈り体験で、一番楽しみにしているという子どもも多かった新米おにぎり。

塩をかけるだけのシンプルな塩むすびが、新米の甘さを引き立て、疲れた体に染み渡る格別の美味しさです。
子どもたちも何個もおかわりをするほどの、大好評。
高校で育てられたきゅうりと自家製味噌と一緒に、今年の味の新米おにぎりを堪能いたしました。

今年の新米の出来について、岩瀬農業高校赤崎先生は語ります。

岩瀬農業高校 赤崎先生

岩瀬農業高校 赤崎先生:
昨日収穫して夜に乾燥したばかりの米を、今朝に袋詰めを行った、本当に収穫したての新米を使用したおにぎりをご用意しました。
今年は台風も避けてくれたので新米の出来はとても良く、実りもよく米も大粒になっていて美味しいお米に仕上がっています。

岩瀬農業高校 赤崎先生:
学校で栽培して今日の朝収穫した、農家ならではの採れたての新鮮なきゅうりもご用意しました。
お召し上がりいただいた新米ときゅうり、両方とも「GAP」という農業の安定を支える基準を満たす認証を取得しています。
皆様にはぜひ、東京に帰ってこの味わいや美味しさを伝えていただければと思っております。

おにぎりときゅうりを食べた後には、小学生たちから一年間米作りを支えてくれた高校生へのお礼のメッセージを書いた色紙を渡しました。
福島の高校生と東京の小学生の絆がさらに深まった1日となりました。

高校生と小学生、それぞれが稲刈り体験で感じたこと

麻布子ども中高生プラザの小学生の感想

「高校生のみんなと稲刈りができたことが楽しかった」と楽しそうに語る、麻布子ども中高生プラザの小学生たち。

麻布子ども中高生プラザ 近藤 まや さん

小学4年生の近藤 まやさんは屋上での稲刈りとの違いを語ります。

近藤 まやさん:
屋上の稲刈りとは稲の硬さが違って、農業高校の稲は刈りやすく、一発でサクサクと刈れました。
広い田んぼは見たことあるけど、入ったことはなく、全て刈り終えてやり遂げた感じと達成感があります。
来年で稲刈りは3年目になりますが、来年もまた稲刈りをしたいです。

麻布子ども中高生プラザ 肥後 宗大郎くん

小学2年生の肥後 宗大郎くんは、新米のおにぎりをとっても気に入って3個ぺろりと食べました。

肥後 宗大郎くん:
新米のおにぎりがもっちりしていて美味しい!いっぱいおかわりしました。稲刈りは思っていたのと全然違う!屋上よりも田んぼが大きかった!

子どもたちの親御様からも、
「たくさんの経験をさせていただき、普段作ってもらっているお米のありがたみを感じました」
「普段見ることが出来ない、自然あふれる里山の景色を見ることができ、子どももそれを楽しんでいたのを見られてよかったです」
など、ご満足した様子の感想をいただきました。

体験を通して農家の想いを知る 岩瀬農業高校生の感想

岩瀬農業高校生3年生の皆さまからも感想をお聞きいたしました。

岩瀬農業高校 3年生 荒井さん / 佐藤さん / 白石さん

岩瀬農業高校 3年生 佐藤さん:
麻布子ども中高生プラザの小学生には、ずっと会いたいと思っていました。
実際に会えてとても嬉しかったです。
オンライン越しでも元気さが伝わっていましたが、いざ実際に会ってみるとさらに元気いっぱいで、エネルギーをもらいました。

岩瀬農業高校 3年生 佐藤さん:
今回、小学生のみんなに作ったお米を食べてもらって、とても嬉しい気持ちです。
農作物を育てるのはとても大変ですが、食べてもらえて喜んでもらえるという嬉しさがあるということが分かり、農家さんはこういう気持ちなんだということが実感できました。
授業で学んだこと、農業で経験した大変なことに取り組むための粘り強さは将来にも活かしたいと思います。

岩瀬農業高校 3年生 荒井さん:
お米を育てる、農作物を育てることは基本的には大変なことばかりです。
大変なことはあるけど、それを乗り越えて美味しい作物ができると、今日のようにみんなが美味しいと言ってくれるため、また作りたいと思えます。

岩瀬農業高校 3年生 白石さん:
進路は農業とは違うものになりますが、こうやってみんなに食べてもらう嬉しさがあるため、またお米づくりはしたいなと思っています。

岩瀬農業高校生にとっても貴重な経験になり、育て上げた農作物を誰かに喜んでもらえる嬉しさを知るきっかけとなりました。

八芳園担当者の想いとこれからの取り組み

福島県出身の八芳園コンテンツプロデュース事業部 矢内 加奈 氏。
今回の取り組みへのきっかけや想いを語っていただきます。

コンテンツプロデュース事業部 矢内 加奈 氏

矢内氏:
東京の小学生と福島の高校生が1年を通して行う「日本一の農業高校生が教えてくれる!一緒にお米をつくろうプロジェクト」

岩瀬農業高校生たちには、取り組みを通して東京の子どもたちに先生として教えることによって、改めて自分たちが勉強していることの素晴らしさや希少性を感じていただきたい。
東京の小学生たちには、地方ならではの魅力や、農業に取り組む高校生たちの素晴らしさを体験いただきたい。

そんな想いから、岩瀬農業高校生と麻布子ども中高生プラザの小学生たちとの交流の場を企画いたしました。

矢内氏:
今回の稲刈りに参加された方の中にも、福島に訪れたことがないという方がいらっしゃいました。
福島の農作物に対する風評被害はまだ存在し、どのように農作物が作られているかは実際に足を運んでいただかないと実感できないことだと思います。

今回の取り組みのように、実際に現地に足を運んで農業を体感していただき、出来たてのものを食べるおいしさを知っていただく。
そして、また福島に遊びに行こうと思っていただける。
そんな輪が広がってほしいという思いも込めて活動しております。

矢内氏:
当日の稲刈りの様子を見て、リアルで体験するからこそ感じられるものが、東京と福島、離れた土地に住む小学生と高校生の間に生まれたと思います。
オンラインでの交流の場を作りつつ、リアルでの交流も増やしていき、そこに参加する人たちの輪をどんどん広げていきたいと考えております。

今後の取り組みにつきましては、岩瀬農業高校と麻布子ども中高生プラザの皆さまには、オンラインで交流してもらい一年間の記録を振り返る会を予定しております。
都心の屋上で作ったお米と福島県で高校生が作ったお米。
オンラインで繋がりながら、まったくおなじ苗からできたふたつのお米を食べ比べていただく会も予定しております。

このような取り組みは福島県だけではなく、様々な自治体でも行えます。
米の価格が下落していることや、農家が減っていること、GAP認知度の向上など。
自治体が抱える様々な問題を少しでも改善できるきっかけとして、このような活動を広げていきたいと考えております。

▼八芳園コンテンツプロデュース事業部へのお問い合わせはこちらより

大人とこども、福島と東京をむすぶ稲刈り体験。
今後も八芳園は「食」がつなぐ地域活性化、地域・年代を超えた世代交流の取り組みを行ってまいります。


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