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生きるとは何か

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

2009年1月10日に投稿したブログより。

酒が入っていたものの、熊本からの帰りの電車内で、ところどころ目を潤わせながら500ページ一気読みでした。

凡庸な女性の人生の29歳から40歳までの期間を、確かな筆致で描ききっています。

ひょっとすると、この作家はこの先、時代小説などで市井の人々の生き様などを描かせると、はまるのかもしれません。

運命というのは、たとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、めぐり合ったそれを我が手に掴み取り、必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなるのだ

全編を通して作者の言いたかったのはここの部分なのでしょうか。

男性の私からは読んでいてしっくりくるのですが、賢い女性が読むと、恋愛して結婚して出産して相手の親を含めて家族で生きていくことだけが女の幸せじゃないわよ、なんて言われてしまうかもしれません。

また、本書は思想的な部分は比較的抑えられていますが、おそらくはこの作家はしつこいくらい「生きるとは何か」を己に問い続けているのだなと読んでいて強く思いました。

どうやら21世紀の人間失格ともいえる、この作家の人生観を詰め込んだ一冊も出ているようですが、いつか心にゆとりと体力のある時に試してみようと思います。

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