あっさり裏切られた
久しぶりに飲酒した。
酒は不味いが、敏感すぎる脳を麻痺させたい。
信頼していた『心』が、180度話をひっくり返したのだ。
そうだよね。面倒なことには巻き込まれたくないよね。
やっぱり弱者はどんなに踏み躙られてもいい存在だと認識されているのだ。
それでも諦めずに声は上げていく。
来週の最終日、『心』は玄関で
「この度は大変申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げるだろう。
そして私は「いいえ、こちらこそありがとうございました」と笑顔で応えるだろう。
この茶番劇を今回も演じなければいけないのだろうか。
私が怒りを顕にして「言ってたことと全然違うじゃん❗ふざけるな!」
と詰っても状況は変わらないことは解る。
やはり私はこの茶番劇に付き合わなければいけないのだろう。
嫌だなあ。
でも『心』と話した時間は楽しかった。
自分でも気が付かなかった抜毛症を『心』は気付いてくれた。
それから一目置くようになった。
思想・思考が似ていて、政治や社会問題についても話が合った。
私と同じで、完全に感情と理性を切り離せるサイコパスだと思い親近感を抱いていた。
今思うとそれも合わせてくれただけだったのかな。
何年も寄り添ってくれていたこと、心から感謝している。
ありがとう。元気でね。
お仕事頑張って独立してね。
飲酒したが嗅覚過敏は麻痺していないらしい。
一階のリビングにいても二階の猫トイレが臭う。
猫も「トイレ掃除しろ」とにゃーにゃー鳴いているので見に行った。
やはり立派なブツがあった。
私の感覚過敏、共感能力、言語理解能力は体調不良を引き起こす厄介な特性だが、子育てには強力な助っ人になった。
赤ちゃんの気持ちが即座に分かる。
「お腹が空いた」「喉が渇いた」「暑い」「抱っこして」「眠たくてなんかイライラする」
その都度応えて子どもが満足した表情を見ると、自己肯定感が上がった。
それまで「ブス、バカ、音痴、チビ」と散々罵られて生きてきたが、子育てで初めて自分の能力に自信が持てた。
どんなに疲れてても睡眠不足でも理性は保てるので、子どもにイライラして当たることはなかった。
今、信じられるのは自分の直感だけだ。
もう騙されないように冷静に判断していこう。
数日前、新しく入ってくれる男性を紹介された。
人懐こくて初対面なのに仕事と関係ないことを色々話しかけてくれた。
こういう人は危険だ。
気を許して話していると、執着してストーカーになる可能性がある。
今後は距離を取って目も合わさず、でも穏やかに対応しなければいけない。
何故弱者だからといってここまで神経を尖らせなければいけないのか。
この国は男尊女卑で、どんな立場であっても男性の機嫌を損ねたら潰されるからだ。
油断した私が悪かった。
『心』だけは信頼できると思ったのだ。
明日は久しぶりに晴れるらしい。
たくさん洗濯してベランダ一杯に干して、命の洗濯をしよう。