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何度でも読み返したいnote2

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの2も記事が100本集まったので、3を作りました。
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記事一覧

ブラジルの人に聞こえる声が、病室に届かないわけがない。

今年のお正月は関東から久し振りに九州の実家へ帰省をした。 同じく実家を出て隣県に住む妹も久し振りの帰省をし、みんなでお正月らしく過ごした。 ところが、明日関東へ戻ると言う日、母が祖母の入院している病院の先生から呼び出しを受けた。 帰ってきた母の目は赤く腫れ 「先生がもう、危ないから、会わせたい人には会わせておいて、って」と涙声で話した。 私は急遽、関東へ戻るのを一週間延ばし、一足先に隣県へ戻った妹もその日の夜にはまた実家へと帰ってきた。 祖母はもう90歳である。 次の

みんな寂しさに涙していた時がある 〜 長渕剛 「Myself」

向田邦子さんがそのエッセイの中で「手袋を探す旅」(=自分の我を通して、自分なりの人生を歩むこと)に出ることができたこと自体を財産と語っているように、我々は誰もが、何かを求める旅に出ているのでしょう。 それは、自分で考え、自分で決定して、自分で歩み出していくということ。最初は誰もがひとり。生きていく過程で、その道に共感する仲間を得て、家族を得て、人生は少しずつ彩りを帯びてくる。 「夢はなんですか?」 と聞かれる事がこの世で一番怖く思えた (歌詞一部引用) 仲間ができて、家

行間を読むという不毛と意義

2022.6.3(金曜日) Line spacing 晴れている。 そして暑い。 暑いが出かけることにした私。 街を歩きながらいろいろ考えごと。 「そのセリフはそういう意味じゃないだろ!もっと役の心の奥を知れ!」 演劇をやっていた頃、何度そういう叱責を受けただろう。 行間をうまく読めない役者がそうやって演出家から叱責をくらうのは珍しい光景ではない。 そういう苦行をしたせいか行間を読むのは得意になったが、そうでない方と接する時にとても苦労する。 私はこの一言で充分だろうと

05.14

美味しいもの談義「よくわからんけどとりあえずすっごい美味しいもん食べたいなぁ。」 仕事の帰り道でぼくの隣を歩くいつもの上司が笑いながらぼくにこう語りかけてきた。 「そうですね。 とりあえずすっごい美味しいもの食べたいですね。」 そうぼくも笑いながら上司へと言葉を返す。 そうやってぼくと上司のいますっごい食べたいもの談義が突然幕を開けた。 まずはじめにあがった美味しいものは「回転寿司のサイドメニュー」だった。というのも仕事の休憩時間にぼくがInstagramで回転寿司

さっちゃん争奪戦

さっちゃんは、平凡なあだ名。さっちゃんはオールラウンダー。 学校で、あだ名で級友を呼び合うことを禁止する校則が世の中に存在することを初めて知った。容姿や性格から本人の意図しないあだ名がつけられた場合、差別助長につながる可能性があるから、だそうだ。苗字で呼ぶことでフラットな付き合いを目指すらしい。 小学校のとき、クラスでさっちゃんを最初に獲得したのは、私の友人の「さちよ」ちゃんだった。誰かが彼女のことをさっちゃんと言うので、私がその仲良しグループに入れてもらったときには、もは

手作りお菓子の記憶

先日、母の33回忌法要があった。 お寺のお坊さんから「33回忌の法要をお務めになる人は多くありません。それだけみなさんが故人への思いを深くされ、徳をお積みになっているということです」とのお言葉を頂戴した。 母の法要はこれが最後になるだろう。 そこで母という人、また母を失った子供の心模様について記しておきたい。 なお、こうした記事は「スキ」やコメントを付けづらいと思いますが(私も躊躇するタイプ)母は非常に明るい人だったので遠慮は無用です。 そのほうが母も喜ぶと思うので^^

先輩が私を溺愛しすぎている

自慢ではないが、そんなに人に好かれる方ではない。 考えられる原因としては人見知りのため、親しくなるまでに結構な時間を要すること。大人になるにつれ、多少マシになっているんじゃないかと自分では思っているが、初対面の人に対して謎の敵対心のようなものを感じてしまうのは変わりない。こちらがそんなんだから、もちろん相手も私に嫌な気持ちは抱いてしまうよなーというのももちろんわかっているのだが、30年これで生きてしまったから、変えたくてもなかなか変えられない。そして「これが私だ!!!」と開

私が夫を泣かせた日

2022年4月10日 私は夫を泣かせてしまった。 夫の涙は一生見ることがないのだろう… そう思っていた。 実際、彼は、小学校低学年の柔道の大会で敗退して以来、泣いたことがないらしい。義理の父と母からも、「その大会以降、彼の涙する姿を見たことがない」と聞いていた。 妻となった私から見ても、夫はわりと社会の中では一匹狼的存在に映っているし、体も大きくてちょっと見た目も怖いので、そして異常なほどのタフさを兼ね揃えているように見えるため、この人が泣くことは今後もないだろうなと思

なにごともない町

ここ数日間、大家さんへの退去の挨拶を書いては消し、書いては消しを繰り返していた。 彼らに懺悔しておきたいことや、共有しておきたい思い出。 いざ書き出してみると糸がするするほどけるように次から次へと記憶と言葉が溢れ出てきて、書けども書けども収まりそうになかった。 節分のあと自転車置き場に残された大量のハトのフン、ガリガリ削って片付けてくださってありがとうございました。 そして、本当にごめんなさい。 あの辺りに炒り豆をこぼしてそのまま放置した犯人は、私です。 なぜか真夏の昼間

あの夏の、

忘れられない、夏がある。今でも時々ふと思い出して、ああ楽しかったなって顔がほころぶ、そんなひと夏の思い出。前にもnoteに書いたかもしれないけど、今日またふと思い出して、ふわふわと幸せな気持ちになったから書き残しておこうと思う。 大学3年生の夏、ホテルのビアガーデンでアルバイトをしていた。仕事自体は楽ではなかったけど、とても楽しかった。時間いっぱい客席を駆け回ってビールを運ぶ。季節限定のイベントを従業員もお客さんも、みんな一緒に楽しんでいるという印象で、みんな仲が良いという

涙の代わりに飲み干してた缶ビールを喜びに変えようじゃあないの

いつかの旅行帰り、座った新幹線が3人席だった。 私と夫と、窓際には出張帰りのような方。 旅の余韻に浸りながらあれが美味しかったこれが面白かったと話していると、出発から程なくして隣の方に声をかけられた。 「あのすみません」 「はい、どうされました?」 するとその方はスッ、と懐から買ったばかりであろうご当地缶ビールを出して一言。 「これ、やらしてもらっていいですか。」 あまりにキッパリとした潔さ! 私も夫も最高の気持ちになってしまった。 思わず笑顔で「どうぞ〜!」としか言え

俺が真也で真也が俺で

夫が真也に理解を示している。 それも、とびきり深い理解と同情をだ。 我々夫婦が、そろってAmazonプライムのバチェラージャパンを楽しんでいることは、既に何度かお伝えした。 参考記事① 参考記事② ←最近ようやくリンクを付けられるようになったから多用 バチェラーとは、たった一人の完璧な男性を複数人の女性たちが奪い合う恋愛リアリティショーである。 シーズン4から視聴をスタートさせ、その後シーズン1、2と順調に視聴を重ね、このほどついにシーズン3を完走した。完全制覇である。

とんとん、とん

個人的な話で恐縮なのですが、私は現在パニック障害の治療の為、月に一度病院に通っています。 長年の付き合いである主治医、薬剤師の方とのカウンセリングと、数種類の薬による治療を施してもらっています。 日々の薬の服用はもちろん、適度に運動をしたり、ストレッチなどを日課的に行うことがとても大事だとのアドバイスを受け、毎朝仕事前、そして夕ご飯の前か食後に、計三時間ほどウォーキングをしています。 晴れた日は飲み物を持ち、雨の日は傘をさして歩いています。 いつもの見慣れた田舎道ですが、

「死んだら悲しい」は本当か

また、知り合いが自殺した。 その人とは何人かで集まる時に居合わせるという感じで、個人的にすごく話したというわけではなかったので、「〇〇自殺したよ。」と聞いた時、驚きはしたけど「驚き」程度だった。 「まじか。」に次いで出た言葉は、「OD?」だった。その人がやたら薬に詳しくて度々ODしているのを知っていたから出た言葉だったが、自殺の知らせを聞いてから何も考えずに自殺方法を尋ねてしまうくらいには、私はおかしい。 その手のニュースに私は上手く反応できなくなっている。 友達が死んでも