記事一覧
新しい暮らしに、足りなかったもの
まだ実家で暮らしていた頃、夕飯の後には決まって母がお茶を淹れてくれた。それは日によって緑茶だったり、紅茶だったり、ほうじ茶だったりと違ったが、とにかく我が家の食後はお茶と決まっているのだ。
それは暮らしに染み付いた癖みたいなもので、あまりに当たり前にお茶が出てきていたものだから、一人で食後の時間を持て余した時に初めて、しばらくお茶を飲んでいないことに気が付いた。
一人暮らしを始めたばかりの僕の
1月に読・見・聴きしたもの
今年は年始から妙に本が読みたい気分で、暇さえあれば興味を唆られたものを本棚から引っ張り出しては読んでいた。常日頃からWeb記事も音楽も漫画もそれなりに摂取しているし、以前はそこからえた感覚や知識をブログなり日記なりで整理していたものだから、詰め込むだけなのがどうにも気持ち悪い。
人間はどうあっても忘れていく生き物なので、この1ヶ月間で僕が何に興味を惹かれ、何を読み、何を得たのかを残しておこう。多
日記を書くプロセスを公開してみる試み
ちょくちょくこんな日記を書いています。
去年の後半は毎日書いてたんですが、ちょっと本業が忙しくなってサボってました。ここ最近で少し再開しまして、折角ならこの日記を書くにあたり、そのプロセスを公開してみようかなと。
個人的にデザインがどう定められていくのかとか、アーティストがどんな思いでその作品を作ったのか、その人が何故その事業に身を投じているのかとか、そういう背景とかプロセスが好きなんですよね
黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.17
寒くなってきたのでこたつを出して満足していたら、まだ扇風機がデンと構えていることに気が付いた。そういうとこだぞ、僕。必要だから出すのはできるのに、必要ないから片せないのはもうだらしなさと呼ぶ他ない。そんな訳で、我が家には今こたつと扇風機が共存している。思えば衣替えをしなかった今年の夏は押入れで夏物と冬物がシェアを奪いあっていたし、下駄箱に空きがあるのにも関わらず玄関には未だにサンダルが三足並んでい
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.16
「趣味が無い」の意味がよくわかっていなかったのだけれども、要はそういう人って意味を求め過ぎているだけなのだと、先日友人と話していて思い当たった。自己肯定感にも近い概念で、私が絵を描いても誰が見るのとか、趣味と言える程のものではとか、そういう人からよく聞く言葉には、趣味に対して必要のない謙遜がある。別に趣味なんて、誰かのために持つものではない。始めたかったら始めればいいし、つまらなくなれば止めて良い
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.15
毎年この時期に、日本一早い忘年会と称して忘年会を企画している。日本の年の瀬ってちょっと忙し過ぎやしないか。予定を組もうにも連日連夜の忘年会でキャスティングができないし、暴飲暴食が嵩むものだから胃腸が休む暇が無い。であれば時期をずらそう。折角なら埒外の時期が良い。そう思って企画しているのがこの忘年会である。僕が今年、間違いなく一番通った近所のイタリアンを貸し切りにさせてもらい、大いに食べて大いに飲ん
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.14
人生で一番気まずかった食事は、と聞かれれば、即答できるくらいのランチがある。インターンをさせてもらっていた会社の社長と、その会社には入社せず別の会社を選んだ僕とのタイマンランチだ。片やベンチャーとはいえ百人からなる会社の経営者。片や世間知らずの阿保な学生。早々に話題は尽きて、会話の時間よりも沈黙の時間の方が長かったかもしれない。そんな人と、昨日再びランチに行ってきた。四年ぶり二度目の彼とのランチ。
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.13
食物連鎖のピラミッドは薄氷のバランスの上に成り立っていて、乱獲は生態系を破壊するだけでなく、捕食者にとっても不利益をもたらしかねない。路上喫煙者とその取締りをする人らも、同じような生態系を維持しているに違いない。路上喫煙の罰金は二千円。都心部の路上喫煙者の数を考えればその漁獲高は決して少なくは無いだろう。ただし、短期間での乱獲が続けば、路上喫煙者は絶滅に追いやられ、少なからぬ税収は立ち所に消え去っ
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.12
インスタのリール然り、ツイッターのフリート然り、なんで?とずっと思っている。みんな違ってみんな良かったはずのSNS達が、どうして歩み寄っていってしまうのだ。ユーザーを引き止めるために新機能が必要なのは理解した上で、こうも似たり寄ったりな機能ばかりなのは、どうにも理解に苦しむ。僕はSNSが大好きだが、諸手を挙げて大賛成という訳ではない。人が自分で自分の好きなものを選ぶ能力を、SNSは確実に奪っていく
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.11
自分の顔にぴったりと合う眼鏡をかけた瞬間には、バチーン!という音が聞こえる。それはもう奇跡みたいな出会いで、僕はその眼鏡が九万四千円もしなければすぐに連れ帰っていたと思う。僕と眼鏡とを隔てるのはお金だけで、けれども資本主義のぶ厚い壁に対して僕はあまりにも無力だった。こんなことなら出会いたくなかった。僕らはさながら、令和のロミオとジュリエットと言ったところだろうか。迷う理由が値段なら買え、買う理由が
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.10
ブログとECサイトでは、そのパーツの数が全く違う。もうねんどろいどとガンプラくらい違う。だからECを作るのは難しいとかそういう問題でなく、いやまあ当然難しいのだけれども、それ以前にシンプルにめちゃくちゃエグい。ブログなら精々トップページと文章の見てくれを弄るだけで済んだものが、その十倍近い数のページを作り、リリースに際しては全ての挙動をくま無くテストしなければならない。そしてそのテストがデバイス・
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.9
何やら花粉の気配を感じる。症状はさほど重くはないものの、僕の過敏な抗体は花粉を決して見逃さない。妙に鼻がムズつくこの感覚は間違いなく花粉である。思えば世界中どこにいても花粉は僕の粘膜を蝕み続けてきた。東京やニューヨークならまだしも、モスクワですら止まることを知らない僕の鼻水。何の花粉なのかと調べてみたら白樺だというから、そのカバー範囲の広さには我ながら呆れる。アジア圏には黄砂が、ロシアには白樺花粉
もっとみる黙ってたって過ぎてゆく - 2020.11.8
好きな星野源の曲に「歩く歩く街を征服」という歌詞がある。昔からこの手の「この街は僕のもの」的な歌詞や言葉がすごく好きだ。LINEのプロフィール画像は「TOKYO IS YOURS」と描かれたグラフィティだし、毛皮のマリーズで一番好きなのは「ティン・パン・アレイ」の始まりだ。その場所に居場所が認められている感覚。街を見下ろし、あるいは練り歩き、そこに存在する主体としての自分。街に内包された自分ではな
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