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求職リアル‼

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人生何度目かの求職活動。 生活の大半を占める仕事という、生きて行くための居場所探しは、社会に出て働くという現実の難しさと厳しさをまざまざと見せつける。 働くことは生きることなのか…
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2024年5月の記事一覧

3月16日

 仕事のために健康診断に行く。交通費を払って、何故、こんな遠いところまで時間をかけて行かなければならないのか…。言われた時点で全て嫌になった。
 もっと身軽に働きたい。
 組織が大きいと、面倒臭いこともそれだけ多いのかも知れないが、短期なのにここまでしなければならないことが物凄く重かった。
 そんな大きな職場で働きたくない。
 心の中で思っているせいで、大きすぎる組織に短期でも雇われることに脅威し

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3月15日

 短期の仕事が決まったところから、一度職場へ来るように言われたので渋々出掛ける。本来の出不精に、コロナが作用して更に拍車がかかり、一度の外出でより多くの用事を済ませようとするケチ根性が定着してしまった。
 今月に入って、何度か携帯に着信があった。留守番メッセージはなく、複数の番号の所在は、全て同じだと調べてわかった。
 ただでさえ携帯を携帯しない。自宅にいれば尚更で、そもそも電話嫌いなのと、電話を

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3月9日

 誕生日の日に電話があった。お祝いの…ではない。仕事の…である。
 待ちに待った誕生日のプレゼント!だとは、思わなかったが、もしかしてプレゼントか?とは思った。しかし心が浮き立つことはなかった。それよりも慌てて言い訳に行ったのだ。何処に?本棚の杓文字に…である。
 なかなか正社員の仕事に就けず、有期雇用で燻っているうえ、当時恐らく就活中だった姉に、ちゃんと正社員として働いている弟が旅先で買ってきた

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1月19日

 在宅中の日中にかかってくる電話に、ろくなものはない。大方セールス。ナンバーディスプレイに表示される、見たことのあるような番号を無視すれば、留守番電話に変わっても、メッセージが録音されることはない。迷惑な電話に対し、居留守を使うことに罪悪感さえ抱かなくなって久しい。
 遅めの昼食中、電話が鳴った。出るかどうかは番号を見てからだが、恐らくいつものセールスだろうと覗き見た表示パネルには、ちょっと知って

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1月8日

 月末に受けた面接の結果が届いた。久々に【不採用】という文字を目にする。久々なのは、ずっと【採用】だったからではなく、ずっと働きたい仕事に応募する機会がなかったからだ。
 面接に嫌な感じはしなかった。十ヶ月未満の短期だし、望んでいる正社員の道ではなかったが、期間が限られていても自分の身になると信じ、したいと思えた仕事だった。
〝面接〟というより、〝雑談〟といった風情で、リラックスできたが、あまり興

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1月4日

 放置していた携帯に着信があった。同じところから二回。一回目に伝言メモがあり、何ヶ月も前に電子登録した、市の臨時職員に関する部署からだとわかった。現在の就業状況確認の最後に「宜しくお願い致します」と締め括られている。かけ直すともかけ直せとも言われていない。一体どうしたものかと思ったが、その日は既に、役所の開庁時間を過ぎていたため、翌日まで待つことにした。
 翌日、電話を持ち歩いたが、着信音が鳴る気

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12月21日

 ハローワークへ赴く。面接を辞退した日に、気になる求人が見付かったからだ。
 とはいっても、希望している正社員ではない。僅か数ヶ月の有期雇用。クリアしているのは給料と休日、希望業界で、希望の通勤圏内だということ。最優先事項である〝生涯雇用〟だけが足りないが、勤務開始日が来月の後半なので、運良く採用されたとしても、まだ正社員の仕事を探し続ける猶予はある。求人票を元に、疑問点を確認してもらったら、こち

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12月19日

 面接を辞退した。
 自らに課した大掃除のノルマを日々果たし、月末の総仕上げを残しただけで、面接準備に備えるための丸一日は確保できたものの、十日間悩み続け、葛藤し、内心、進むか引くかの押し問答であった。
 石橋を叩き過ぎて渡らないのは、私の悪い癖かもしれないが、辞退を決めた後、心からホッとした。肩の荷が下りた…という身軽さに、後悔はしなかった。
 辞退のメールを送った後、儀礼的ではないが、短い承諾

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